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沈黙の黒騎士→ただ話すのが苦手なだけ  作者: @novel
第四章 赤き業火を消さんとする魔の手→そういや魔王ってどんな姿をしてるんだろ
39/100

*39 傲慢で貪欲な紋章は塗りつぶされる

閲覧ありがとうございます!


少し用事があったので昨日の投稿は出来ませんでした。申し訳ありません……

またこれから一日一投稿を心掛けていきますのでお楽しみに


それではどうぞ

「ふーん……形勢逆転と言いたげだね?」

「実際そうじゃないか?……おっと」


 ジン達が《カオス・マター》を撃破した時

 カルメンがエレの言葉に軽口で返しながら《紋章騎士》の攻撃をいなし、お返しと言わんばかりに《紋章騎士》の胴体に向かって槍の一撃を叩き込む。


「……浅いか」

「死ね」

「おっと……!手厳しいじゃないか?」


 そう言いながらもエレと《紋章騎士》がカルメンに襲い掛かるも、カルメンは容易くいなしながらジン達の方向へ向かって跳躍した。


「さて……ジン殿、アイリ殿、グレイ殿大丈夫か?」

「カルメンさんこそ……大丈夫ですか……?」

「私は大丈夫だ!そして良くあの化け物を倒せたな!」


 カルメンと会話をしながらもジンは片手間に《黒騎士の武具》を《収納》していき、グレイも魔力を集中しておりいつでも攻撃ができる態勢になっていた。


 一方エレは……先程とは比べ物にならない量の紋章のメダルを両手に握りしめていた。その手からは幾つか零れ落ちていた。


「……ッ!?まだそんなにあるのか!?」

「……厄介。これ程まで消耗させられたのは初めて」

「エレ様」

「……準備。《紋章騎士》」

「はっ!」


 そういうと《紋章騎士》は一際大きい紋章に変化したかと思えばエレの真上に漂い始めた。それと同時にエレの持っているメダルから次々と紋章が飛び出し、《紋章騎士》の紋章の周りをぐるぐると旋回し始めた。


 ……先程とは違い今度は《紋章騎士》の紋章を起点として重なり、最終的にエレにその紋章が被さったのだった。

 その瞬間凄まじい魔力の波がジン達を襲った。


「これは……!」

「まだ……先があるのですか……?!」

「……やばいかも……」

(第三形態……っていった所か……?)


 エレの周囲の空気はその濃密な魔力によって歪み、その体からは禍々しくもどこか神々しいとさえ感じる赤黒いオーラに包まれていた。


「……攻撃。」

「何ッ!?」

「「!?」」

(いつの間に!?)


 エレが攻撃の意思を示したかと思えば、次の瞬間にはカルメンが吹き飛ばされていたのだった。

 カルメンは、間一髪槍でその攻撃を受け止めていたが、その衝撃で槍が折れてしまった。ジン達は一瞬で移動したエレに驚きを隠せないでいた。


「あたたた……まさか槍を折るとはねぇ……厄介じゃないか……」

「さて……これからが本番かな……《樹海槍 弐式》」


 そう言いながら即座に体勢を立て直し、槍を先程よりも強固に作り直したカルメンは先端が二つの槍を構えなおし、エレの元に突撃しにいった。

 ジン達もエレから距離を取り、それぞれの攻撃を開始した


「《乱れ桜》!」

「《鎖の連鎖(チェーンスパイラル)》!」

(《展開》……射出!)


 アイリとジンから放たれる強烈な一撃を確実なものにするためにグレイがエレを拘束し、そしてエレにアイリとジンの攻撃が当たった。


 ……だが


 パキン パキン


「……問題なし。」

「なっ……?!」

「まともに喰らった筈じゃあ……!?」

(……なるほど……あの紋章……もしかして……)


 エレの体から2つのメダルが砕けた音がしただけでエレ本体には傷一つ無かった。しかしジンは先程自分が与えたダメージの代わりに紋章のメダルが砕けたことからそのからくりについての予想を立てていた。


「そら余所見は厳禁さ《緑の螺旋ネイチャー・スパイラル》」

「……ふん!」

「鎖が……!」


 カルメンの《緑の螺旋ネイチャー・スパイラル》が当たる寸前エレはグレイの鎖を無理やり砕き、カルメンの一撃を回避した。だが、それを読んでいたカルメンの斬り返しの応酬をまともに喰らうことになった。


「《樹海術式 晴好雨奇(せいこううき)》」

「……!」


 斬り返しの一撃で放たれたのはカルメンの魔力が込められた槍の投擲だった。《緑の螺旋ネイチャー・スパイラル》を回避するために空中にいたエレには回避の仕様がなかった為、胸の部位に槍が貫かれた……かのように見えた


