バラバラ殺人珊瑚SHOW(前編)
「自動『無差別殺人』機」の評判が良かったような気がしたので、続編を書いてみました。
大晦日の紅白歌合戦の「弱体化」が叫ばれてだいぶ久しい。
一昔前までは、紅白歌合戦は、日本を代表するアーティストがしのぎを削る頂上決戦だった。誰しもが知っている国民的スターが一堂に会する夢の舞台だった。
しかし、昨今では、歳を食った「元」国民的スターの同窓会を、「誰?」という一発屋の新人アーティストが賑やかす程度の場になってしまった。
往年の権威は完全に失われ、視聴率は低迷している。
もちろんそれは国営放送の惰性によるものというよりは、「巨人・大鵬・卵焼き」の時代が終わり、人々の興味関心が多様化し、さらにはメディアも多様化したことの帰結だろう。それぞれの推しをそれぞれの媒体で応援する時代となったのだ。
そのことは分かっているのだが、健気に受信料を支払っている身として、衛藤は、一人きりの部屋で、床にあぐらをかき、テレビに向かって悪態をつくことはやめられなかった。
「紅組、次のアーティストは、宮古島が生んだ新進気鋭のスーパーアイドル、水無月愛紗です!」
これまた全く知らないアーティストである。
いや、アイドルか。
いずれにせよ、見たことも聞いたこともない。どこの馬の骨だろうか。
とはいえ、だいたい50人くらいでグループを形成する近年の流行りに逆行し、ソロで活動し、紅白の場まで登り詰めるというのは立派なことである。権威は落ちたとはいえ、「腐っても紅白」なのだ。
いかにもアイドルポップという、良い意味で憂いも工夫とないシンプルなイントロとともに、こちらもいかにもアイドル衣装という、オレンジ色のフリフリのドレスを着て、彼女はステージに現れた。
たしかにルックスは悪くない。
むしろ、とても可愛い。
小柄な体型に、クリッとした大きな目。小麦色に焼けた肌にも好感が持てる。
審査員席でニヤける大御所男性芸人の姿がカメラに抜かれる。
「このエロ親父め」と思わず悪態が口から出るも、おそらく衛藤自身もさして変わらない表情となってしまっているだろうという自覚があった。
衛藤は、水無月愛紗に恋してしまったのである。
彼女はまさに肩書き通りの「スーパーアイドル」だ。
ステージの中央で客席を見渡し、ニコッと狂おしい笑顔を見せた彼女が、ついに歌い出す。
少女がすーっと息を吸う音を、高性能マイクが拾う。
そしてーー
…………
青い空。白い砂浜。エメラルドグリーンの海。
最高のロケーションである。風はひんやりとしていて、海水浴日和とまでは言えないが、東京の凍てつくような寒さと比べれば、天国だと言える。
オフシーズンの宮古島も悪くないな、と衛藤は思った。
瀬身から電話があり、「衛藤君、宮古島に来なさい」と言われたときには、元探偵の元助手に対する、いささか不躾な、慰安旅行の誘いだろうと思った。
1ヶ月ほど前、衛藤は、瀬身の絶体絶命のピンチを救った。
毒入りのペットボトル飲料を自動販売機に仕掛け、女子中学生を殺害した容疑をかけられていた瀬身の冤罪を晴らす手伝いをしたのである。
衛藤のおかげで、瀬身は、警察に逮捕されたのち、無実を証明し、すぐに釈放されたのだ。
感謝の印として、瀬身が自らを沖縄旅行に誘ったに違いない。衛藤はそう思っていた。
しかし、違った。
瀬身は、電話口で、重々しい声で、こう続けたのである。
「もう一度君の力を貸して欲しい。あろうことかまた殺人の容疑をかけられてしまってね」
宮古島は、沖縄県に属し、沖縄本島からさらに南西に約290キロメートル離れた場所に位置する。
宮古列島では最大の広さであるとはいえ、3〜4時間ほどあれば車で外周一周できてしまうくらいのサイズである。
