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世界とセカイ  作者: 少年A
2/2

第二節

第2節 お帰り


ふと、起きるとそこは真っ暗な天井

いや、少し明るいそれといい匂いがする

『ふぁ~』とあくびをしがら体を起こす

光の指す方向を見るとそこからは香ばしい匂いと

少しばかり聞こえる声


『ねぇ!ねぇ!見てこれ新しい服買ったの!』

『可愛い服じゃないか!こんな物一体どこで買ってきたんだ?』


少し空いたドアから聞こえるのは楽しそうな子供の声と男性の声

寝かされたソファーから立ち上がり数分少しぼ~としながら

ドアを開けた


『それでね!それでね!やっちゃんがね...あ』

『うん?』


二人ともこちらに気づき会話をやめ振り向く


『えぇ..と おはようございます。吉田さんそれと...』


吉田さん

本名は吉田和也

ここ『あまど』の主であり管理人の一人

と...この子は?


『君か、おはようそれとお帰りなさい』

『はい、ただいまもどりました。あのその子は?』


前はいなかったですよね?と聞くと


『そうか、師走が来たときはもう君は向こうにいたのか

ほら挨拶しなさい師走』


吉田さんがそういうと立ったままの師走がこちらを向き笑顔で


『こんにちは 師走です!お兄さんのことは先生や兄さまたちから聞いてます。長旅ご苦労様です

ぜひあまど屋で疲れをいやしてください。』



なんていい子だろう上の兄弟とは大違いだ

師走 和風月明で12月を意味する


『吉田さん師走ってつまり』

『あぁそうだ12人目だよ君がまだ居たころは文月が小さいころだね、そのうち他のことも会えるはずだよ』


そっかもうそんなに...


『さ、ちょうどご飯が出来たところだよ冷めないうちに食べよう』


吉田さんに言われお腹が空いてきた


『師走 彼を食事場まで案内してあげなさい』

『そのぐらい覚えてますよ流石に』

『君がいたころとは少し中が違うんだ多分今行ったら迷うだろうからね』


中が違う?

内装ではなく中が?


『はーい先生!行きましょお兄さんこっちこっち』


考える間もなく師走に引っ張られる


『あ、ちょっとまって師走ちゃん』


案内といってもこの家も一般の一軒家2個分程度だ迷うことのほうが無理というもの

そんな考えはキッチンを向けた瞬間に吹き飛んだ


『ou....』


そこは以前知ってた廊下や階段は一切なくそこにはただの野原があった

野原といっても風は無いし原っぱ特有の臭いもしない

気になって草を触ると


『本物だ』


そう確かに触った感触があるし偽物特有の硬さも感じない

千切ってみると緑の液まで出てきた

でも臭いなどは一切ない

そんなことを考えていると


『お兄さん食事前に手を汚さないでくださいよ』

『あぁ..すまないちょっと頭が追い付かなくて』

『そっかお兄さんは葉月姉さんの事知らないからしょうがないか』

『葉月って8人目の?』

『うん!葉月姉さんはすごいんだよ!ちょっと先生が考えたらすぐここを作っちゃったんだから』

『へぇ~それはすごいね是非早めに会いたいね』

『うん!そのうち会う機会もあるよ!』


そんなこんなで話しながら歩いてると


『まって!』


突然師走が呼び止める


『扉はこっちだよ』

『こっち?そっちにも草むらしかないよ』

『ううん、見えてないでここに扉があるんだよ』


そういうと師走が鍵を取り出した

それを草しかない空間に鍵を伸ばし


カチッ


何かがはまる音?

その瞬間そこにはドアがあった


『行こ、こっち』

『あ、あぁ』


ここに来てから驚いてばっかだ


ドアに入るとそこには和風の廊下があった先のキッチンは現代風のフローリングだったが

ここは木造ださっきから色々な場所を歩いてまるで


『遊園地に来たみたいだ テンション上がるな~』

『ん?お兄さん何か言った?』


おっと危ないうっかり気持ちが声に出てしまったようだ気よつけよう


『なんでもないよ』

『ふーんそう』

『そんなことよりここは凄いねさっきの所といいこれも葉月さんが?』

『ううん、これは違うここは去年廊下をリホームしただけだよ』

『そうなんだ』

『あんな場所はあそこだけだよ!あんまり来れない場所だから今日来たのにお兄さん珍しいね!』

『?あそこはいつも野原じゃないの?』

『違うよ本来はキッチンをだたら廊下があるはずなんだけどたまにあの空間と繋がっちゃうの』

『だから吉田さんは迷うって言ったのか』


確かに納得だあんな空間に一人叩き込まれたら一生かけても出れそうにない

多分ここの住人は出るためのカギがあり扉の場所を把握しているのだろ


『ついたよここでみんないつもご飯を一緒に食べるんだ』

『良かったここは前とは変わってないんだね』

『それじゃお兄さんは手を洗って座って待っててね』


そう言われて手を洗って座る。

何か手伝おうかと思ったが今一人で動くと迷って手間を掛けるかもしれない


『あれ?帰って来たのか?久々じゃないか』


後ろから聞き覚えのある声

後ろを振り向くと


『皐月?』

『ああ!そうだとも!君の親友さ!』

『あぁ久しぶりだね 相変わらず元気だね、数年あってないから少しは変わってると思ったけど』

『残念ながら俺達は先生がいる限り変わることはほぼないからな』

『そうなのか?それは初耳だ、でもまだ僕がここに居たころ君は身長も伸びてただろ?』

『そう一定の所までは成長できるけど自分の体の全盛期を超えるとこあたりで固定されるんだ』


なんて..羨ましい


とはならないか、自分も数年不老不死を味わった身だからわかる

あれに終わりはないただただ続く退屈な日々変わらない環境

最初は楽しかったんだけどね..


