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沈黙の黒騎士→ただ話すのが苦手なだけ  作者: @novel
第四章 赤き業火を消さんとする魔の手→そういや魔王ってどんな姿をしてるんだろ
35/100

*35 【グローリー火山】

閲覧ありがとうございます!


いよいよ【四天王】の2人目が登場します

それではどうぞ

「あー……うん、ヴィティ様にもあのような一面があったとはな……」

「あの目……本気の目でしたね……」

「ちょっと怖かったかも……」

(目が笑ってなかったんだよな……あの王女様)


 ヴィティとの謁見を終えた一行は城を後にすると、ヴィティの最後の言葉を思い出していた。


「まぁ、それはそれとして……明日に備えて今日は宿で休むとしようか」

「賛成です」

「賛成!」

(……あれ食べに行こうかな?)


 その後はシニア―ク王国内を散策したり、夕方になったため宿に戻って暖かい料理に満足した一行は、長旅の疲れを癒すように眠りについた。



◆◆◆


「おはようございまーす……」

「うむ!おはよう。良い朝だな」

「まだねむーい……」


 白銀の雪に反射する朝日の光に目を細めながら、アイリとグレイは起きた。既にジンとカルメンは食卓に並んで朝食を作っていた。


 ジン達は普段起きる時間帯よりも早く起きていた。その理由は、シニア―ク王国周辺の環境にあった。


「こうして朝早めに行って事を済ませなければ、夜には猛吹雪に襲われてしまうからな」

「とはいえ、そう簡単に済むような話でもないのだがな」


 カルメンの言う通り、確かに今回は【赤色の業火】の捜索という重大な任務であるため、一日で済ませられれば良い方だと考えられるくらいには、道中の険しさが際立つのだ


 如何せん、あの【四天王】の一体がグローリー火山周辺に拠点を構えていることからも、実質今回の任務は『【赤色の業火】の捜索及び【四天王】の撃破』という屈指の難易度になっているのだ。


「幾ら私とジン殿がいたとしても少々キツイのもまた事実」

「今回は、私にとって今までない程の苦戦を強いられるだろう」

「カルメンさん……」


「だが、私は負けるつもりはないがな!」


 カルメンの自信に満ちた宣言に心配をしていたアイリの不安も吹き飛んだ。


「さて……話もあれだし……早速支度をしていこうか!」


 一行は必要な荷物を用意してジンが《収納》した。そして馬車に乗り、目的地周辺まで暫く待つことになったのである。

 この間ジン達は馬車の中で保温魔法のかかったスープとパンを口にしながら英気を養っていた


(美味いな……これ)

(どうやって作るのでしょうか……後で聞いてみるとしましょう)



◆◆◆


「ここが……グローリー火山だが……」

「魔物が……いない……?」


 グローリー火山の麓までやってきたジン達だが、報告にあった魔物の軍勢がいないことに気づく。しかし辺りを見渡していたカルメンがあるものを発見した


「これは……炭……か?」


 カルメンは手の上に黒く焦げたような何かを乗せて、それを観察していた。

 すると《鑑定》を発動していたグレイがあることに気づいた。


「……これ、魔物の!」

「何!?」

「この……炭が……?!」

(凍らされてるなら分かる……だが、炭になるほど燃やされているのはどういうことだ!?)

(……まさか)


 一行は本来雪山では起こり得ない筈の魔物の焼死という異例の事態に驚愕しながらも、その原因が【赤色の業火】であることを理解していた。


「……間違いない。ここは既に【赤色の業火】の領域だ……」

「……それにこいつだけじゃない……周囲に点在している黒い炭のようなものは全部元は、魔物だ!!」

「それに……」


 カルメンはグローリー火山内の迷宮に入るための入り口に着目した。

 そこは洞穴のような形状になっており、中は見渡す限りの暗闇に包まれていた。だが、その周辺には暗闇に隠されてはいるが、黒い塵のようなものが見えたのをカルメンは見逃さなかった。


「グレイ殿、あの入り口を《鑑定》で見てくれないか?」

「うん!《鑑定》!!」


 グレイの視界には、炭になったであろう魔物の痕跡と……中に入っていったであろう強大な魔力を感知した。

 そしてそれらが侵入した時間も《鑑定》で明らかになった。


「……私たち以外に誰か入ってる……!」

「やはりか……」

「まさか……【四天王】でしょうか……?」

「恐らくは、そうだろう」

(……鉢合わせになる可能性がある……か)


 それからジン達は既に中に入っていったであろう【四天王】と鉢合わせる前に【赤色の業火】との接触を図ることにした。


「正直……鉢合わせる可能性が高いが、四の五の言ってられない……だからこそ私たちが出来ることは、魔王軍に追いつくことだ」

「《鑑定》から見ても……10分前ぐらいに入っていったみたい……」

「もしかして……私たちの存在を認識されている可能性が……」

「それはある。だが、進むしかないのも事実」

(《黒騎士の武具》を《収納》しておくか……)


 一行は各々の武具の準備を整えながら、辺り一面が氷漬けにされている火山内部に突入した。



◆◆◆


「……ん」

「どうなさいました?『エレ』様」


 エレと呼ばれた服に無数の紋章が刻まれたメダルを付けたその少女らしき存在は、ふと立ち止まり後方を振り向いた。

 その様子を不審に思ったのか、胸に騎士のような模様を付けた鎧を着た存在が声を掛けた。


「……たぶん私たちの後に誰か来た」

「……【色付き】でしょうか」

「……多分そう」


 そしてエレは少しの間後ろを見ていたが、やがて前を向きなおし歩みを進めていた。

 騎士らしき存在も彼女に続いた


「お気をつけくだされ奴らは【大喰らいのイーツ】を倒した手練れです……もし何かあれば……」

「……うん。その時は私も本気を出す」


「流石はわが主……【紋章卿 エレ】様……!」


【紋章卿 エレ】……一見グレイと同年代の少女のように見える彼女こそ【四天王】の一人で、その無数に保有している紋章からは並々ならぬ魔力を感じられる。

 そしてその騎士は、彼女の《紋章魔法(エムブレムマジック)》という《召喚》と《使役》そして《固形化》を組み合わせたスキルで召喚された被造物であった。


「……早く【赤色の業火】を探して抹殺しないと……」

「では、急ぎましょう」


 異様な魔力を放つ少女とそれに付き従う騎士はゆっくりと火山の最深部へと足を進めた

【紋章魔法】……物体のみならず魔法などをメダルに閉じ込めてそれを使役、魔法を扱うことが出来る。この際魔力は消費されず、メダルが壊されるまでその効果は持続する

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