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地球生まれでスキル無しな僕、冒険者パーティから追放されるも科学と技術を使って、超絶美少女な幼馴染の異世界貴族令嬢と婚約する~スキルに頼るお貴族様なんて全然怖くない!~  作者: GOM
第一章 僕、ティナと婚約する編。

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第42話 僕、ティナと一緒に上級魔神と戦う。

 先程まで結婚式場だった大広間、そこは僕達と上級魔神(グレーターデーモン)エドモンとの戦場になった。


「ティナ、まだかなぁ」


「坊や、こんな時にでも余所見、っていうかティナちゃんの事が気になるのかい? ここまで来たら、本当に立派なバカップルだねぇ」


「オマエらぁ。ワレを愚弄するのかぁ!?」


「俺は必死なんだけどねぇ。カイトが余裕すぎるだけだぜ」


 魔神と切り合う僕達。

 毎度のフォーメーション、グローア(あね)さんがヘイト稼ぎのタンク役。

 今は、僕とレオンが動き回りつつ魔神を削っている。


 ……といっても、僕の一撃はどうしても軽いからホントに表面を削るだけなんだよねぇ。レオンくらい重い一撃放ちたいなぁ。


 身長三メートルを超える青い巨人、上級魔神は怒りの表情を持ったまま両腕を振り回し、ちょっとした短剣くらいの大きなカギ爪を振り下ろす。

 また、僕の胴体よりも太くて棘だらけの尻尾も時折振ってくる。

 もちろん魔法攻撃も混ぜてきており、後衛の魔法組が無効化なり対消滅を狙って妨害をしてくれているので、なんとか今は被害無しに戦えている。


 ……これ、誰かが倒されたら一気に戦線が破綻しちゃうパターンだよね。特に姉さんが頑張ってくれているから。


 姉さん、魔法銀(ミスラル)の戦斧を使いこなして強烈な魔神の殴りつけをいなし、お返しに斧を魔神の青い肌に叩き込む。

 姉さんやレオンの攻撃が通るたびに、魔神から青い血が飛び散る。


 魔神も姉さんが無視できないので、どうしても軽い攻撃の僕や後衛の魔法組まで視線を向ける余裕も無い様だ。

 怒る魔神は激しく暴れるも、攻撃は当たらず宴会場の壁や柱、床にに傷を残すのみ。


「早くティナ来てくれると、攻撃のバリエーション増えて良いのに」


「そりゃそうだけどな、カイト。俺もティナちゃんみたいに華麗に戦いたいぜ!」


 僕の一人言にレオンも同意してくれる。

 僕は基本足さばきで攻撃を回避するけれども、レオンは動きを大きくせずに正面から魔神と切り結ぶ。

 真空や火炎を纏わせた大剣(ツヴァイハンダー)で、レオンは魔神をぶん殴っていた。


 戦い始め、ティナはウエディングドレスを着たまま剣を振るった。

 しかしスカートが長くて歩法が上手く使えないと文句を言い、数合魔神と切り結んだ後に「お着替え」となった。

 気に入ったドレスを汚したり傷つけるのもダメよね、というのはティナ談。


 ……そりゃ、ドレス着て高機動に走り回って剣を振るうのは無理あるよ。ただでさえ、ティナって飛んだり跳ねたりする剣術だし。


「ボクの輝ける魔法も、ティナ様には見て欲しいものですね」


「トビアスは目立ち過ぎないでよぉ。あたしまでターゲットにされるじゃん!」


「……ん」


 後衛組では、「豪華」スキル持ちのトビアスがキラキラと七色に輝きながら目立っているので、姉弟子なマルテは心配ばかりしており、彼らを守るヴィリバルトも半分呆れ気味だ。


「みんな、お待たせぇ!」

「ティナちゃんのお色直し出来ました。はぁ、大変だったわ。あたし、『不幸』よね」


 お疲れ顔なメイド姿のネリーを背後に従えて、女騎士っぽい姿に着替えたティナが出てきた。

 白ベースで、地球文化で言えば宝塚っぽい感じ。

 これまた実に素晴らしく可愛い。


 ……豪華なウエディングドレスを脱がせて騎士服へのお着替え。ネリー一人じゃ大変だったよね。ティナ、とっても可愛くしあがっているから、戦い終わったらネリーも労ってあげなきゃ。


「さあ、三下魔神を倒しに参りましょう!」


 ティナは桃色なスキルオーラを纏って、華麗に戦場に舞い降りた。

 そして僕達の猛攻が始まる。


「くぅぅ! このままでは埒が行かぬ。急ぎこい、しもべ達よ!」


 今度は、四人がかりで削られていくのに焦れる魔神。

 何か呪文らしき言葉を話すと、宴会場の扉の向こうからガタガタという音と避難手伝いをしている兵士達の悲鳴が聞こえてきた。


「し、死んでるはずの奴らが、どうして!」

「に、逃げろぉ!」


 そして開けっぱなしの扉の向こうから血まみれ、身体に沢山弾痕を残した兵士や騎士達、どう見ても死体達が続々と足を引きずる様な危なげな歩き方で入ってきた。


「もしかして、ゾンビ化!?」


「ぐぎょぉぉぉ!」


 僕と姉さんが撃ち殺した歩く死体達が咆哮を上げ、身体が弾ける。

 底から出てきたのは、二メートル越えの赤銅色をした巨体。

 ヤギそっくりの顔と角、背中からコウモリの羽を持つ異形。


「あんなに沢山の下級魔神(レッサーデーモン)が!」


 あっという間に、魔神達で宴会場が埋め尽くされる。

 僕達は身動きが出来なくなる前に後退、戦線を後衛組付近まで下げた。


「ははは! 形勢逆転だなぁ。こういう事もあろうかと、館内の人間には『種』を仕込んでおいたのさ!」


「姉さん、どうしよう?」


「こういう場合の奇策は、坊やの方が得意なんじゃないかい? といっても、アタシもこれだけの魔神相手に戦った事は無いね」


 僕は、目の前に溢れる魔神の軍勢にパニックになりそうになる。

 火球魔法ですら、これだけの者達から一斉発射されれば、僕達はひとたまりも無い。

 姉さんとヴィリバルトは防御結界(シールド)を張るも、これだけの攻撃では守り切れるはずも無い。


「でしたら、『豪華』なボクにお任せを。ド派手な大規模魔法で魔神共を殲滅致します。ティナ様、ごらんあれ」


「トビアスお兄様、また無茶を言わないでくださいませ。それに例え倒せても、そんなに大規模魔法ならわたし達も巻き込まれます。カイト、なんとかしてぇ!」


 徐々に迫りくる魔神、いやらしそうにニタニタと笑っているのが悪質だ。

 流石のティナも、自分ではどうにもならないので焦っている様子。


「あたし、やっぱり『不幸』なのね。家族の敵討ちも出来ずに、こんなところで終わるなんて……」


 魔法組の更に背後、ネリーはいつものように不幸と愚痴る。

 僕はネリーの言葉を苦笑しつつ聞きながら可愛く焦るティナの横顔を見て、何か策は無いかと必死に考えた。


 ……手持ちの武器は……。銃は効果薄いし、破片手榴弾もこっちの方が被害が多そう。攻撃手榴弾もダメ、他にあるのはワイヤーと煙幕、暗視装置くらい……。アイツも不幸に出来たら一番なんだけど?


「ん!? これとか組み合せたら、なんとかなるかな?」


 僕は、思いついたアイデアを姉さんとティナに小声で話しかけた。

 最終決戦も終盤!

 どうやってカイト君達は魔神達を倒すのか?

 明日の更新をお楽しみに。

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