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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第1部 輝く月】3章 あたしの救世主さま。

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61話 異変。

 たくさんの魔力照明でまぶしいくらいに照らされた犯罪組織【はき違えた自由(ノーアウトフリー)】の本拠地の倉庫の中。


『『『ピィィィィィッ!?』』』


 僕が爆発させた50人分の魔力の前に結合を維持できず、ふたたびバラバラになった100体以上の黒色粘体(ブラックスライム)たちが倉庫の中のあちこちへと雨となって降りそそいでいく。


 ……よし!


「さあ! これで切り札も破った! ゲスリー! 今度こそあなたは終わりだ! もうおとなしくしなよ!」


 床の上に着地すると同時、鞘を失った抜き身の黒刀を僕は二度めの降伏勧告とともにゲスリーへとまっすぐに突きつける。


 だが、ゲスリーはその蛙魔物のような顔をニイイッと醜悪にゆがませるだけだった。


「ゲハハハハハァッ! 破ったぁ? お前こそいったいなんのことをいっている!」


 ……え?



『ピィッ!』 『ピピィッ!』 『ピィッ! ピィッ!』


 ゲスリーに問い返す前に、その異変にはすぐに気づいた。


 バラバラになった黒色粘体(ブラックスライム)たちがふたたびいっせいに結びつき始めたのだ。それも近くの個体だけではなく、遠く離れた個体まで地面を這って。


 あ、ありえない……!? 確かに粘体(スライム)系の魔物は近くの個体を吸収して際限なく大きくなる性質を持つ……!


 でも、一度バラバラにされて、あれだけ遠くに離れた個体同士が結びつくなんて、絶対にありえない……!


 もし粘体(スライム)がそんな性質を持っているなら、この世界は【巨大(ギガント)】や【超大(ヒュージ)】級の粘体(スライム)であふれかえってしまっているはずだ……!


 じゃあ、じゃあなんで……!?


 そのとき。僕の脳裏に不意にゲスリーの言葉がよみがえった。


『さあ! 俺の可愛い下僕(こども)たちよ! 混ざれ! そして、溶かせぇ!』


 ……溶かす? なにを? 粘体(スライム)たちの体内に最初からなにか入っていた? なにが? 個体? 液体――!?


 液体。その答えにたどり着いたとき、僕は思わず叫んでいた。 


「まさか!? まさか、魔薬!?」


「ゲハハハハハァッ! いまごろ気づいたかぁ! そのとおりよぉ! この俺の可愛い下僕(こども)たちはな! 【移動する保管庫】でもあったのだ! しょせん人間などクズ! 到底信用できんからなぁ! 大事な商売道具、こうして下僕(こども)たちの体内に入れて、いつでも持ちだせるようにしてあったのだぁ!」


 ……聞いたことがあった。犯罪組織や貴族の表ざたにできない裏の財産。


 そういったものを入れる【移動する保管庫】として粘体(スライム)が重宝されることがあると。その中でも中身の見えにくい黒色粘体(ブラックスライム)が特に。


 そして、そのためだけにゲスリーのような魔物使い(モンスターテイマー)を雇い入れることがあると……!


「そして! ほんの思いつきだったがなぁ! 見ろぉ! すっかりと魔薬漬けになった俺の可愛い下僕(こども)たちを! 失った体内の魔薬成分を求めて結びつくさまを! ゲハハハハハァッ! 想像以上の成果だぁ! 見ろ! これで俺の下僕(こども)たちは無敵に近い再生力を手に入れたのだぁ!」


 ……確かに驚くべき成果だった。そして、まずい……!


 あのペースで結合すると、またすぐにさっきのような【超大(ヒュージ)】級の巨体に戻ってしまう。さっきの僕の一撃で完全に消滅した個体もあるけど、それでもいまだ十分な脅威となる数がそろっている。


 そもそも僕やロココの戦闘スタイルとは粘体(スライム)は相性が悪すぎる。


 こういう魔物は、僕やロココのような点の攻撃じゃなくて、もっと広域を消滅させることのできる魔法使いのような――


「ぎゃあああああっ!?」


「や、やめろ!?」


「ゲ、ゲスリーさん!? た、助けっ!?」


『『『ピィィィィィッ!』』』


 ――さらなる異変が僕の思考をいやおうなしに中断する。


 黒色粘体(ブラックスライム) たちの群れにいままさに飲みこまれようとする【はき違えた自由(ノーアウトフリー)】の男たちの叫び声によって。

お読みいただきありがとうございます。すでにブクマ、評価などいただきました方、深く感謝申し上げます。おかげさまでふたたび日刊ランキングに2日連続でのることができました! 


新しくお読みの方、ぜひ応援のほどよろしくお願いいたします!


そのお礼として、作者は精いっぱい更新をがんばっていきますので!



※というわけで、ここからがボス戦本番となります。盛り上げていきますのでよろしくお願いいたします!

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