プロローグ
どうもSEIMAです。
性懲りもなく新作を始めました。
今回は完全オリジナル
どうぞお楽しみに
真夜中のとある屋敷のホール
月明かりで照らされた室内は異様な空気で包まれている。
薫るは硝煙と肉が焦げる生臭い香り
パーティー会場であったそこに散らばるは、血にまみれた肉塊
それも、僅か5分前まで生きていた人間である
腹を撃たれたもの、頭を撃ち抜かれ茫然と息絶えたもの
男も女も関係なく屍をさらしている
抵抗したんであろう、屍の中には銃を持ったものもあるがトリガーに指をかけたまま死んでいる。
この場にはすでに生存者はいないかと絶望視された瞬間
ホールの最奥、主賓席の付近で物音がする。
「はぁ、はぁ、はぁ…………」
一人の男が、ホールの中を逃げ惑う
仕立てのいいスーツを纏った男は、突き出た腹でテーブルにあるものを薙ぎ倒しながらな逃げる
その後ろを追うのは黒いロングコートを着た若い男である、男はゆっくりとした歩調で男を追いかける
特になにをするのではない、ただ追いかけるのみ
まるで獰猛な猛獣がネズミを追いかけるかのように、じっくりと強かに
やがて、体力が切れたのか男の足がもつれ床に倒れ込む、すぐさま起き上がろうとするが倒れた場所はくしくも死体が多く転がる場所。死体から漏れ出た血が粘り気を持って男の両手に纏わりつき、起き上がろうとする意志を阻む
普段なら冷静に対処できるそれも、今のこの男には恐怖を助長させる要因でしかない
後ろからは、若い男が履くブーツの足音が近づく
男が振り向くと、震えた唇から声を絞り出した。
「ま、待ってくれ、金なら払う、だから見逃してくれ」
男の命乞いもむなしく若い男の歩くスピードは変わらない
「い、一億払う、だから命だけは助けてくれ!!」
男はそう叫んだ瞬間、若い男の足が止まった。
ブーツが片方入るくらいの距離で止まったそれは、手を伸ばせば届くというくらい近い
男は、安堵した。
“助かった”そう心から思った。
不意に男が着ていたコートを払う
コートの中から太ももに取り付けられた黒いカイデックス製ホルスターが覗く、若い男はそこから一丁の銃を抜いた。
艶消しのブラックで彩られ、銃の先端には近距離戦用スパイクマズルガードが取り付けられている、その銃を観た瞬間男の顔から生気が抜け落ちた。
「ま、まて!10億だ、10億だそう、それにお前をわがファミリーの幹部にしてやる、だからここは見逃してくれ」
男は泣きそうな声でそう叫ぶが、若い男は無言で銃口を上げ男の眉間に標準を合わせた。
「地獄で吼えろ」
そうつぶやくと同時に、男の顔が一瞬光に照らされ後ろに弾け飛んだ。
倒れた男の眉間には穴が新しく口を開きその下の絨毯が見える
若い男は、ガンスモークが立ち上る銃をスピンさせホルスターに納めるとコートを翻しながらその場から歩き去った。
ホールには骸の山
皮肉にもその上には教会の屋根の十字架の影が重なっていた。
今後はこっちをメインで書いていくつもりです。