 パキン

「……厄介」

「それはこちらの台詞だとも」

(確かにあれは致命傷になりうる一撃だった筈……だが代わりにメダルが砕けただけ……)


(……先の戦いでもジン殿は確かに2()()ともエレに致命傷になりうる一撃を与えていた。だが代わりにメダルが砕けただけ……)


 そしてカルメンはジンと同じ答えに辿りついたのだった。


(なるほど……つまりは……メダルはエレの命の身代わりにもなるのか……)


 カルメンは再び槍を作りながら、ジンの傍に並んだ。アイリとグレイもこのタイミングでエレの秘密に勘づいたようだった。


「ジン殿、アイリ殿、グレイ殿、あの紋章卿の仕掛けが分かったか?」

「はい……!カルメンさん!」

「あのメダルが……あいつの命を肩代わりしてるんだね!」


「……気づかれた。だが想定内」


 自分の不死身の秘密に勘づかれたエレだったが、それでも態度は変わらず再び魔力を全身に漲らせた。


「……簡単なこと。メダルが尽きる前に全滅させればいいだけ」

「言ってくれるじゃないか……!」

(……要は、致命傷となる攻撃を続ければいいだけ……!)


 ジンとカルメンも気を引き締め直して、エレの一挙手一投足を見逃さないように構えた。

 アイリは致命傷を与えやすく、また手数を増やすために両手に刀を持ち、自身の技を叩き込めるようにした。グレイはジン達のサポートをするべく回復魔法や補助魔法をいつでも使えるように魔力を漲らせていた。



◆◆◆


「そらそらそら!《樹海術式 花天月地(かてんげっち)》!」

「……無駄。ただでは喰らわない」


 カルメンの数十にも及ぶ槍の連撃をまともに喰らうのではなく、確実にいなしていくエレだが


「《乱れ桜 零れ梅(こぼ うめ)の舞》!」

「……ッ!」


 アイリの二刀流から放たれた有無を言わさない程の刃の嵐にエレも苦い顔をしてその刃を喰らうことになり、メダルが砕ける音が複数鳴った


パキン パキン


「アイリ!危ない!《転移》」


 エレのレイピアの一撃がアイリを襲おうとした時あらかじめ《転移》のマーキングをアイリにしていたグレイがアイリを転移させ、その凶刃から逃れさせた。


「ありがとう!グレイちゃん!」

(やってることは……同じだが……射出(ファイア)!!)


 アイリと変わるようにジンがエレに向かい、そのまま《黒騎士の武具》を射出し始めた。エレはたまらず後方に回避するもそこにはカルメンがいたため、足止めをくらってしまった


「……邪魔。消えて」

「そうはいかないのでね……!緑の地獄ネイチャー・ヘルワールド!」

(《黒き剣》!)


 地面に突き立てた槍から現れた無数の木々がエレに襲い掛かると、エレはそれらの木々を一つ一つ砕いたが、背後に迫るジンの《黒き剣》による強化を受けた大剣の一撃を受け、更に多くのメダルが破壊された。


パキン パキン パキン パキン パキン

「余所見は……厳禁だと言った筈だ!!」

「……!!」


パキン パキン


 ジンに意識を持っていかれたエレの胸にカルメンの槍と無数の木々が突き刺さる。だが、まだエレは死なない


「……憤怒。これほどまで苦戦させられるとは……!」

「大分メダルの数も減ってきたじゃないか?」

「……ほざけ!!」


 瞬間エレを中心として膨大な魔力が一斉に解き放たれカルメンの《緑の地獄》によって形成されていた木々が一斉に砕け散り、その余波でカルメンとジンが大きく吹き飛ばされ壁に叩きつけられた


 そしてエレから放たれた魔力弾を二人は受けてしまった。


「ぐはぁ!!」

「……ごふっ!」


「ジン様!カルメン様!」

「次はお前だ」

「アイリ!」


(……!クソッ!アイリちゃんはやらせるか!)


 ジンは即座にアイリに向かって《黒騎士の蒼盾(ナイトオブブルー)》を射出し、間一髪アイリを守った。

 そしてすぐさまアイリはエレから距離を取り再び膠着することになった。


「さて……やってくれたじゃないか……紋章卿……!」

(……ふぅ……ここからが正念場だな……)


 ボロボロになりながらもその覇気を衰えさせないカルメンと黒い鎧に多少の傷はあれど殆ど損傷はないジンが合流し、事態はいよいよ終局に向かいつつあった。

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