『そうか大変だなそっちも』

『そうでもないさ兄弟たちもいるし君がいたとこみたいに環境が変わらない訳じゃないからね

それに長く生きれれば楽しいこともあるだろうしね』

『相変わらず楽観的なんだね皐月は』

『そうでもなきゃやっていけないからね』


そこだけは見習いと思えるな相変わらず





そんなこんなで10分近く話していると




『あづぃ~ さつき~お水ちょうだ~い』

『ほら!如月姉さんもう少しで夕食だから少し歩いてください。みっともないですよ』

『如月姉さんそろそろ重いから肩かすのやめていいですか』

『皐月兄さんはこれのことを察して一人で帰ったんですね』 


廊下から何人かの声がしてそのままその声はこちらに向かってきた


『お、やっと帰って来たのか』


皐月が少し呆れるように言う


『皐月兄さんこちらにいたんですか。それと...』

『さづきぃ~お水..あ』

『二人して入口で止まらないでくださいよ、あら』

『まさか、帰って来たのかい!』


皆こちらを見ながら少しの間硬直

声を出したのは水無月だった


『久々だね、帰ってくるなら先生も教えてくれればよかったのに』

『あぁ、ただいま君を大きくなったね水無月』

『もちろんだとも君や皐月とも肩を並べるぐらいにはね』


前は小学生ぐらいだったのにもう僕や皐月と同じくらいか

なんか感動するものがある


『はい、如月姉さん水、もっとコマめ飲みなよ』

『いやぁ、自動販売機がここまでないとは思わなかったよははは』

『そんなんだから姉さんは毎回死にかけて帰ってくる事になるんです。 

それとお帰りなさいもうすぐ食事でしょからその時に色々話しましょう』

『はい、卯月姉さんただいま戻りました。それと如月さんも』

『もう相変わらず卯月のことは姉さん呼ばわりする癖に私のことはただの如月なんだね~君は』

『まぁ、僕は兄弟ではないですけど昔卯月姉さんには色々教えてもらえましたからね』


そんな事を話していると


『おや、帰ってきてたんだねみんな』

『やぁ先生言われた所見てきたけど何もなかったよ』


何かの結果を聞くと吉田は考えるようにして


『そうですか...わかりましたまずはご飯でも食べましょう』

『先生いいのかい?』

『ええ別に急ぎのようではないですからな念のためです』

『そうかそれなら別にいいんだが』


吉田と水無月が話していると


『できましたよー!』


廊下から師走の声がした


『行こぜ師走だけだと持ってくるのに大変そうだ』


そういって皐月と一緒に師走の手伝いをした

各自自分の席に座り飲み物を取ると吉田が


『では改めてお帰り、そしてまたよろしく頼むよ』

『はい、またお世話になります。吉田さん』


吉田の挨拶で僕の歓迎会は始まった


『いや~まさか今日帰ってくるとは思わなかったよ』

『え?知らなかったのか』

『当たり前じゃんか。俺どころか他のみんなも知らなかったんじゃないか?』

『ええ帰ってくるなら先生前日には教えてもらいますか?こちらにも準備があったのに』


少し呆れたように卯月が言うと


『すまないね本来もう少し先になるはずだったんだよ』


そうなのか?それも初耳だ


『まぁいいじゃない先ずに長月の紹介じゃない?師走には会ってるみたいだしね』

『そうですね、長月です。文月兄さんにあなたのことはよく聞いています。』


ほう、文月にか、いま何してんのかな...

そうだ考えてみれば他にも

睦月 弥生 葉月 神無月 霜月


『他の皆はいまどこに?』

『今は昔と違って一人暮らし物が多いいからねカンナや霜月は学校の寮に住んでいる。

近いうちに夏休みで帰ってくるだろうからその時に会うといい』


寮か少し羨ましいな


『でも一度お兄さんは学校に転入届出しに行くんじゃないんですか?』

『あぁそうかならその時に』

『いや、手続きはあらかじめしておいたから学校は夏休み後になるだろうね』

『ならその時は私が学校案内しますね!』

『いや師走お前は学年違うだろ』


皐月がツッコムように言う


そいえば学年て僕はどこになるんだ?

昔は中学生だったが5年間止まってたから精神年齢は19歳ぐらいだ

でも見た目は中学生だし

まさか自分がコ〇ンみたいな状況になるなんて


『えぇ!でも学校は一緒じゃん!』

『普通は別の学区に入っちゃいけないんだよ』

『でもいつも長月兄さんや水無月姉さんだって入ってるじゃん!』

『あれは生徒会の仕事の一環だ』


皐月と師走が楽しそうに会話している

まさに兄弟だな。


『吉田さん』

『ん?どうしたんだい?』

『僕って学年どうなるんでしょうか?』

『君は高校1年生ってことになっているよ。

まぁ中学生でも良かったんだが皐月や水無月がいるところのほうが君も楽だろう』


そうか高校生か、向うではなれなかったから少し嬉しい


数秒考えてる僕を見て芳田さんが


『中等部のほうがよかったかな?』

『いや、もう中学生は人より長く過ごしてるつもりなので...』

『そうかならよかった』


そのまま会話は続き食事も終わった

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