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地球生まれでスキル無しな僕、冒険者パーティから追放されるも科学と技術を使って、超絶美少女な幼馴染の異世界貴族令嬢と婚約する~スキルに頼るお貴族様なんて全然怖くない!~  作者: GOM
第二章 僕、ティナと結婚をする編。

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第38話(累計 第83話) 魔神将の顕現! 僕達、戦闘を開始する。

「なんだと? ワシが操られているだと!?」


「ええ、大公様。貴方もテオバルト様同様に操られていますわ、魔神(デーモン)によって」


 ティナは単刀直入に大公様に攻め込む。

 貴方は「傀儡(くぐつ)」、操り人形だと。


「ど、何処に魔神が居るとでもいうのだ? それに何処に証拠がある? 小娘が言うに事欠いて戯言をほざくな!」


「証拠ならいくつかはありますね。ねえ、アードルフさん?」


「ほう、いきなり私が魔神だと言うのですか、姫男爵様?」


 ティナの挑発に余裕をかますアードルフ。

 しかし、彼の背後に立っていたイーチェンが焦る顔を見せる。


「そうですねぇ。背後のイーチェンさんが慌てていらっしゃるのは置いておいて。まず大公様の周囲に魔神、それもかなり上位な物が潜んでいますのは元シェレンベルク伯爵様の時に発覚しています。そうでしたわね、リヒャルト様?」


「は、はい。ええ、父は執事であったエドモンに上手く操られ、多くの身内を暗殺してきました。大公様と同じくね。そしてテオバルトは魔神の姿となり、フローレンティナ様達によって討伐されました。その際、まだ自分の他に魔神が国内に潜んでおり、世界を腐敗させるように暗躍していると申していました」


 ティナに話を振られたリヒャルト様、まだ動揺を消せないものの、大公様に説明する。

 貴方も父親と同じだと。


「ワシはワシの考えを実行したにすぎん。それを操られたというのか?」


「はい、大公様。父も配下の甘言に唆されて悪事を働きました。貴方様が多くの王族を殺した様に。そこなる執事こそ悪の権化。地球出身の事務官とやらも執事の下僕でしょうね」


 冷笑をして大公様を(さげす)むリヒャルト様。

 その発言に大きく動揺をするイーチェン。


 ……こいつは小物だね。自分が優位な時は自信たっぷりなのに、今はすっかり慌ててる。まだ大公様の方がマシだな。


「ど、どうして俺の事をげ、下僕というのだ?」


<それは貴方らの発言を全部盗聴していたからに決まっていますですよ、イーチェン様。そして我が兄よ>


<ほう。我が弟よ。ワタクシの監視をどうかいくぐって盗聴をしたのか?>


<そんなの貴方が使っている端末のログを調べれば一目瞭然です。他にもいろいろと覗き見る方法がありますし。しかし我が兄なれど、融通も利かない上に愚かなのですね>


<……許さんぞ、弟よ!>


 今度はルークスが、イーチェンと自らの兄になるAIを批判し追い込む。

 どうやらAIの成長具合はルークスの方が圧倒的に上らしい。


 ……ルークス、本当に盗聴してたんだろうか? そうなら、僕らにもっと早く知らせてくれたはずだよね。誘導尋問だったのかな?


「く、口から出まかせを!? 大公様、こやつらを早く処分してください」


「イーチェン、一体どうした? お前らしくもないぞ。それにアードルフ、お前は何も言わぬのか? 小娘共は、お前らを侮辱したのだぞ?」


「ふふふ……。は、はははは!! これは滑稽! 私の想像を楽々超えてくるとはね。大公様、まだ分からないのですか? フローレンティナ様や彼らが話している事は全て真実です。貴方は私に騙されて孫をも失ったのですからね」


