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地球生まれでスキル無しな僕、冒険者パーティから追放されるも科学と技術を使って、超絶美少女な幼馴染の異世界貴族令嬢と婚約する~スキルに頼るお貴族様なんて全然怖くない!~  作者: GOM
第一章 僕、ティナと婚約する編。

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第21話 僕、レオンとも仲直りをする。

「さて、メイドさん。【ネリー】さんって言ったよね。アンタはどうする? 雇った冒険者パーティはアタシ達に完全敗北。その上、当人たちは違約金払ってでも仕事をこれ以上受けないって言ってるけど?」


「くぅ。なら、あたしを早く殺しなよ。さあ、殺せ! もう屋敷にも帰れない上に、帰る家なんてあたしには元々無いんだぁ。ああ、あたしってやっぱり『不幸』だわぁ」


 僕達は詳しい情報を知りたいと思い、捕縛していた領主メイド、ネリーさんを尋問している。


 ……ティナの平手一発で気絶してたので、捕まえるのは楽だったけど、打ち処悪かったら死んでたらしい。ティナ、怖いよぉ。


「ん? じゃあ、ある意味領主から縁が切れているんじゃないかい? その口ぶりなら、領主に手を出されてはいても奴隷紋は彫られていないんだよね?」


「ふん、あたし程度には支配魔法なんてもったいなくて使わないわ。あれって触媒が高額で珍しいから滅多にはしないの。それこそ、そこに居るお姫様クラスにしか使わないのよ。これでも領主様には幾度も寵愛(ちょうあい)を受けているの、あたし。いくら『不幸』でもテオバルト様を害する情報なんて絶対に言わないわ!」


 グローア姉さんが中心に尋問をしているのだが、半ばやけっぱちな様子のネリーさん。

 ソバカスがチャーミングな巨乳女性ではあるのだが、不機嫌な表情でせっかくの美貌が台無しだ。


「あー! カイトはわたしだけ見ててよぉ。あんな意地悪女なんて見なくて良いのぉ」


「あのね、ティナ。今は尋問中なんだから、ネリーさんを見るのはしょうがないって。後から、またゆっくり君を見て夜は抱いてあげるから、今は辛抱してね」


<まあ、抱くと言っても抱擁以上は禁止ですけどね。お二人とも自重くださいませ>


 ……ルークスも突っ込みたくなるのは分かるよ。ティナって束縛愛重いのかなぁ。


「うー……。しょうがないから、我慢するのぉ。アンタ、早く何でも吐いちゃいなさい!。わたしとカイトの貴重な時間を無駄にしないで!!」


 尋問中でありながら、その雰囲気を台無しにしてしまうティナ。

 ビシっと右手人差し指でネリーさんを指さして、自分がイチャイチャしたいから情報を早く吐けと迫る。

 あまりにものティナの脳内ピンク具合に、ネリーさんも驚きの表情を隠せない。


「……テオバルト様が言ってた話と違う? 坊やと姫様ってそういう関係なの?」


「元々、幼馴染で初恋同士です、ネリーさん。今回の駆け落ち、逃避行も二人で決めた事ですから」


 ……ま、まあ、こんな感じだからレオン達も僕たちの味方に回ってくれたんだと思うけどね。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「えー。あのカエルジジィってそんなにエッチだったの、お姫様?」


「うん、そうなの。後もう一歩でわたし、アイツに手籠めにされて性奴隷にされるところだったわ。あ、わたしの事はティナで良いよ、マルテお姉さま」


「そりゃダメだよね、ティナちゃん。そうか、そんなピンチな時にカイトが助けに来たんだ。そりゃカッコいいじゃん! あたしには前から可愛い弟分って感じだったけど」


「うんうん。そうなの、そうなの、お姉さま。カイトって昔からずっと可愛いの! 出会ったときから大好きだったけど、助けに来てくれた瞬間にカイトの事がもっと、もーっと大好きになったの!」


「『白馬の王子サマ』って奴だものね。あたしは、いつもカッコつけてるのに、結構ドジなレオンが弟みたいでほっとけなくて大好きよ」


 昨日は、脅して泣かしたマルテと脅す側だったティナ。

 今日は随分と仲良くなっていて、今はきゃぴきゃぴとお互いの彼氏自慢のガールズトークをしている。


「……なるほど。そういう事情ならある程度の正当性はカイトにある。逃避行、駆け落ちは二人の合意の元で行われた訳だからな。今回の仕事は断る。後、冒険者ギルドには事情を説明して、ギルドは無干渉ということにしてもらうよ。アイツは一部虚偽の依頼をしたんだからな。これで襲った事の貸し借り無しで良いよな、カイト」


