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沈黙の黒騎士→ただ話すのが苦手なだけ  作者: @novel
第四章 赤き業火を消さんとする魔の手→そういや魔王ってどんな姿をしてるんだろ
34/100

*34 【氷の女王】と【赤色の業火】

閲覧ありがとうございます!


気が付いたら総合評価が150に行きそうなことに驚いています

これからも頑張るのでよろしくお願いします!

「寒いっ!!」

「寒い!!」

(いやほんとに寒いんだが!?……あ、徐々に『適応』で慣れてきた……)


 一行が馬車を走らせ、数日が経過したころ漸く雪国『シニアーク王国』の領地に到着した。

 だが彼らを待ち受けていたのは極寒の吹雪と寒さだった。彼らは馬車の中に居ても感じる極寒の寒さに身を震わせていた。


「これほどまで寒かったかな……?私は大丈夫だが……君たち三人は大丈夫か?」

「かなり寒いです……」

「モコモコ着てるのにさむーい!!」

(……カイロってどうやって作るんだったっけな?)


 アイリとグレイは普段の防具に重ねるように防寒着を着ているが、それでも堪えるほどの寒さが襲っていた。カルメンも若干震えている


「それにしても流石はジン殿だ!この寒さの中で何ともないとは!」

「ざ……ざずがでず……ジン゛ざま゛」

「アイリ大丈夫?『火の精霊』……ああッ!……火の精霊消えちゃった……」

(『適応』が無かったら死んでいた……というかアイリちゃんがやべぇ……!)



 ジンは『適応』により最初こそ寒さに震えていたものの、今となっては現地人もビックリな程に寒さへの耐性を獲得していたのだった。


 前世では暑さに弱く、寒さにも弱いジンだったが、『適応』のお蔭でどちらも平気になったという確信が彼にはあった。


「うん?……あれは……!」


 暫く歩き、カルメンは『シニアーク王国』の城門を目にし、三人に伝えた。三人(主にアイリ)の目が輝く


「や゛、や゛っ゛どでずが」

「アイリちゃんがもう限界を迎えている!」

「……一先ず宿の確保を優先するか」



◆◆◆


「旅の御方か!シニアーク王国に何用で参られた!」

「貴方方をシニアーク王国の勇敢な戦士と見受ける!私はセーラス王国軍総司令官のカルメン・ルビエラ・セーラスである!」

「セーラス国の!?……少々お待ちください!!」


 そう言って門番は連絡用の魔法を使い、誰かと会話をしていた。……しばらくしてから


「どうぞお通りください!国王陛下がお待ちです!!」

「感謝するぞ!」

「ざ……ざあ゛、い゛ぎま゛じょ゛う゛」

「……その前に温かい食べ物を貰えないか?」

「直ちにお届け致します!そのままゆっくりと馬車をお進みになられてください!」



――数分後


 コンコン

「お待たせ致しました!こちらをどうぞ!!」

「うむ!感謝する!まことに美味しそうだな」

「国王陛下からの伝言です『一先ず拠点となる宿を確保させた。そちらに荷物を置いたまえ』とのことでした!」

「ありがとう。下がって構わない」

「では!」


 馬車に運ばれてきたのは保温魔法が掛けられた野菜とステーキが入ったシチューだった。


「美味しそう……!」

「ふむ……昔と変わらないな」

「ほぁ……あったかい……」

(……よだれが出てきた)


 それから彼らは少し離れた宿につくまで料理を食べることにした。


「「「「いただきます!」」」」


「はぁ……美味しい……」

「シチューのクリーミーな味を絡めたステーキ……たまらない……」

「……私はここにきたら必ずこの料理を食べるのだが、やはり美味いな」

(めっちゃ美味いんだが!それに体の底からじんわりと熱がこみ上げてくる!)