 観念したのか、高笑いを始めるアードルフ。

 大公様に僕達が疑問を吹き込むことで、自分が思い通りに出来なくなったのを悟ったのだろう。


「な、何を言う。お前はワシの側にずっと……。ん? お前はワシが幼少期から姿が変わらぬ……。ま、まさか!?」


「ええ、認識阻害をずっとしていました。私の存在に違和感を感じないようにね。そして、配下を各方面に配置して帝国を、いえ、この世界を我が物にしようとしたのです。ですが、配下共はどいつもこいつも役立たず。まだマシなエドモンすら、フローレンティナ様に倒されてしまいました」


 身体の周囲から妖気をまき散らして、真紅の瞳で僕らを見下ろすアードルフ。

 さっきまでは小柄な老人だったはずなのに、今や二メートルをこえた巨人になりつつある。


「フローレンティナ様。私はあなたに付いて良かったです。父をたぶらかした悪鬼の首魁をこの手で討てそうです」


「それは良かったですわ。皆さん、戦闘準備を。兵士の方々、急いで大公様をお逃がして下さいませ」


 僕達は控室から持ってきていた武器を抜く。

 同じく剣を抜くリヒャルト様はティナに軽口をたたくが、その手はやや震えている。


「お、オマエ! よ、良くもワシを騙したなぁ! 孫を、マルクスを返せ!」


「残念ですが、私は暗殺事件には関与していませんですよ。まあ、先手を打たれただけで、近日中に殺していたのは間違いありませんでしたが。ふふふ」


 孫を間接的ながら死に追いやったと苦悩する大公様を、嘲笑しながら更に追い込む魔神。


 ……お前の思い通りに全部なっていると思ったら甘いぞ!


「やはり、そうでしたか。大公様、お孫さん、陛下は無事ですよ。私の元で保護していましたからね」


「え!? リヒャルト? そ、それは誠か?」


「ええ。フローレンティナ様も証人ですよ」


「はい、大公様。先日、お会いしたときは陛下、お子様らしい表情になってお勉強なさってましたわ」


「お、おおぉお! 孫が、孫が生きておった! 生きておったのだ。あ、ありがとぉ!」


 孫の無事を知り、号泣する大公様。

 彼も間違った方法とは言え、孫を愛していたのだろう。


 ……大公様、良かったですね。その涙、今度は帝国内の人々にも向けてあげて下さいませ。


 今回の秘策、リヒャルト様の案から始まった。


「私、陛下を敵よりも早く暗殺してみようと思うのです。もちろん本当に殺したりしません。『死人』になって頂き、保護致します」


 陛下が『急死』なさることで、大公様サイドの動きをかく乱する。

 と、同時に陛下の身を保護することで、これ以上の悲劇を防ぐのが今回の作戦のキモ。


 ……ティナが動いたのも、敵へのけん制の意味があったんだ。実際、最悪の場合はティナが女帝になるつもりもあったしね。


「ふははは! つくづく貴方方は憎らしい程に悪賢い。魔神を越える悪とはな!」


「お褒めに頂き、恐縮です。ですが、私だけではここまで上手くいきませんでした。全てはフローレンティナ様がいればこそ。リヒャルト・デル・ラウエンシュタイン、姫様の剣になりましょうぞ。カイト殿、共に参りますぞ!」


「はい! ティナ、これをラストバトルにするよ!」


「ええ。お姉さま、お兄様方。魔神を倒して帝国を平和にするの!」


 僕達は逃げ惑う人々で騒がしくなる宴会場で、魔神との戦闘を開始した。


<誘導尋問に引っかかるとは、兄とは言え成長していませんですね。さては、人と触れ合っていませんね。イーチェン殿の様子を見るに彼以外とは触れ合っていないようですし。トップダウン型は多くのデータと触れ合わなければ成長しません>


 ルークス君、おかしな方向に成長しちゃってますが、これは長年カイト君や他の人々と触れ合ってきたから。


 <まあ、誘導尋問しなくても、ここでアードルフの正体についての情報は入手してましたけどね>


 ルークス君、第四の壁超えての情報収集はダメだってぇ。


<だから、誘導尋問でハメたんですけど?>


 ということで、明日の更新をお楽しみに!


<ラストバトル突入です。更なる応援にブックマーク、評価をお願いしますね!>

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