 レオン達がギルドや領主から仕事を受ける際に聞いた説明では、僕は領主婦人になるはずだったティナを無理やり領主から奪い取ったとなっている。


 鍛冶神殿神官のグローア姉さんと組んで、嫌がるティナを無理やり強奪し、彼女の純潔を奪って夫になってから反乱の旗印とし、大公家にも反逆するつもりだったと言う設定との事。


 ……確かにティナは公爵家。数代前に王家から分家した血筋だから、王位継承権も政変前なら百番目くらいのものだけど持っていたよね。


 王族に血が繋がる貴族男性、更に王族に味方した貴族男性は今の王様、大公様の孫以外は全て政変時に殺されている。

 王族派の女性も、政変時点で未成年の子達が貢物として数名残って居る程度。

 もしかすれば幼い王以外、今の王位継承権最上位なのはティナの可能性があり得る。


「ギルドに説明までしてくれるなんて……。レオン、それなら僕達の方が随分と借り作っちゃうよ。あ、そういえばケンカ別れする前、僕はレオンに酷い事を言ってしまいました。確かにレオンの言う通り、上から目線でした。僕はレオンに何か言える程偉くも賢くも無い無いのに、ごめんなさい」


 僕は、心からレオンに誤った。

 僕の中で、こちらの人々を馬鹿にしていた部分がどこかにあったのだろう。

 それが無意識のうちに態度に出ていたに違いない。


「もう、あの事はいいさ、カイト。あの時は俺も冷静じゃなかったし。実は俺、小さい頃ゴブリンに捕まって、冒険者に助けて貰ったんだ。『スキル』発現直ぐの大失敗さ。無謀に突撃、敗北と同じなんだけどね」


 ……それでレオンが冷静じゃなかったんだ! そんな経験あったらしょうがないよ。


「俺がカイトを追い出しちまった後、カイトが怒りのあまりにとち狂って国家転覆を考えたんじゃないかって話になって、俺達もお前の事を随分と心配したんだよ。俺達がそこまでカイトを追い込んぢしまったんじゃないかって……」


 レオンは、金色の頭を搔きながらすまなそうな顔で僕に話しかけてくれる。


「でもな。お前に再会したら、いつも通り飄々(ひょうひょう)として呑気な感じだったから、俺もまた頭に血が上って決闘になっちまった。俺こそすまない」


「いえいえ、お気になさらずに、レオン。僕も最初は深刻に考えこんでいたんですが、当のティナがああいう感じなので、馬鹿らしくなっていつも通りになりました。ははは」


 どっちかといえばガキ大将性分なレオン。

 僕は兄貴分として好きだったし、冒険者としても先輩。

 僕の事を心配してくれていたのは、とても嬉しかった。

 なので、僕は過去に言い過ぎたことを謝ったし、もう怒ってもいない。


 ……僕の方が酷いんだもん。レオンに怒られてもしょうがないよ。


「……ああ。あのヤンデレっていうか、カイトにべた惚れなのがお姫様か。そういえば、カイトとは……」

「ええ、幼馴染でお互いに初恋です」


 レオンに惚気(のろけ)る感じがして、僕の頬と耳が熱くなる。

 多分、顔が真っ赤になっているに違いない。


「それじゃ、明らかに領主の方が横恋慕でお邪魔虫。おまけに呪い使って性奴隷化なんて許せないなぁ。ん! おい、マルテ! お姫様、ティナちゃんを早く止めるんだぁ!」


 いきなりレオンが慌てだすので、その視線の先を見るとティナがズボンと下着をずり下げて、マルテに綺麗な下腹部と淫紋を見せていた。


「あー、綺麗なお腹にこんな酷い物彫るなんて、スケベじじい! うん、あたしもティナちゃんの味方になるよ!」

「ありがとー。マルテお姉さま!」


「はぁ。ティナって露出狂の気があるんだろうか?」


<淫紋の副作用とも考えらえますが、それ以上に元からの気質の可能性は否定できません。幼少期にも幾度かカイト様の前で全裸になられていましたし。お貴族様は側仕えの方に着替えさせていただくというのも、ティナ様の羞恥心の薄さの原因なのでしょうか?>


 ルークスがぼそりと愚痴るが、可愛いティナの笑顔を見て僕は安心をする。

 この笑顔を守るためなら、なんでもやってやると思えるから。

<ティナ様に淑女らしさは、いつ訪れるのでしょうか? ワタクシ心配でございます>


 そこは作者の私も心配しているところです、ルークス君。

 このお転婆エッチで甘えん坊な姫様、とっても可愛いんですけどね。

 では、明日の更新をお楽しみに!

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