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地球生まれでスキル無しな僕、冒険者パーティから追放されるも科学と技術を使って、超絶美少女な幼馴染の異世界貴族令嬢と婚約する~スキルに頼るお貴族様なんて全然怖くない!~  作者: GOM
第一章 僕、ティナと婚約する編。

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第28話 僕、猪鍋を食べながら暗殺者を待つ。

「アンタら、野営準備くらいは手伝いなさい! あたしだけに全部させないでよ? ほんと、『不幸』だわ」


「え? 僕は最初から手伝っていますけど?」


「何もしていないのはレオンお兄様くらいかしら。ね、カイト」


「レオンは生活力皆無なの。昔からだから、しょうがないじゃん」


<カイト様は、一人でも問題無く生活できるくらいにはワタクシが躾けておりますので。なんならレオン様も躾けましょうか、マルテ様?>


 今日のお仕事は、街から少し離れた森の中での虹色に輝くキノコ採取。

 ティナの呪いを解呪する際の触媒に使う物で、他にも魔法触媒として需要が高いものだ。

 まだ十分に必要な量が確保できていないから、今晩は現地で野営の予定。


 雑用全般を仕切るネリー、野営準備を手伝わない人に文句を言う。

 僕、ティナ、マルテは最初から手伝っており、今は鍋料理の下準備中。


 ……僕を躾けてくれたのはルークスじゃなくて師匠だと思うんだけどねぇ。ルークスは口出し以外はできないんだし。


「ん? 俺は襲ってきた猪とか倒したじゃないか? おかげで、今晩は豪勢に猪鍋だろ?」


「それは結果論じゃないかい? まあ、アタシは酒のアテが出来たから良いけどね」

「ん!」


 向こうでは、レオン、グローア姉さん、ヴィリバルトが水場で仕留めた猪を解体して、肉部分だけを確保している。

 血抜きと冷却を早くすることで、肉が劣化するのを防いでいる。


 ……僕は獣の『と殺』や解体も苦手なんだよね。魚くらいなら大丈夫だけど。


「猪は癖が強いから、濃い味にするけど良い?」


「わたしは、お姉様にお任せしますわ」

「そのあたりはティナちゃんも言ってるし、ネリーに任せるね。いつも美味しい味付けしてくれてるじゃん。良いよね皆」


「おー!」


 僕達は、ワイワイ言いながら夕食の準備をした。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「んー」

「……もう食べられないよぉ」

「……カイトぉ。抱っこしてぇ」


 焚火がパチパチとなる野営地。

 焚火の前には、ネリーが火の番をして一人起きている。

 他の面子は全員早く就寝をしており、交代見張り役のドワーフ女性と両手剣を背負った屈強な戦士も座ったまま、居眠りをしていた。


「ちゃんと仕事をしてくれたんですね、ネリー」


「あたしを舐めているのかしら、貴方? それより姫様は殺さないのと、あたしも一緒にテオバルト様の元へ無事に送ってくれるのよね?」


 ネリーの背後、闇の中から黒ずくめの男、暗殺者が出てくる。

 そして、ネリーに話しかけてきた。


「ええ、姫様のお世話はネリーに任せます。さて、坊主は何処ですか? あいつだけは、痛めつけて殺したいですからね。他は急所一刺しで許してあげます」


 暗殺者は懐から針のように細い短剣(スティレット)を出し、舌なめずりをする。

 そしてネリーによって案内されたテントを覗く。

 そこでは、カイトと彼に抱きついたティナが居た。


「……これ。引き離すのはネリー、貴方がやってください。私が姫様に触るのは問題ありますからね」


「分かったわ。もう一度確認するけど、本当にあたしと姫様は殺さないのよのね?」


「ええ。約束通りに……」


 ネリーは暗殺者に背を向け、ティナの腕をカイトから引き離そうとする。

 しかし、暗殺者は表情を引き締め、ネリーの首元を目掛けてスティレットを振り上げた。


 ……悪かったな。姫様を連れまわしてテオバルト様の元に帰還するのは不可能。だから、全員殺すんだよ。楽に殺してやるから、感謝しな。


 しかし、ネリーの首に剣の切っ先を振り下ろす直前、パンと軽い音がして、暗殺者の腹に穴が開いた。


「ぐぅぅ。ど、どういう事だ……」


「それはあたしが言いたい事さ。やっぱりアンタはあたしを騙していたのね。ああ、これだからあたしは『不幸』なのよ」


「だから言ったでしょ、ネリー。この手の暗殺者が約束を守るはず無いって」


「ネリーお姉さま、わたし達の味方に付いて良かったわね」


 暗殺者は短剣を落とし、己の血に染まる腹を押さえる。

 彼の視線の先には起き上がり、煙が銃口から出ている不思議な形の短銃を握るカイト。

 そしてカイトの背後に避難し、己を怒りの目で見るネリー、ティナの顔があった。


「う、裏切ったのか、ネリー?」


「先に裏切ったのはアンタでしょ?」


  ◆ ◇ ◆ ◇


「よく僕達に打ち明けてくれましたね、ネリー」


「だって、殺しに来た相手よりもお人好しな貴方達を信用する方が間違いないでしょ? それに盗み聞きしていたんじゃないの、坊や?」


<盗み聞きとは聞き捨てならんですね。ワタクシ、堂々と聞いてましたから>


 買い出しから宿屋に帰ってすぐ、ネリーが僕達を集めて暗殺者からの接触があった事を知らせてくれた。


「やっぱり。じゃあ、あたしが何も言わずに毒を盛ってたらどうしてたの?」


「その場合は、トンかな?」


 ネリー、自分が敵の言いなりになっていたらどうしてたかと話すと、レオンはフザケ気味に自らの首に横から平手を当て、ネリーの首を飛ばしていたと説明した。


 ……まあ、ネリーさんにも事情もあるだろうから騙されたふりで迎え撃つつもりだったけどね。その場合でも、今更だから事後にネリーさんを殺さずに、僕達とは別行動させていただろう。


「ひぃ! 坊やは甘いけど、アンタは怖いのね。ああ、『不幸』だわ」


「寝首掛かれるのはイヤだからな。でも、ちゃんと報告してくれたから、俺達はネリーを守るぜ」


 と言いつつも、いい意味でのガキ大将なレオン。

 自分の味方に回ったネリーを守ると宣言してくれた。


「そだね。ネリーのご飯は美味しいし、あたしも女の子仲間増えるのは賛成じゃん!」


「わたしも、ネリーさん、いやネリーお姉さまの事心配だったもの。でも、これで本当の仲間になってくれて、嬉しいわ」


「ふ、ふん。小娘共、せいぜいあたしの役に立つんだね。ああ、『不幸』だわ」


「アンタもアタシからすれば小娘の範疇なんだけどね、ははは」


 あちらでは女性たちがネリーを囲っている。

 ネリーも、顔を真っ赤にして悪態付きながらも満更でもない顔なのは良かった。


「じゃあ、ネリーお姉さま。今晩、一緒に湯浴みしましょう!」


「それ、いいじゃん、ティナちゃん。あたしも、ネリーの大きな胸揉んでみたいなぁ」


「ちょ、この痴女小娘共はぁ。あたし、絶対にアンタ達と一緒に裸になんてならないわよー」

<今回は上手く騙し返せましたね。これもワタクシのファインプレーです>


 解説、ウンチク、盗聴に暗躍。

 ルークス君、お疲れ様です。

 では、明日の更新をお楽しみに!

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