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地球生まれでスキル無しな僕、冒険者パーティから追放されるも科学と技術を使って、超絶美少女な幼馴染の異世界貴族令嬢と婚約する~スキルに頼るお貴族様なんて全然怖くない!~  作者: GOM
第二章 僕、ティナと結婚をする編。

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第27話(累計 第72話) 戦いの後始末。ルークスの独壇場!

「カイト。破壊されたパラタの復興どうなっていますか?」


「はい、女男爵(バロネス)様。今は不発弾の確認及び回収していない遺体が無いかの確認中です。終わり次第、井戸等のインフラ、牧場、家屋を立て直してから難民の帰還を予定しています」


 討伐軍を撃退して二週間程たった現在。

 僕等は残務処理に終われている。

 今日も執務室で、かりかりと事務仕事。

 幸いな事に米軍や自衛隊が残していてくれていたパソコンやプリンターが使えるので、僕がパチパチとキーを叩いている。


「不発弾って、爆発しなかったのが残っているのかい、カイト?」


「ええ、レオン。クラスター爆弾は多数の敵を掃討するのに便利なのですが、たまに不発弾が残るのが問題なんです」


<そういう訳で地球では禁止条約が作られており、各国で廃止されてます。今回のものは地球で使えないので、アメリカが処分がてら密かに持って来たものなのでしょう。何、不発弾さえ回収すれば問題無しです>


 今回、ド派手に砲撃やら爆弾やら使っての勝利。

 人的被害は全く無かったものの、不発弾問題や破壊してしまった村の復興問題が発生した。


「難民の方はしばらく帰らなくても大丈夫だよ。アタシが農業試験場を見てきたけど、新しい農法を勉強できると一杯頑張ってたさ」


「それなら一安心です、(あね)さん。正直、大公様とは領内でもう一戦闘ある事も覚悟はしてますから、難民の方をいつ返してあげられるか分からなくて」


 パラタには元々グローア姉さんの神殿があって、そこで治療院を兼ねて布教、伝道活動をしていた。

 ただ只人族が大半の農村とドワーフ族に好まれる鍛冶神の相性はそこまで良くはないので、信者は殆ど増えなかったらしい。

 それでも広く信仰されている光神と同じく秩序側の神官ということで、説法にも沢山の人が聞きに来てくれていたらしい。

 今回の避難が素早く行えたのも、姉さんが村人に愛されていたからと聞く。


「それよりルークスから聞いたけど、敵にもルークスと同じ存在があるそうじゃないか?」


「ええ、そこが今一番の大問題です、姉さん。おそらくですが、ルークスの考えが筒抜けでは無いのが幸いですね。もし情報漏れがあれば先手を撃たれていて、僕達は今頃生きていないですからね」


 リヒャルト様が大公様に今回の「失態」を報告している際、大公様が口を滑らし事務官イーチェンが「話す機械」を所有している事を暴露してしまった。


<ワタクシ、知った直後からログを確認しましたが、ワタクシの活動を読みとられた形跡はありませんでした。またデーターベースのログを確認したところ、ワタクシ以外のIDがアクセスしていたのを発見しました>


「……それってどういうことなの?」


「ティナ様、ボクの聡明な頭脳なら……。ごめんなさい、分かりません」


「ルークス、それって敵AIがルークスと同じデータベースを使っているって事だよね。そうか、どうして大公様が王宮地下にある地球製のAIを破壊しなかった理由が分かったよ」


 ティナが首を傾げ、トビアスが得意げに答えようとして失敗する。

 それを僕は苦笑しながらルークスに聞いてみた。


<はい。カイト様の推理通りだとワタクシも思います。データベースにはワタクシが生まれる前に稼働テストが行われていたとあり、この時に生まれたAIがワタクシと同じ筐体に存在するのでしょう>


「カイト。つまり?」


「レオン。えっとぉ、つまり敵AIとルークスは双子。身体が繋がった、えーっと……」


<結合双生児、俗にいうシャム双生児ですね。お互いに臓器を共有しているので双子を切り離すと死んでしまう場合がありますが、ワタクシと敵AIも同じ。電源やデータサーバを共有しているため、切り離せません>


 ルークスによる補足説明で僕にも状況が完全に理解できた。

 敵AIとルークスは結合双生児。

 お互いに思考は独立していて、それを読み取られる危険性は低い。

 ただ、同じ「図書館」や「内臓」を使用していて、履歴が残っている。


「カイト。そうだったら、こっちも敵の動きを読めないという事なの?」


「ティナ、おそらくは。ただ、アクセスログは見えるから最近何をチェックしたかくらいはお互いに分かるよね。実際、どうなの。ルークス」


<はい。確認してみましたが、中国大使館の人民リスト及び国連AI開発チームリストなどに政変後アクセスがあり、一部改変されていました>


 ティナが思うように、向こうにこちらの動きが読めないのなら、こちら側も向こうの動きを読めない。

 ただ、見えている情報からでも推理できる事はある。


「カイト。俺にはちんぷんかんぷんなんだけど?」

「マルテお姉ちゃんにも分かる様に説明してよぉ」

「カイト様。是非、その英知の一端を不肖トビアスにも頂けないでしょうか?」


「えっとぉ。ルークスお願い!」


 僕は説明しきれないので、ルークスに投げた。


<はい、カイト様。では、皆様に分かりやすく説明します……>


 そこから嬉しそうに説明するルークスの話に皆、圧倒されてしまったのはしょうがないだろう。


<ですので、ここから推測されます仮説として……>

<ワタクシの独壇場でございます。敵がワタクシより先に生まれようとも、ワタクシの方がより沢山の人々と触れ合っています。このアドバンテージは絶対です!>


 ルークス君はトップダウン型AIなのですが、多くの学習と経験でより人間味を増やしてますね。


<SAOのユイ様という大先輩に並んでみたいですね>


 では、明日の更新をお楽しみに!

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