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沈黙の黒騎士→ただ話すのが苦手なだけ  作者: @novel
第二章 迫りくる脅威→そしてそれに気づかない黒騎士
16/100

*16 【黒色の武装】の真価とは

「それで……君たちがここに来た理由はオデに会う為だっけ?」


 ひと段落ついて預けていた装備を受け取った後一行はヘファイトスから本来の目的について尋ねられた。

 一行は本来の目的であるダンジョンの変異の原因についてヘファイトスに質問したのである。


「うーん、そもそもこの迷宮が変わるのは、あいつらの侵攻を防ぐためだしな~」


「あいつら……とは?」


 アイリが尋ねる。どうもこの迷宮が絶えず変化する理由があるようだった。


「魔王たちだよ」

「「!!」」(やっぱりな……)


 ヘファイトスから語れた内容は次の通りだった。


 まず、自分は元は魔王側にいたこと。そして魔王の傲慢な振舞いにうんざりしていたので魔王に反逆をしようと立ち上がった英雄たちに【色付き】の武具を授けたことが語られた。


 しかし魔王軍にいたころにも鍛冶師として右に出る者はいないとされるほどの腕前であったため人類側についてからも度々その危険性から何度も刺客を向けられることがあったとのこと。

 とはいえ刺客たちは当時の王国や英雄たちに阻止されてきたが、時がたち嘗ての英雄たちも居なくなってからも幾たびか魔王軍から命を狙われたという。


 このままではいずれ来るであろう【色付き】の後継者たちの助けになれないと悟ったヘファイトスは自らを封印するための迷宮を作ることにしたのだ。


 しかしただの迷宮では、それこそ時間を掛ければ自分が見つけられてしまい今度こそ殺される……そう考えたヘファイトスは構造がまるっきり変わるように迷宮を造ったという。


「まぁ~そういう訳で、この迷宮を造ったんだな」

「そうなんですか……でもどうしましょう……私達……」


 アイリは依頼人からこの迷宮の解決が条件だとされていることを思い出していた。

 それをみたヘファイトスは、何やら手紙を書き始めた


「ちょっと、待ってな~」


 そしてしばらくして書き終えたヘファイトスがジンに手紙を渡した。どうやらある人物に向けた手紙のようだが……


「これ見せれば多分納得してくれると思うよ~」


 それからヘファイトスはとある箇所に指を向けた。その場所からは白い光が立ち上っていた。


「あの場所から入り口に戻れるからね~あ、あとこれも」


 そういってヘファイトスはジンたちにある物を渡した。

 如何やらそれは小さな石のようだが……そう思っていたジンたちだが、突然石が光ったかと思うと手の中から消えていたのだった。


「あ、あれ!?石が!!?」

「どこにいったの……?」

(確かに握ってたのに……)

「お前さんたちのプレートを見てみるんだな~」


 そういってジンたちは各々のステータスプレートを確認してみるとスキルの欄に【工房への転移】という項目が追加されていた。ヘファイトスの説明によるとそのスキルを発動させればいつでもここに来れるのだそう。


 さらにヘファイトスはジンにあるスキルを同時に授けていた。

 そこには《黒い工房》と書かれていた。ジンがその説明文に目を通す


 《黒い工房》:《黒騎士の武具》の制約である《ただし一度に同じ武器種を2つ以上製造できない》を無視して同時に同じ武器を2種類以上制作できるようになる。……ただし《黒騎士の魂》が解除された場合本スキルも解除される。


 明らかな戦力の増強にジンも含めてアイリやグレイも喜んだ。そしてヘファイトスが続ける


「そのスキルとあと1つのスキルを持って【黒色の武装】の真価が発揮されるんだなぁ」

「まだ強くなるんですか!?」

「うん、まだ残っているのが……え~っと、確か、《色の融合(フュージョン・カラー)》だったかな……?」


 思い出すようにヘファイトスがスキルについて説明していく、何でも【黒色の武装】の真価は他の【色付き】との融合にあるらしい。


 かつての【黒色の武装】が魔王に絶大なダメージを与えたのもその真価があってこその物だそう


「オデは、外の様子がどうなっているのか分からないけど……多分幾つかの【色付き】はセーラス国にあるんじゃないかな~?」

「セーラス国って……この前の依頼書にあった……」

「あのへんたいさんのいる国?」

(マジかよ……)


 ヘファイトスの口から語られたのは、以前自分たちが依頼を受けた相手であった国であったのだ。


 ジンはこの鎧はまだ先があることを知ってワクワクすると同時にあまり印象が良くないあの第二王子と再び会わなければならない現実に兜の下ではあるが露骨に顔をしかめた。


(はぁ~?あんな野郎のいる国に行かなきゃいけないのかよ……勘弁してくださいよ……)


 ジンが軽く絶望しながらも一行は例の白い光の下へ足を運ばせた。


「じゃあ~またね~」


「ありがとうございました!ヘファイストスさん!!」


「ばいばーい」


(……辛み)


 光に包まれると一行は気づくと迷宮の入り口に立っていた。そのすぐそばであの老人が驚いていた。


「ぼ……冒険者様、一体いつの間に……!?」

「あ……実は」


 アイリはこれまでの経緯を老人に話した。老人はどこか感銘を受けるように話を聞いていた。


「そうでしたか……この迷宮の奥地にあのお方が……」

「はい、そしてこれが渡された手紙です。」

「おお、これが……」


 そういって老人は手紙を受け取り宛名を確認した。……老人の目から涙が流れ始めた


「ど、どうしたのですか……?」

「お、おぉ……これは……!間違いない……!儂の祖父に宛てた物じゃあ……」

「えっ!?」

「間違いない……この宛名は儂の祖父の名前……やはりあのお方と親睦があったというのは本当だった……!」


 それから老人は語った。かつて自分の祖父がこの迷宮に足を運び、そこでヘファイトスと交流したと自慢げに語っていたことを。

 だが当時まさかあの迷宮に神話の英雄がいるとは思わなかった周りの人物たちは、祖父が幻覚を見たんだろうとしてまともに話を聞かなかったという。


……それが悔しくて幼き日の彼は、迷宮に赴くがそこで魔物に殺されかけるが、駆けつけた祖父によって助けられたことも語った。


 そして老人は告げる。この手紙こそヘファイストス様が祖父に宛てた物であることをそしてその内容は、この迷宮の性質と魔物が外に出ることはないということそして、自分の置かれている状況を綴ってあったという。


「儂はこの手紙のことを村人たちに伝え、これからどうするべきか考えていきたいと思います」

「冒険者さん、この度はありがとうございました」

「い、いいえ……こちらこそ……」


 その後ジンたちは老人から報酬金6000ポイントを貰い、その内の1000ポイントで【契約】を完了した。


「やっとですね……ジン様……」

(そうだね……アイリちゃん……)

「?」


 漸く彼らの屋敷が正式に自分たちの物になったことにジンとアイリは感銘を受けていた

 その顔はどこか澄み渡っていたという……

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