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沈黙の黒騎士→ただ話すのが苦手なだけ  作者: @novel
第四章 赤き業火を消さんとする魔の手→そういや魔王ってどんな姿をしてるんだろ
40/100

*40 【赤色の業火】の目覚め

閲覧ありがとうございます!


いよいよ【赤色の業火】が戦いますのでお楽しみに


それではどうぞ

「……無駄。メダルが少なくなった私でも、お前たちを殺せない訳がない」

「随分と傲慢な態度じゃないか?……それで本当に私達を殺せるとでも?」


 頭部から血を流し不敵な笑みを浮かべるカルメンがエレの言葉を返した。血を流しながら浮かべるその笑みはもはや敵側ではないかと錯覚するほどだったが、この場にそれを指摘できる者はいない


「……肯定。これは、虚言ではない……!」

「まだ……!これ程の力を……!?」

「メダルはもう殆ど無い筈なのに……!?」

(おいおいおい……!どれだけ力を隠し持っているんだ!?)


 エレが更に力を解放し、辺りの氷塊にひびが入り始めたところで一際大きな音がとある場所から鳴った。


(……!あれは……!!)


「……」

「あ……【赤色の業火】が……」

「目覚めたか……?」


 ――氷に封印されていた赤髪の青年……【赤色の業火】が闘いの衝撃によって封印から解放されたのだった。だが、その表情はまだ虚ろな表情で立ち尽くしていた。


「……好機。今なら紋章に出来る」

「……!させない!!」

(射出!!)


 【赤色の業火】を自らの手駒にするべく手にメダルを抱えたエレが真っ先に未だ呆然としている【赤色の業火】の元へ向かって行った。

 それに気づいたグレイが再び鎖を放ち、エレを拘束しようとし、ジンも《黒騎士の武具》を射出しエレの足を止めようとするが


「……予測。回避」

「うっ……避けられた……!?」

(クソッ……!回避されたか……!)


 エレはその身のこなしでグレイの鎖もジンの武器も避けた。そして【赤色の業火】に接触する正にその寸前で……


「……待ちな!」

「……しつこい!!!!」


 鬼のような形相をしたカルメンがエレに飛び掛かってきたのだった。それを見たエレは露骨に顔を顰めると《紋章魔法》を発動して、やがて大きな刃になった右手を後方に振るった。

 カルメンは空中に居ながらも体を上手く動かし、その腕を回避した。


 そして槍と凶器と化した腕とのぶつかり合いが起こった


「……死ね」

「ははっ!生憎しつこいのが売りなんでね!!」

「……黙れ」


ギリギリギリギリ……


「ここです……!」


 鍔迫り合いが続いている中でエレの背後に追いついたアイリが、追突の構えを取っていた。しかしそれを感じ取っていたエレが《紋章魔法》で二つのメダルを左手に融合させ、タコのような触手とピラニアのような牙をそれぞれの触手の先端に生やしてアイリに襲い掛かった。


「!?しまっ……」

「《真空刃》!」

「……!おのれぇ……」


 間一髪アイリが触手の口に喰われかけた時にグレイの放った《真空刃》がアイリに襲い掛からんとしていた触手を切断したのだった。

 触手を切断されて痛みが生じたのかエレの表情が歪む


「……おのれぇ……おのれぇええええ!!!!」

「本性を現したか……!」


 先程まで見せていた幸薄少女のような顔は豹変し、敵意剥き出しの表情になり、即座に触手を再生させると、今度は全身から異形の触手を無数に生やし全員纏めて殺そうとしてきた。その表情からは余裕は消えていた。


 そしてその触手を動かし、纏わりついてくるジン達を殺そうとした


――だが


「《赤の灼熱(ファイア・ボルケーノ)》」

「ギャアアアアアアアアアア!?」


「!?」「これは……?!」「あの、おにいさんの!?」

(漸く……お目覚めといった所か!)


 突然この場の誰の者でもない男の声がしたかと思うと、エレの体が灼熱に包まれたのだった。

 ジン達がその声のする方を向くと、そこには


「あー……えーっと、こいつが敵で良いんだよな?」


 赤髪の青年が髪をかき上げながらジン達に質問を投げかけた。その表情はまだ寝ぼけているようだが、徐々に正気を取り戻していった


「あぁ、そうだとも【赤色の業火】殿」

「おぉっ!俺を知っているのか!あんたは!?」

「わたs……いや、それよりもこいつを何とかするのが先だ!」


 自分のことを知っているであろうカルメンに名前をきこうとしたが、カルメンに促されて未だ燃えているエレを一瞥すると【赤色の業火】は……


「よーし!なら分かった!!《赤の爆炎》!!」

「ギャアアアアアアアアアアァアアアア!!!!」


 エレに対して炎を纏った拳を殴りつけると、触れた箇所から爆炎が生じ、エレは更に燃やされることになったのだった。


「おいてててて……流石に目覚めたばっかでこの技はきちぃな……」

「ふむ……では、ジン殿の武具を借りるか?」

(……俺!?)

