*36 【紋章卿エレ】
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「「「グォオオオオ!!」」」
「数が多いな!《緑の螺旋》!」
カルメンの槍から放たれた螺旋状に渦巻く緑の波動が、全身が氷でできたトラ型の魔物の群れを蹴散らした。
グローリー火山の迷宮に入り込んだジン達だったが、中は火山とは思えないほどに凍り付いていた。
そして先程から火山内部の壁や天井から次々と氷の魔物が襲い掛かってきているのだ。
「兎も角……先を急がねば!このままだとジリ貧だ!」
「「「「グォオオオオオオオ!!!!」」」
「また来た!《炎竜》!!」
グレイの放った竜の形を模した炎が《アイスタイガー》の群れを溶かしていった。
「ジン様と私が活路を開きます!《乱れ桜 開花の舞》!」
(《展開》……射出!)
アイリの衝撃波を伴う突きの一撃とジンの槍の射撃で魔物に塞がれている道をこじ開けていったのだった。
しかし、魔物もただでやられる訳ではなく、ジン達の進路を塞ぐように並んだ魔物がジン達に氷の棘を放ってきた
(ここで……こいつだ!《黒騎士の蒼盾》!!)
ジンの出した盾は青い光を放ちながら、ジン達を包み込むように守護していた。
魔物たちの氷の棘が盾の青い光に触れたかと思うと、たちまち分解されてしまった。ヴィヴィアンからの加護を受けたその盾でジン達は、今までにない程の防御力を手にしたのだった。
「これが……ジン様の《色の融合》の力……!」
「活路は開けた!行くぞ!!」
一行が火山奥地にたどり着いたのは、それから数時間後のことだった。
◆◆◆
「ここが……火山の最深部……」
「辺り一面……氷塊だらけ……鏡みたいにキラキラ光ってる……」
「最深部の筈だが……【赤色の業火】は、どこにいるのだ……?」
ここに到達するまでにも無数の魔物に遭遇したり、最深部に近づくにつれて険しくなっていく道なりに苦労しながらも辿り着いた最深部は、水晶のように輝く氷で覆われた大きな空間だった。
水晶のような氷にはジン達の姿が映し出されていた。
そして空間内を見まわしていたグレイがあるものを発見した。
「…!見て!あの水晶に何かいる!!」
「何っ!?」
グレイの声に釣られて三人がその方向を見るとそこには一つの大きな氷塊があった。
だがその中を注視していると、中に何かが見えた
「これは……人?!」
「氷塊の奥に……確かに人のようなものが閉じ込められている?!」
(おいおいおいおいおい!これってまさか……)
一行が氷塊の中に閉じ込められたものに夢中になっていると
「《紋章魔法》」
「!?まずっ…」(《黒騎士の蒼盾》!!)
突然聞こえた声と共にジン達に無数の光弾が襲い掛かってきた。ジンは即座に《黒騎士の蒼盾》でアイリ達を守った。
全て防ぎきったジン達は光弾が放たれた所を見た。
そこにはグレイと同年代くらいの少女が紋章が入ったメダルを手に握りながらこの空間に入ってきたのだった。
傍には独特の紋章が刻まれた甲冑を着た騎士が控えていた。
「……ん、割と予想外。完全に不意打ちだった筈」
「あんたは……一体……」
カルメンが槍を構えながら少女に話しかけた。ジン達も次々と各々の得物を構えた。
「私は……魔王様直属の四天王の【紋章卿エレ】。魔王様の命令でその【赤色の業火】を壊しに来た」
「!!」
「ついに来たか……【四天王】!しかも……【紋章卿】だって……!?」
「【紋章卿】……?」
【紋章卿】と名乗った少女に対してカルメンは【紋章卿】という存在について話し始めた。
「【紋章卿】は、ヴィクター様が若かりし頃よりずっと前からその異名だけが伝わっていた存在なんだ……」
「……ある地方で、とある事件があった。その地域は【色付き】の残した武具や魔法がたんまりあった地域だった」
カルメンは語りだした。その間もカルメン達はゆっくりと間合いを図っている。
「そこは、当時のセーラス国から見ても是非とも友好関係を結んで国益や魔王軍討伐の為の助力を願おうとするほど豊かで、発展していた」
だが、とカルメンは続けた
「ある日、その地域の全てが消え去っていた」
「「「!!」」」
「その地域の名は……《サンクトス地方》」
「《サンクトス地方》って……あの?!」
「《サンクトス地方》……うん。懐かしい。もう何年前のことだっけ」
「あの地域は良いお宝がたくさんあった。武器も魔法も、命も」
「そう……こいつが、一晩で全て壊滅させたのだ!《紋章卿エレ》!!」
「あれが……!?」
(だとしたら、相当厄介な部類だぞ?!)
ジン達が目の前の存在に対しての危険度を高めていると当の本人はどこか、無気力そうにしながらも……膨大な魔力を体に纏わせていった
「【赤色の業火】を破壊するためにここに来たけど、ついでだから黒と緑も破壊しちゃおうか」
「……来る!」
グレイがそういうとエレは複数のメダルを手に持ち、それの術式を起動させた
「《紋章魔法》《召喚》」
「《召喚》だって?!しかも同時に複数体も!?」
「私でも……精々同時に使役できるのは二体までなのに……!」
エレのメダルから放たれた魔力が魔法陣を形成した。その中からは五体の只ならぬ存在が召喚された
「グルルルァ!!!!」
「敵発見。排除開始」
「……」「……」
「オオオオオオォオ……」
全身に刃を纏わせたオオカミ型の巨大な魔物
重火器を大量に体に積んだ機械生命体
まるで鏡写しのように並び立ちそれぞれが戦斧と大盾をもった騎士を模した魔物
そして一際大きく、全身が骨でありながら並々ならぬオーラを放つアンデット
計五体の魔物が同時に召喚された。それらの放つ威圧感はこれまでの魔物と比べても段違いの強さをジン達は感じていた
「……じゃあ、やれ」
《黒騎士の蒼盾》……ジンの持つ盾の中心部位に青い宝玉が嵌り込み、盾の縁に青い光が現れた。
盾を展開すると薄青の膜状のバリヤが展開され、使用者やその周囲を守る。そのバリヤはあらゆる攻撃を弾き、減衰させる。




