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地球生まれでスキル無しな僕、冒険者パーティから追放されるも科学と技術を使って、超絶美少女な幼馴染の異世界貴族令嬢と婚約する~スキルに頼るお貴族様なんて全然怖くない!~  作者: GOM
第二章 僕、ティナと結婚をする編。

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第44話(累計 第89話) 最終回! カイトとティナ。二人の幸せ!

「お義母様、わたくしとカイトさんの結婚を許して下さいませんか!?」


「母さん、僕からも頼みます。僕はティナと一緒になりたいんです!」


 今日、僕達は婚約報告をしに日本へ来ている。

 久方ぶりにあう母は記憶よりも老けてはいたが、まだ綺麗だった。

 そして、今は困った表情で僕とティナを見ている。


「カイト。事情はルークスからも聞いていたけど、女帝様を連れてきて結婚したいってのはどういうことなのかしら? まあ、ティナちゃんの事は小さい頃に会ってたから知ってるけど? 第一、アンタはまだ17歳でしょ? 高校にも行って勉強しないといけないと思うんだけど?」


「おにーちゃん、美人さん連れてきたんだ―! おねーちゃん、あそぼー!」


<御母堂様、急な話で申し訳ありません。ただ、ケジメをカイト様とティナ様がちゃんとしたいと思いまして、今回の話になってしまいました>


 妹はティナの側に座り、おねーちゃん、おねーちゃんと早速懐いている。

 今日は女子高生風ファッションのティナ、妹を猫かわいがりだ。


 ……なお、会話は日本語。ティナも日常会話くらいは日本語で出来るんだ。今回は正式な来日じゃなくて「お忍び」。異世界帝国女帝が来るってなったら、パニックになりかねないものね。


「……そうだよね。今日は急に話を持ち込んでごめんね。ただ、お忍びで来なきゃ、ティナは来日後に家になんて来れないし」


「ごめんなさい、お義母様。わたしの都合でカイトを引きずりまわしてしまいましたの」


「いや、ティナちゃんは悪くないよ。わたし、正直カイトの事は半分諦めていたの。異世界とは交流どころか通信も途絶。聞こえてきた最後の情報だと大粛清で多くの人々が亡くなったと聞いてたし」


「父さんは、最後まで僕を守ってくれたんだ。その後は、師匠、そして今日も一緒に来てくれているアデーレ姉さん、レオン、その他多くの人達に助けてもらって、生きてきたんだ」


  ◆ ◇ ◆ ◇


「フローレンティナお姉さま、カイトお兄さま。凄いです! これが地球なのですか!?」


 リヒャルト様によって救われ、大公様達から隠されていた元皇帝マルクス様。

 今は年相応のいたずらっ子な表情になり、僕達と一緒に日本観光を楽しんでいる。


「カイト。色々あったけど、わたし貴方と一緒になれて良かったわ」

「うん、僕も」


 ティナが女帝になってしばらく、帝国は再び大荒れになった。

 しかし、ティナが諸侯らを説得。

 諸侯らの権限を増やし、彼らを国政に責任ある議員に任命したことで、一応の安定を迎えた。


 また帝国内に済む異種族達との軋轢。

 これもティナが彼らの元へ直接出向き、話し合い理解し合う事で、お互いの妥協点を見いだせた。


 ……地球でも移民による文化問題は多いけど、閉鎖的になってお互いを理解しあわないのが原因。お互いに歩み寄れれば良いんだけど。


 可愛い女帝様が自ら話に行くという効果。

 それは日本相手にも通じている。

 今回の「お忍び」来日の目的、僕の婚約報告もあるけれども、もう一つが日本政府への接触。

 「異世界門」が再び開いたのは日本、そしてティナの婚約者である僕は日本国籍を持つ。


 ……異世界への接触をしたい諸外国には悪いけど、僕の立場を守るためにも日本との接触は大事。もちろん、先に国連には話を通してるけど。


「わたくし、日本とは仲良くしたいと思っておりますの。もちろん、過去の不幸な出会いや経緯があるのは知っています。ですが、未来を見てお互いに歩み寄れたらとも思いますの」


「はい、女帝陛下!」


 外務省の高官らしきオジサンが、ティナの微笑み一つで篭絡されちゃっているのは、まあしょうがあるまい。

 僕も彼女の微笑み、ひとつでノックダウンされたのだから。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「ねえ、ルークス。お父様とお母様の出会いってどうだったの? 今じゃ異世界と地球の結婚なんてよくあるけど、最初だったんでしょ? それも女帝様と日本人なんだもん」


<お嬢様。それはそれは大変な、しかし素敵なボーイ・ミーツ・ガールなのです!>


 ワタクシの端末に話しかける少女。

 父親譲りの賢そうな黒い瞳、母親譲りのアラバスタな肌と栗色の髪。

 カイト様とティナ様の大事な御子に、ワタクシは過去の物語を語る。


<……女帝になられましたティナ様。帝国が安定するまでの数年間、各地を飛び回ったり、政治活動に励まれました。カイト様は日本へ帰り、学業に励まれました。もちろん週末にはお二人だけのお時間を得て、愛を育んでまいったのです。そしてティナ様が二十歳になられた時、先帝であられましたマルクス様に帝位をお譲りになりました。後は大学を卒業なさったカイト様とご結婚。それ以降は、お嬢様がご存じのとおりです>


 帝位を退位なされてもティナ様は、家庭を守りつつ今日も異世界と地球の懸け橋として活動なさっています。

 カイト様もティナ様の護衛&精神安定剤として今日もイチャイチャしているのが、お二人の端末経由で見受けられます。

 スピーカーからお砂糖を吐きたくなるのはしょうがないですね。


「今も仲良いのは嬉しいけど、学校の授業参観でもイチャイチャなのは、わたし恥ずかしいなぁ」


<確かに今現在もイチャコラしちゃってますが、それはご容赦を。お二人の愛が貴方であり、そして世界を救ったのですから>


 ワタクシも地球によるメンテを受けて延命。

 今日も異世界、地球で多くの皆様をお助けしている楽しい毎日。

 この「平穏な日常」、平和を守るのがワタクシの勤めであります。


<お嬢様。ワタクシ、貴方や貴方のお子様、そして世界をずっと見守りたいです!>


「ルークスなら出来ると思うよ。これからも宜しくね」


<はい、お嬢様!>


<最後の場面の語り手役を頂き、ありがとうございました。これにてカイト様とティナ様の物語は終わりますが、ワタクシがこの世界を守って見せます!>


 ルークス君、お疲れ様でした。

 それでは、短い間でしたが皆さま。

 応援ありがとうございました。

 次の新作でまたお会いしましょう!

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