宮古空港を擁する市街地である平良は、宮古島の北部に位置するのに対し、瀬身が待ち合わせ場所に指定した博愛港は宮古島の南部である。
それでも、宮古空港で拾ったタクシーで30分足らずで到着した。
波止場に立ち、ぼんやりと海を見つめていた瀬身は、タクシーから降りる衛藤に気付くと、そろそろと歩み寄ってきた。
その瀬身に対して、衛藤は、領収書の束を突きつける。
衛藤の住む東京都豊島区から羽田空港までの電車賃、羽田空港から那覇空港までの航空運賃、那覇空港から宮古空港までの航空運賃、そして、たった今タクシー運転手からもらった平良からここまでのタクシー代の領収書である。
瀬身の表情は明らかに乗り気ではなかったが、最低限自分の立場は弁えてるようで、「あとで口座を教えてくれ」と、受け取った領収書の束を乱雑にポケットに突っ込んだ。
「衛藤君、そこに小屋があるだろう?」
瀬身が、海とは反対方向を指差す。
「そうですね」
港と接した敷地に芝生があり、その一角に、年季の入ったログハウスが見える。
「そこがグラスボートの乗客の待合室なんだ。そこであれば、軽食と、お望みであればアルコールで、君をもてなすことができる」
「瀬身さんの職場ですもんね」
「ああ。電話で話したとおりだ。ただ、今は、小屋の中を警察が捜索中なんだ。中に入ることはできない」
たしかに港には3台のパトカーが停まっている。小屋の前には、見張りと思われる制服の男が突っ立っている。
「ゆえに申し訳ないが、諸々の説明は、そこの芝生でさせてくれ。少し離れたところに温泉施設などもあるが、今日のところは警察の目の届く場所にいるように命じられてるんだ」
芝生にはベンチの類は置かれていない。要するに立ち話だ。立ち話をするにしてはあまりにもヘビーな内容だが、事情が事情なので仕方がない。衞藤は、瀬身の後ろを追って、芝生まで移動した。
芝生には、隣にあるログハウスよりもみすぼらしく、数回りも小さい小屋が、ポツンと立っていた。ヤギ小屋である。その証拠に、小屋の中には、リードで繋がれたヤギが伏せている。
宮古島の人間は、本州の人間が犬を飼う感覚でヤギを飼うのだろうか、などと衞藤はぼんやり考える。
瀬身はちょうどヤギ小屋の付近まで来ると、ログハウスの辺りにいる警察からは十分に距離が取れてることを確認し、事件の中身について話を始めた。
当然のことながら、瀬身としてはヤギには話を聞かれても構わないし、ヤギの方も、瀬身と衞藤がそばに来たところで何ら警戒する様子はない。ただ目の前の芝生をむしゃむしゃと食み続けていただけだった。
再び瀬身が巻き込まれた事件というのは、概略以下のとおりである。
探偵業を辞めてもなお「職業病」である「事件巻き込まれ病」が治らなかったことを重く気に病んだ瀬身は、自分のいる環境を大きく変えるために、次の職場を離島に求めた。
インターネットを駆使して見つけた次の仕事が、宮古島の観光業だった。
具体的な業務はというと、グラスボートの添乗員である。
「グラスボート」と聞いてピンと来る方はどれほどいるだろうか。おそらくそこまでいないと思うので、説明しよう。
グラスボートとは、船底が透明なガラスでできている船である。
要するに、船に乗りながら、ガラスの向こうの海中を見れる、という仕組みである。南国の海は綺麗に透き通っているので、珊瑚礁で戯れる魚たちをハッキリと見ることができる。
陽キャの皆さんは、ダイビングで海に潜れば済むからそんな船は不要だと思うだろう。
陰キャの皆さんは、そもそもアウトドアアクティビティなんてしないだろう。