「良いのか?そしたらハンマーが良いんだが」

「ジン殿どうだ?」

(まぁ……いいけど……《黒騎士の武具》……大槌……!)


 ジンは大槌を作り出し、【赤色の業火】に手渡す。暫く素振りをしていると【赤色の業火】は満足そうに大槌を握りしめた


「いいねぇ……!気に入ったぜ!ちょっと使わせてもらうな?」

(気に入って何より)


「オノレエエエエエエエエ!!!」

「じゃあ……さっさと片付けますか……!」


 そういうと【赤色の業火】は大きく跳びあがり、大槌に炎を纏わせた。


「ほんじゃまぁ……これで仕舞いだ!《赤の鉄槌》!!」

「グォアアアアアアアアア!!!!」


 ドグォオオオオオオン!!!!


 凄まじい爆風と爆音が発生したかと思うと大槌が叩きつけられた場所にはエレの姿は無く、ただ一際大きなメダルが粉々に砕けていた。


「馬鹿げた威力だ……!」

「すっごい……」

「あいつが……消えちゃった……」

(やっば……!何あの高火力!)


「あー……さっぱりした……」


 爆風で顔に掛かった髪を再びかき上げ、ジン達の方を振り向いて【赤色の業火】は、自分の名前を話し始めた。


「ほんじゃまぁ……自己紹介といくか……!」

「俺が【赤色の業火】の継承者の『フラム・シニアーク』だ!よろしくな!!」


 覇気のある声で爽やかに自己紹介をしたフラムに対して一行はあることを思い出す

 そしてカルメンがその質問をぶつけた


「どうも、【赤色の業火】フラム殿。私はカルメン【緑色の樹海】だ」

「おおっ!【色付き】の仲間じゃねえか!!よろしくなカルメン!!」

「さて、フラム殿。『ヴィティ』の名に心当たりは?」


 そうカルメンが告げるとフラムは驚いたような仕草を見せた。


「ヴィティ……忘れる訳ねえだろ!俺の可愛い妹さ!」

「ふむ……その妹殿がシニアーク国王になっていることは知っているかな?」

「……まじで?」

「大マジだ。さらに妹殿からの伝言だ」

「えーっと……何だ?」


 フラムが先程までの好青年ぶりとは異なる若干怯えたような表情をしながらカルメンの言葉を待った


「《勝手に村を出ていったことに対してお話があります。愛しの()()()()?》だそうだ」

「……もう一回封印されようかな……?」

「それについても《もう一度眠りにつくなんて許しませんからね?》だそうだ」

「……うっす。大人しく帰るとするか」


 そして意気消沈していたフラムだがバッと顔を上げてジン達に迫った


「そういや!あんた達は誰だ?特に……その黒いあんた!」

「私はアイリ・ハイルロッテです」「私はグレイ!」


「おう!アイリにグレイか!宜しく頼むぜ嬢ちゃん達!!」


 ガッハハハハハ!!と高笑いを上げながらジンの方を向いた


「で?あんたは?あ、あとあんたの武器ありがとな。使いやすかったぜ」

「こちらはタチバナ ジン。訳あって話せないが……【黒色の武装】の継承者だ」


 カルメンがフラムにジンのことを紹介すると目を大きく開けながら驚いたそぶりを見せた


「マジかよ!!この場に今……3人の【色付き】がいるのかよ!!」

「セーラス国にも【青色の深海】がいるがな」

「おいおいおいおい!!半分以上揃っちまったのかよ!!すげぇな!!目覚めた甲斐はあったぜ!!」


 再び大声を上げながら豪快に笑うフラムであったが


「へっくしょい!!!!……あー誰か布持ってねぇか?流石に【赤色の業火】とはいえ、寒くて仕方ねぇぜ……」

「……これを」

「おおっ!助かるぜ……ずびっ」


 ジンが《収納》から取り出した予備の服をフラムに渡すとフラムはすぐさまその服を着たが……身の丈がジンよりも大きいためフラムの腹部が露出する形になってしまった。


「……これをどうぞフラム殿」

「あー……すまねぇ」

(身長でかすぎんだろ……!百九十センチ以上はあるじゃねぇか!?)


 エレに勝ったにも関わらずどこか得体のしれない敗北感を味わったジンであった。

次回は登場人物紹介を挟みます

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