 彼らが料理に舌鼓を打っていると、馬車が止まり目的地についたことを知らせるベルが鳴った。


「む……着いたようだ」

「ご飯美味しかった!」

「体の芯から温まってきます……」

(……また食いに行こうかな)


 それぞれ料理を堪能したところで一行は荷物を宿に下ろし、王城に向かって歩き始めた

(あ、ここら辺の魔物の肉をアイリちゃん達に食べさせて寒さの耐性を付けさせようかな……)


 ジンは一人で最近空気になりつつあった『魔物喰らい』の事を思い出して後で魔物を狩ろうと決意していた



◆◆◆


 ジン達は白銀に輝く王城についた後、すぐさま国王陛下に謁見することになった。カルメンはヴィクターから渡された手紙を手に持っていた。


 そして謁見の間に入った一行が目にしたのは


「寒い中……良く来てくださりましたね」

「ようこそ……シニアーク王国へ」

「私がシニアーク王国の国王である『ヴィティ・シニアーク』です」

「それで……貴方方が……」


 まるで白雪姫を思わせるかのような幸薄の美女が玉座にいた。白いドレスを身に纏い、氷の玉座に座り込む彼女からはまさに『氷の女王』という印象を感じざるを得なかった


 手に持った氷の結晶を象った錫杖が彼女の印象を更に決定づけるものになっていた


「はっ!私は、セーラス王国軍総司令官のカルメン・ルビエラ・セーラスであります!」

「私はアイリ・ハイルロッテです。こちらはタチバナ ジンです!」

「私はグレイ!」

「あらあら、可愛らしいお嬢さんなこと……」


「それで……ヴィクター様からの手紙があるとのことでしたけど……?」

「はっ!こちらになります!」

「まぁ、ありがとう。早速読ませていただきますね」


 ヴィティがヴィクターからの手紙を読み終えると


「…………成程、分かりました」

「貴方達が……【緑色の樹海】と【黒色の武装】のカルメン様とジン様で間違い無いようですね」

「はい!」

「ヴィクター様から自分に代わって【赤色の業火】探索を手伝って欲しいと書かれておりました……」

「……勿論協力させていただきます」

「!……そうですか!!」


 それからヴィティは、王国の現状を話し、そして【赤色の業火】の話に移った。


「ヴィクター様の言う通り、確かにこの王国の近くの【グローリー火山】に【赤色の業火】の継承者様がいます」


 ヴィティは【グローリー火山】について少し触れた


「【グローリー火山】は……その名が示す通り元は火山でした」

「火山の地熱によって私達は様々な恩恵を得ていたのでした」


「しかし、ここ最近になってから急に【グローリー火山】周辺に大勢の魔物が押し寄せることが多発しているのです」

「まさか……!」

「はい……恐らくですが、あの魔物の中に【四天王】がいる可能性があります」


「し……四天王……!」

「私達が倒した奴の仲間!」

(火山に……既に迫ってきているのか!)


「魔物が攻め込んできたのを皮切りに、火山活動がぴたりと止まってしまったのです」

「あの山には【赤色の業火】の継承者様がいるのですが、あの方が敗北するとは思えないのですが、心配で……」

「そうなのですか……」

「……というのもその【赤色の業火】の継承者様は……私の腹違いのお兄さまなのです」


「「「えええええぇええええ!?」」」(まさかの身内?!)


 ヴィティから告げられた内容に驚愕を隠せないジン達の叫びが城内に響き渡った


「お兄様が【赤色の業火】の継承者に選ばれたのは、私が五歳で、お兄様が七歳の時の事でした」

「今でも覚えております……お兄様が村に襲い掛かってきた魔物を残らず焼き尽したことを、そして……来るべき時が来るまで山に封印されると告げ、私達の前から去っていったことも……」


「それは……何とも……お辛い経験を……」

「……ですが、今日この日が来ました」


 ヴィティはゆっくりと顔をあげながらジン達を見た。


「お兄様が申していた『来たるべき時』が遂に、来ました」

「【緑色の樹海】【黒色の武装】……貴方達にお願いがあります……」

「どうか……どうかお兄様を……私に会わせてください……!」


「勿論です!必ずや【赤色の業火】の継承者殿を連れてまいります!!」

(……兄妹を再会させるとしますかね……!)


 ヴィティは嬉しそうに笑顔を浮かべた


「あ、あと勝手に村を出ていった罰として一発殴ってきてください」

「わかり……え?」

「え?」

「うん?」

(……?)

「へ……陛下?」


 そう言い放ったヴィティの表情はどこか氷のように冷たい冷気を帯びていた

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