ゆえに、認知度はおそらくそこまで高くないだろうが、グラスボートは、ダイビングやシュノーケリングをするほどの体力はないご老人や、まだ幼い子ども連れなどを中心に人気のアクティビティの一つなのである。
瀬身は、人並外れた学力によって、魚類図鑑で魚の種類と特徴を学び、これまた人並外れた行動力によって、単身宮古島に渡った。
「うちのグラスボートは少し珍しくて、半潜水艦方式なんだ」
と言って瀬身が見せてくれた観光パンフレットによれば、たしかに衞藤がイメージするような「普通」のグラスボートではなかった。
船底がガラス張りになっておらず、その代わりに、船頭と船尾にハシゴ階段がついている。そのハシゴ階段を下った先が潜水室となっているのである。
潜水室は、左右がガラス張りとなっており、海に囲まれているような空間なのだ。2階建てで、1階は船、地下1階は潜水艦になっていると説明すれば伝わりやすいかもしれない。
乗客は、潜水艦部分から、水に濡れることなく、海中の光景を楽しむことができる。「普通」のグラスボートよりも何倍も楽しいに違いない。衞藤は、どちらにも乗ったことはないが、そう思った。
さて、瀬身の新しい仕事は、この半潜水式グラスボートの添乗員であり、要するにガイド役だ。
乗客とともに潜水室にいて、左右に見える魚や珊瑚礁について解説をするのである。
「この大きな魚はロウニンアジです」「右手に見える大きな珊瑚は、何千年も昔からあるものです」など。
探偵業とはとことん無縁であるが、口が達者な瀬身には向いてるかもしれない。少なくとも、自動販売機の詰め替え作業よりは。
さて、若干前置きが長くなったが、肝心の事件について説明しよう。
凄惨な殺人事件の第一発見者は、瀬身であり、そして、30人ほどの不運な乗客であった。
いつもどおり博愛港を出発したグラスボートは順路を進んだ。
出発して5分ほど経ったところで、いつもどおり瀬身は観光客を引き連れて、ハシゴ階段を下り、潜水室まで誘導した。
年季が入っていて、お世辞にも「綺麗」とは言えない船上部と、蒼碧色の光が差し込む幻想的な潜水室とのギャップに乗客が感嘆の声をあげるのもいつもどおりのことだ。
潜水室には、48人分の席がある。イメージ的には新幹線の客席に近いだろうか。
中央の通路に沿うようにして、左右に2席ずつ座席が設置されている。4席×12列で計48席である。
それに対して乗客は約30人なので、およそ3分の2ほどの席が埋まる計算だ。乗客は前後左右に散り散りになり、ガイド役の瀬身は、その間の通路を行ったり来たりしながら、海の雑学などを披露していた。
乗客は、瀬身の話に耳を傾けつつ、目の前の海の光景を楽しみ、次々と目に入る魚を指差しては、キャッキャと叫んでいた。
その黄色い声が悲鳴に変わったのは、約30分の航海のちょうど折り返し地点だった。
所狭しと大小の珊瑚が密集している地帯に、何か異物が「生えていた」のである。
多くの乗客にとって、その異物の正体に気付くのと、胃液が込み上げてくるのは同時だっただろう。
その正体は、胴体から切り離された手足だった。
それは、あたかもサンゴに見立てるかのように、指先を上にして、立てて置かれていた。
手足だけではない。男性の生首も、潜水室の窓から見て正対する向きで「生えていた」。
それはまさに地獄絵図だった。
「乗客が可哀想ですね。元探偵の瀬身さんと違って、死体に見慣れてないでしょうし」
「見て慣れるような性質のものじゃない。ゆえに僕は探偵を引退したんだ」
言われてみると、たしかにそうであった。
目の前のヨレヨレのシャツを着た男は、一見すると他者に無関心であるように見えて、他者の死を客観視することは苦手なのである。
「ところで、どうしてまた瀬身さんが犯人として疑われてるですか?」
