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地球生まれでスキル無しな僕、冒険者パーティから追放されるも科学と技術を使って、超絶美少女な幼馴染の異世界貴族令嬢と婚約する~スキルに頼るお貴族様なんて全然怖くない!~  作者: GOM
第二章 僕、ティナと結婚をする編。

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第12話(累計 第57話) 僕、ティナのファッションを褒める。

「大公様。皇帝陛下のワガママを許しておいて良いのですか? 姫男爵様とのこれ以上の接触は危険でございます。既に数回、面会が行われておりますが、お二人の関係で城内に妙な噂も飛んでおります。なんでも姫男爵様が陛下と共に改革を起こすなどと……」


「イーチェン。確かに其方の言う通りだ。だがな、最近陛下はワシの言う事を中々聞かなくなった。噂に聞く反抗期というものであろうが、ワシも少々困っておるのだよ」


「大公様のご心労、筆頭執事たる(わたくし)【アードルフ】も心配でございます。帝国の安定のためには、陛下には行動を考えて欲しいものです」


 城内にある大公の執務室。

 そこでは大公が側近達から苦情を受けていた。


 以前は、祖父である大公の言う通りに動いていた少年皇帝。

 しかし、昨今は反発する事案も増えてきている。

 こと新成人達へのデビュタント以降、フローレンティナとの面会が幾度も行われている。


 その際、フローレンティナの婚約者が必ず同席しているのとまだ皇帝が幼いために、皇帝とフローレンティナの間に「浮いた」噂こそ出てこない。

 しかし、あまりに親密な関係にいぶしがる者も貴族の中には出てきている。


 フローレンティナが民衆よりの考え方、かつ民衆人気から貴族社会へと復帰したこともあり、民衆に近い貴族内では改革を期待している者も多い。

 もちろん大公派閥からすれば、眼の上のたんこぶである。


「ふぅ……。ああ、いずれなんとかせねばなるまいて。女男爵(バロネス)については民衆人気を期待して国内安定のために貴族に戻したのだが、あの小娘め。何かと目立つ事をする。公言こそせぬものの、明らかにワシへの対抗心も見えるな」


「ですが帝国内の安定を考えれば、直接大公様が今更手出しする訳にも参らないでしょう。私に策がございます。女男爵様に恨みを持つ貴族共にやらさせるのはどうでしょう。大公様はそれを黙認、いや察知しなかったとするだけで良いのです」


「イーチェン殿、それは良き案かと。大公様、女男爵様を陥れる貴族の選抜は私めにお任せ願えないですか?」


 ため息をついて大公はティナに難儀している表情を見せるが、事務官のイーチェンと筆頭執事のアードルフが対抗策を出した。


「……うむ。それで良いか。では、ワシは久方ぶりに(皇帝)に会ってくる。今日は甘い菓子でも持って行くか」


 大公は苦笑しながら、執務室を出て行った。


「アードルフ様、中々我々の目的へうまくはいかないですね」


「イーチェン殿、今は慌ててはしょうがないです。我らの望みを満たすのは、まだまだ世界は腐りきっておりませんですから。更なる混沌を起こすには準備不足です」


 大公が居なくなった執務室にてイーチェンとアードルフが先程までとは表情を変え、冷笑しながら話し合う。


「さて、姫男爵にぶつける貴族。刺しあたっては先日辱めを受けたフィエル伯爵家、そして男爵になった切っ掛けのシェレンベルク伯爵家ですか、アードルフ様?」


「そのあたりが間違いないでしょうね、イーチェン殿。どちらの家も姫男爵に対して怨念が深く、実に美味しいですね。もっと腐らせて見た方が私的に美味しいですが。大公様も、更に闇を増やした方が、より良い贄になります」


 嘲笑をしながら大公すらも生贄に見るアードルフ。

 彼から闇のような魔力が漏れてきた。


「アードルフ様。いえ、魔神将(アークデーモン)様。今後とも宜しくお願い致します」


「ええ。しかし、イーチェン殿。貴方の闇も深いですね。そこまで世界を恨んでいるのですか?」


「はい。私を異世界に捨てた地球の母国。そして異世界でも地球人の私を差別して死に追いやろうとした者達。私は、世界全ての物を恨みます。全てを亡ぼしたいです」


 イーチェンは魔神将と変化していくアードルフに(ひざまず)いた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「カイトぉ。わたし、もー疲れたのぉ」


