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地球生まれでスキル無しな僕、冒険者パーティから追放されるも科学と技術を使って、超絶美少女な幼馴染の異世界貴族令嬢と婚約する~スキルに頼るお貴族様なんて全然怖くない!~  作者: GOM
第一章 僕、ティナと婚約する編。

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第12話 僕、ティナと添い寝する。

 今は深夜、僕は暗い宿屋のベットの中に居る。

 しかし、一人ではない。

 シングルベットの中に、もうひとり居るのだ。


「カイトぉ。わたし、わたしぃ」


 同じ毛布に包まり、甘い声を出して僕の背中にしがみつくようにくっつく美少女。

 ティナと添い寝状態なのだ。

 薄い夜着越しに、ティナの体温と柔らかい身体を感じてしまう。

 また、何処か甘い匂いも鼻をくすぐる。


 どうしてこんな事になってしまったのか。

 僕は半分パニックになりながら、(あね)さんの言葉を思い出していた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「カイト。今日はティナちゃんと一緒に寝なよ」


「えー! (あね)さん、さっき僕にエッチ禁止だって言ってたよね? 話が違うよぉ」


 夕食後、自分の借りた部屋に入って湯浴み後に寝ようと思っていた僕。

 グローア姉さんに呼び出され、ティナと一緒に寝る事になってしまった。


「カイト、お願い……」


 恥ずかしそうに赤面しつつも上目遣いで僕を見てくる美少女(ティナ)


 その様子を見て嫌と言える男が、何処に存在しようか?

 例え、おさわり禁止だとしても美少女の添い寝は、男子にとっては御褒美では無いか?


 実際、幼い頃にティナとは何回も一緒に眠った事がある。

 だから、大丈夫。

 変に意識することも無く眠れる。

 そう、その時まで僕は甘く見ていた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「あの……ティナ。そんなに抱きつかれたら、僕は眠れない……」


「……カイト……。貴方はもう、わたしから離れないよね」


 先程まで僕に抱きつき、元気にしていたはずのティナ。

 いきなり泣きそうな声を出し、震えながら僕の背中に顔をうずめてきた。


 ……あれ? これは少し変だ。そういえば、昨晩も馬車の中で僕の手をずっと握っていたっけ?


 昨晩は距離を稼ぐために、一晩中馬車に走ってもらった。

 その間、ティナは僕の手を握りつつ、僕に寄りかかって仮眠をした。


「ティナ。もしかして一人で眠るのが怖いの?」


 僕は震えているティナに声を掛けた。


「……うん。わたし、怖いの。お父様もお母様も、生まれたばかりの弟も大公に殺されたの。そして一人、孤児院に送られたわ……」


「うん。そのあたりの話は姉さんから聞いたよ……」


 ティナは、ぽつぽつと己の身に起こった事を話しだす。


「そして、あのヒキガエル。テオバルトの(めかけ)に選ばれた時は、もう生きているのも、どうでも良くなってたの」


「僕も最近そんなことがあったよ。やっと入れた冒険者パーティから追い出されて、どうでもいいやってなって……」


 僕たちは、お互いに起きたことを背中越しに話し合う。


「そして奴隷紋を彫られた時、わたしはコイツの奴隷になって、股開いて(あえ)ぐだけの人形になるんだって絶望したの」


「くそぉ。殺すと厄介になるからって手加減してたのが、今になって嫌になる。今からでも良いから、アイツの脳みそに棒突っ込んで引っ掻きまわしてやりたいよ」


 僕が半分冗談交じりにテオバルトを害する話をすると、クスっと笑ってくれるティナ。


「わたしの為に怒ってくれてありがと、カイト。あのね。あの時、とってもわたし怖かったの。自分が自分じゃなくなる。もうカイトのお嫁さんになれないって思ったわ。そんな時、カイトが助けに来てくれたの!」


「ごめんね、ティナ。実は少し前から様子を観察していたんだ。もっと早く、紋章を彫られる前に助けられたら……」


 僕はティナに謝る。

 もう少し早くティナを助けられていたら、恥ずかしく怖い思いもしなかっただろうし、変な紋章なんて彫られなかったはずだ。


「それは良いの。今考えたら、あの瞬間しか隙が無かったんだもの。でも、カイトって凄く強くなったのね。騎士二人を一瞬で倒すんですもの」


「あれはね、地球産のアイテムを使ったからだよ。赤外線視(インフラビジョン)も防げる煙幕。暗闇でも見通せる暗視装置、感電させて動けなくさせるスタンガン。全部、僕自身の力じゃないから」


 ドワーフ族やエルフ族、他にも暗視が出来る異世界種族は近赤外線、可視光線に近い赤外線が見える者も多い。

 そこで、僕は秘蔵の赤外線対応型の赤リン煙幕手榴弾を使った。


 ……『地球遺跡』、自衛隊や米軍の一時駐屯地の武器倉庫を開けて、僕は銃弾とか色々入手した。この世界の人には値打ち分からないから、パーティの他の皆には金目の物全部譲って、僕は武器とかを貰ったんだ。


「それでも、それを使いこなせるカイトは凄いと思うの。やっぱり、カイトはわたしの王子様……」


「ティナ」


 僕はティナの声に涙を感じ、振り返った。

 そこには扉の向こうから漏れる薄明かりの中、一杯涙を瑠璃色の瞳に貯めているティナが居た。


「わたし、もうカイトと離れたくないの! ずっと、ずっと一緒にカイトと居たいの!」

「うん、うん」


 僕はティナを抱き寄せ、頭をゆっくりと撫でる。


「もう一度言うね。『あたち、貴方のお嫁さんになるの!』」

「うん、ティナ! 僕もティナと一生離れない。ティナを僕のお嫁さんにする!」


 つたない、そして幼い舌足らずの声な日本語で再びプロポーズをするティナ。

 僕は、その問いかけにティナを抱きしめながら答えた。

 ずっと一緒に居ると。


「嬉しい! カイト、わたしの可愛いカイト! 大好き!」

「ティナ! 綺麗なティナ! 僕の大好きなティナ!」


 僕たちは、ぎゅっと抱きしめ合う。

 そして、お互いの顔がゆっくり近づく。

 二人の目が閉じられ、お互いの唇の物理距離がゼロとなった。


<さて、ここからはお邪魔虫なワタクシは、スリープモードに入りますね。くれぐれも物理的距離はマイナスになりませぬように。ゼロ距離までは容認しますから>


 僕たちは、ルークスの声も気にせず、物理的距離ゼロを保った。

 いやー、R15範囲のラブラブ・ベットシーン。

 初々しいカップル同士のイチャイチャは書いてて恥ずかしい反面、楽しいです。


<作者様、デバガメはダメですぞ。二人だけの時間が大事なのですから>

「そうなのじゃ! 愛する二人は、そっと見守るものなのじゃ。ルークス殿も良い事を言うのじゃ!」


 なんか、煩い子達がまた出てきたので、今日はここまで。

 明日の更新をお楽しみに!


「応援、ブックマーク宜しくなのじゃ!」

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