瀬身は第一発見者の一人であるが、今回のケースでは、「第一発見者をまず疑え」というお決まりの法則は適用されないように思える。なぜなら、死体遺棄現場と、瀬身がいた船内は、ガラス窓によって物理的に隔絶されている。
瀬身及び乗客は、この事件の「観客」でしかないはずだ。
瀬身が気怠そうに唸る。
「うーん、色々あるんだが、まず、被害者が、私の職場の上長なんだ」
「職場の上長?」
「ああ。このグラスボート事業は、宮古島では観光業を手広くやってる会社によって運営されてるんだが、殺されたのは、その会社の管理職、このグラスボート事業を担当するマネージャーなんだ。名前は、為木秀久という」
「じゃあ、瀬身さんに動機があるということですね?」
「実際のところ会ったのは、採用面接の場を含めても3回程度だ。彼は他の事業も管理してて、博愛港に常駐してるわけじゃないからね。それに、特に込み入った話をする関係にもないから、私に動機なんてこれっぽっちもないよ」
「でも、警察はそうは思わないでしょうね」
瀬身は眉を顰めつつも、ゆっくりと頷く。
「まあ、そうだな。もしかしたら私が為木からパワハラを受けていて、その報復として殺したのかもしれない、などというあらぬ想像をするかもしれないな。いずれにせよ、私は、『関係者』として捜査線上には浮かぶだろう」
「でも、それだけですか? 被害者の下で働いてた人間だから、という理由だけで犯人扱いというのはさすがにないでしょう?」
「もちろん。警察もそこまで理不尽じゃない。むしろ、重要なのは犯行可能性の方なんだ。具体的に言えば、死体遺棄可能性」
「つまり、どういうことですか?」
「つまり、為木の死体をあの場所に遺棄できたのが私だけ、ということだ。なぜなら、死体遺棄がされた時間は、死体が発見された日の10時30分から12時までの間と警察で特定しているところ、その時間に博愛港にいたのは私だけなんだ」
ああ。そうか。それは容疑者になるよな、と衞藤は納得する。元探偵が、またもや冤罪の危機にあることは間違いないようである。
…………
シューっと、瑠璃色の琉球グラスに注ぐオリオンビールが労いの音を立てる。
ほとんど座ってただけとはいえ、飛行機を乗り継いでの移動は、知らぬ間に体力を奪うものだ。
そして、芝生で聞いた瀬身の話である。
瀬身とは違い、衞藤は、(自分が当事者でない限り、)事件に巻き込まれることは嫌いではない。しかし、瀬身の沈んだ声を浴び続けていると、こちらまでノイローゼになりそうである。少なくとも、だいぶ元気は吸い取られたことは事実だ。
「飲まなきゃやってられないよ」
乾杯する相手もいないビジネスホテルの一人部屋である。
ビールを注ぎ終わるないなや、衞藤はグラスを口に運ぶ。そして、一気に飲み干す。
東京のコンビニでもオリオンビールは売っているが、宮古島で飲むとその味は別格に思えた。水のように軽く、それでいて旨い。
「さてと」
座椅子に腰掛けた衞藤は、空になった琉球グラスをテーブルに置くと、代わりに黒糖味のちんすこうを、逆の手で、半分に折られたルーズリーフを摘み上げる。
前者はホテルのロビーのお土産屋で買ったもの、後者は芝生で瀬身から渡されたものである。
ルーズリーフを開くと、そこには、瀬身がボールペンで書いた、今回の事件の調査事項がいくつか箇条書きになっている。
独特なとめはねでなされた走り書きは、慣れていないと読解できないものだ。元助手が読めればそれで良い、という瀬身の気遣いのなさが表れている。
もちろん、衞藤が一人で調査すべきものなので、それはそれで構わないのだが。
ルーズリーフにまとめられた調査事項は以下のとおり。
…………