「毎日、晩さん会やら園遊会の連続だものね。着替え用のドレス準備・着替えも大変だし」


「着替えをさせるあたしも『不幸』です。ここまでお貴族様のお着替えが大変だなんて、元伯爵のところじゃ気が付かなかったです」


<貴族令嬢は着飾ってナンボですものね。ですが、お美しくて可愛いティナ様を着飾らせるのは、それはそれで楽しいです>


「ルークスの意見にあたしも賛成! ティナちゃんは可愛くしなきゃ。ネリー、あたしも手伝うから頑張ろうね」


「お姉様方、宜しくお願いします。うふふ」


 晩さん会からの帰りの車内。

 今日も可愛いティナは、顔を膨らませて文句を言う。


 ……ネリーが愚痴るのも納得だね。マルテはすっかりティナのお姉さんポジションになったんだ。


「わたし毎日、質問攻めにあうし。ファッションも毎日変えるのが大変なの。わたし、今はそこまで衣装持ちじゃないし。昼用、夜用。本当に大変なの」


 男性の場合、燕尾服や騎士服などを着ていれば、そこまで衣装を変えないでもいい。

 しかし、女の子は大変。

 昼のローブ・モンタント、夜用のローブ・デコルテ。

 色やデザイン、アクセサリー込みで使いまわしをしながら、可愛く美しく着飾らないといけない。


 ……これがもっと上級貴族だったら食事のたびとかに着替えをするらしいね。でも貧乏性で庶民感覚なティナは着替えを普段はそうしないし。家じゃ普段は執務着が殆どで、ドレスは滅多に着ないし。油断したら、僕のジャージとか勝手に着るんだもん。


「カイトは、わたしのドレス。どれが好き?」


「そうだねぇ。ピンクのローブ・デコルテは少しエッチっぽくて可愛いね。薄黄色のローブ・モンタントは身体の線が上品で可愛いかな」


 夜のドレス、ピンク色のローブ・デコルテは背中も大きく出ていて、ティナの真っ白な肌と肩や脇辺りがエッチぽい。


 昼用のローブ・モンタント。

 肌を殆ど見せずに、上品な刺繍をされている縦襟ドレス。

 胸から腰へのラインを綺麗に見せるようにデザインされていて、これまた可愛い。


「カイトのエッチぃ。でも、わたしもピンクのデコルテは好きよ。うふふ」


「御馳走様だな。マルテ、俺達も衣装考えた方が良いのかな?」


「レオンは騎士服で十分だと思うよ。わたしも色違いの服もらったけど、これ着やすい上に守りもしっかりしているしね」

「ん」


 今日、アデーレ(あね)さんは留守番。

 レオン、マルテ、ヴィリバルト、そしてネリーは一緒。


 ネリーはメイド服だけれども、他の三人は僕も着ている騎士服の色違い。

 格式があって、かつ守りも硬い服なので使い勝手は良い。


「そういえば、陛下からまた御呼ばれしているんだけど、他の貴族の方は行かない方が良いって言っているの。カイト、それに皆。どうしたら良いと思う?」


「多分、陛下とティナが近づくのを警戒している人がいるんだろうね。今まで大公閣下の操り人形だった陛下がティナの影響を受ければ、どう変わるか。僕も同行していて、陛下自身は普通の男の子に見えたし」


「そこは注意してみるべきだな。俺達は何があってもティナちゃんを守るからな」

「お姉さん達にお任せね」

「あたし、『不幸』なのは終わらないのかしら」


 おそらく大公は何か動きを見せてくるだろう。

 僕はティナを守るために何をすれば良いか、考えながらハンドルを握った。

<敵に魔神将がいらっしゃるとは驚愕です。恐るべし>


 第四の壁超えて情報収集は辞めてよね、ルークス君。

 では、明日の更新をお楽しみに!

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