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世界とセカイ  作者: 少年A
1/2

20の世界と20のセカイ

セカイの王座はただ一つ、

冠の色はただ一つ、

世界のルールはただ一つ

20の世界が彩って

貴方をセカイが待っている。


さぁ、貴方の物語(セカイ)を始めましょう




第1節

新しい生活




夏、猛暑真っ最中の朝

行きたくもない学校に行き手続きをする

汗をかきながら電車に乗り、駅から徒歩10分歩いたら着く

午前9時、夏休み中の学校にいる人など

部活や補習の生徒か一部の先生のみである

だが、決して補習はないし、部活など元々やっていない、

ここに来た理由は転校の手続きだ


『では、お願いします』


1年と半年お世話になった担任に頭を下げる。担任は心配そうな顔で


『次の学校でも頑張ってください』


と、自分の事のように心配な顔をしていた。私はと言うと少しにこやかな表情で、『はい』と答えその場を後にした。


部活に出ていた学校の友達に挨拶などをして別れた、時間は午前をすぎ午後1時になるところだ、学校ではまだ生徒が頑張って部活動をしてる所だ怪我や疲れなど一切感じさせない、彼らに疲れ、なんて言葉はない


そんな時彼らを遠くから見ながら考える

引っ越しの荷物は持ってるしこのまま向こうに行くのも良いが、まだ時間が悪い、駅も近いので昼飯でも取って時間を潰そう 


 そう思ってると少し先のベンチに変なものが見えた、

変なものと言ってもこっちでは変なだけで別のとこでは、そんな珍しい光景でもない、ただ盲目の少女が座っているだけだ

こちらには気づかずただ座っている。まるで誰かを待っているように

見た目は10代の前半にも見える幼さ

服は古いセーラー服


あぁ、もう来てたんだ..

少女に近づき話かける


『やぁ、もう来てくれたんだね』


軽く挨拶をすると、少しビクッとしながら返してきた


『え、あ 君か久々に声を聞いたからわからなかった』


少女は目が見えないが決して耳が凄く良いと言うわけでもない、 


『そうだね、こうやって会うのも久しぶりな気がするよ、あれから何年も経ってる気がする。』


まるで昔を思い出すかのように喋る自分とは裏腹に彼女は


『君は変わってないんだね声も姿も前のままだ』


とそっけない態度で返す。

よく言う 声を聞くまで忘れてた癖に

はぁ、とため息をつき


『ここの人は私を見る目が痛いね、君を待っている間ここを通った人には凄く凝視されたよ』

『しょうがないよここの人達は君のその目をコスプレとか思ってるよ』

『やだねぇ、これだからこっちに来るのは嫌だったんだ』

君のせいだ、と言われてる気がするのは気のせいだろうか

『ごめんね、でもありがとうこうしてきてくれて美香』


美香 彼女の名前

本名かはわからない、長い事生きてる彼女は相手や時で名前を変えてるらしい


『仕事のついでだよ仕事、後は君との約束があるからね、それに私以外は今どこに居るかわからないから仕方なくさ』


仕事?彼女は無職だ、あっても学生だ


『え?仕事?』

『私だってただ君を迎えに来るわけがないだろ、こっちに来る分の料金で君との約束代は使い果たしたよ、仕方なくこっちの子供達に生き方を教えて上げたのさ、そのついでだ』


得意げに話しているが、一体何を教えたのか ここの人たちが心配だ..

助かる人達も居るがここの人達にそんなのいるのか?

まぁ良い他人を心配してもしょうがない

話しを切り変える様に話した


『そんな事よりまだ約束の時間より早いんじゃないか?』

『あぁ、それはそうだけど私もこんな目だ道を選んで歩くからね時間がかかる』

『連絡してくれれば迎えにだって行ったのに』

『連絡?手紙で迎えに来て!と書いて送るのか?いちいち』 


何言ってるんだと、面倒くさそうに言った


『いや、スマホがあるだろ』

『スマホ?あぁ縦長のパカパカするやつかあんなの買っても見えないんじぁ使えないよ』


(それはガラケーだ)


『相変わらず時代が遅れてるね美香は、それに君が一人で来るわけないだろ』 


基本彼女は誰かがついてる目が見えないが生活の方はいつも担当の者が寄り添っている


『いや、今回の移動に連れてくつもりだったが何故か弾かれたよ、危うく車に引かれて死ぬとこだった』

『弾かれる?』


つい反射的に聞き返してしまった


『うん、弾かれたというより返されたか消された、空港で刃物を持っていたらそれだけ没収された感じだね。基本こんな状態になる事は無い』


色々回っている彼女が言うんだ相当のレアケースなんだろ


『だが、私たちには関係の無い話さ

こうして君との出会えたんだ、話してたら時間もちょうど良い。さぁ帰ろう私たちの世界に』


帰る、こっちからあっちへ

本当に大丈夫だろか、自分だけこっちに残されたりされないだろか


『あぁ、でもまだ日は落ちてないから喫茶店で時間でも潰そう』

『ん?もう日は落ちてるんじゃないのか?』


美香は目が見えないから代わりに肌の温度で時間を把握してるらしい 


『ここは建物のすぐそばだ時間がたってビルに隠れただけだよ』


そう言うと納得した様に彼女は言った


『あぁ道理で夜なのに人の出入りが多いと思った』


そんな事を言いながら彼女は手を出して来た『エスコート頼んだよ』


優しく手を取り近くの喫茶店まで行く

そのまま話しながら時間を潰し夜になるのを待った

そして世界は夜になる


夜綺麗な月が川に反射され

夜の音色をコウロギ達が奏でる


川沿いに来て二人手を繋いだまま

移動にしてると


『ここにしよう出来れば家に戻ってからが良いがここでもなんとか帰れそうだ』


本来であれば来たときと同じように家に帰ってから帰りたいがここでもできるらしい少し不安だ・・

来た時みたいに何かしらのトラブルが無いといいが

こっちも早めに帰りたいので反対はしないが


『いいのか?こんな何もない川沿いで』

『逆に何もないほうがいい、自然のものであればこちらに干渉することもないだろう』


だそうだ

まぁ。自信があるならいいか


『じゃ、始めようか少し目を借りるよ』


美香はそう言ってこっちに手をあてて顔のとこまで伸ばすと

唐突にこっちの視界が奪われる。目を開けているのに感覚はあるのに肝心の視界が真っ暗だ

経験が無かったら突然でパニックを起こすとこだろう、初めてのときは不安で足の震えが止まらなかった


『へぇ、ここはとても綺麗だね』


けして彼女の目が見えるようになったわけではない

今彼女が見てる景色はこっちの視力を覗き見してるに過ぎない、簡単に言うとコンピューターのハッキングみたいなことだシステムに侵入しデータを破壊するのではなく、相手の感覚を乗っ取るみたいなものだ

移動にはどうしてもい目が必要だが美香は昔に視力を失ってから人の目を返してしか移動ができなくなっている


『どう、できそう?』

『あぁ、ここなら誰かを巻き込むこともないだろう』


始まる

あれが


『セカイの所有者が一人 過去の女王が命ずる』


あぁ変わる


世界が


『変われ』


その一言が発せられてから視界が戻った

そして包まれるように意識が落ちた


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