1 警察が死体遺棄時間を10時30分から12時までの間と特定している理由は何か
2 バラバラ死体はどのようにして珊瑚礁に「生えていた」のか(死体の固定方法)
3 10時発のグラスボートはどのようなルートを進んだのか
4 10時発のグラスボートの船内で何か変わったことは無かったか
…………
この4つの事項について、なるべく正確に、かつ詳細に調べる、というのが、衞藤に与えられたミッションである。
探偵を廃業しながらも、下働きを全て元助手に投げつけるのはいかがなものかという気もする。ただ、瀬身曰く、この調査は瀬身自身では行えないとのことである。瀬身は容疑者である以上、調査のために関係者や関連物等に不用意に接触すれば、警察から「証拠隠滅」とみなされてしまうらしい。
最終的には、
「悪く思わないでくれ、衞藤君。私だって、自分の尻拭いは自分でしたいよ。ただ、警察の監視下にあるゆえに自由に動けないんだ。そうだ。良いことを考えた。衞藤君が警察に自首すれば良いんだ。君が身代わり犯人になることで私に自由を与えてくれれば、私が調査して、真犯人を見つけ、君を救い出すよ」
などとセリヌンティウス的な扱いを受けそうになったので、衞藤は調査を引き受けることにした。結局、前回同様の展開であるが、宮古島に来る前から覚悟していたことではある。
………………
「瀬身さん、水無月愛紗って知ってますか?」
「……ああ、あのスーパーアイドルか。知ってるよ。宮古島住んでて知らない人間はいないんじゃないか」
それもそうだろう。衞藤は宮古島に滞在してまだ4日目であるが、至る所で「水無月愛紗」を見ている。
イメージキャラクターか何かなのか、宮古空港には等身大パネルが置かれ、それなりの人気撮影スポットになっていた。小料理屋に行けば、一番目立つ壁にサイン入りのポスターなどが飾られており、スーパーで買い物していると、彼女の歌がずっとBGMで流れていた。
「瀬身さんは水無月愛紗のファンじゃないですよね?」
「もちろん違うが」
「ですよね」
「衞藤君は好きなのか? 水無月愛紗」
「……いいえ。好きじゃないです」
衞藤は大きく首を横に振る。
本心だった。
だって--
「だって、彼女、めちゃくちゃ音痴じゃないですか」
「……ああ、そうだな」
年末にテレビで見た紅白歌合戦で、水無月愛紗は、衞藤に対して、立て続けに2つの衝撃を与えた。
1つ目の衝撃は、彼女のあまりにも可憐なルックスである。アイドルに興味のない衞藤にあっても、不覚にも一目惚れしてしまった。
もっとも、2つ目の衝撃の方がはるかに大きかった。
マイクを握った彼女は、歌い出しの最初の音から思いっきり外し、そこから最後まで制御不能状態だったのである。
衞藤は、テレビのスピーカーが壊れたのかとすら疑った。
しかし、それは紛れもなく彼女の歌声だった。
千年の恋をも冷ますであろうそれは、衞藤の「数秒間の恋」を冷ますには十分過ぎた。
宮古空港で等身大パネルを見つけたときには、ゲンナリし、次の乗り継ぎ便を探しかけた。周りに人がいなければ、パネルの顔面を一発殴りに行っていたかもしれない。
「あれはさすがにないですよね。僕は別にアイドルに対して、シンガーソングライター同様の歌唱力を求めているわけじゃないですよ。でも、許されないラインってあると思うんです。ステージに立ってマイクを握る以上は、最低限のレベルってありますよね? 徹底的に歌を練習するか、それでも無理ならモデルに転身するとか……」
「概ね納得するが……衞藤君、水無月愛紗に私怨でもあるのか? というか、頼んだ調査はちゃんとやってるんだろうな?」
「……ええ、もちろん」
全2万字と少しですので、さすがにと思い、前後編に分けることにしました。