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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第1部 輝く月】2章 初めての仲間と。 

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39話 服飾店【戦乙女】。

「いらっしゃいませ。駆け出しからドラゴン討伐者まで、女性冒険者御用達の服飾店【戦乙女】へようこそ」


 実用的でかつデザイン性にも優れた女性冒険者用の服が立ち並ぶ店内。入って早々、僕たちにかけられたのはそんな声だった。


 黒髪をポニーテールに結い上げた、品のある格好をした長身の女性。ただその眼鏡の奥の眼光はきらりと鋭い。


 一目でわかった。ただものじゃない。そう。それこそドラゴンを討伐していてもおかしくないような、そんな雰囲気を感じさせた。


 ただ立ちかたにどことなく違和感があるから、おそらくは足になんらかの後遺症を抱えているんだと思う。


 あまり多くはないけれど、長時間回復を受けられない状況にあるとそういったことは十分に起こりえる。


 つまり、おそらくこの女性ひとは引退冒険者だろう。それも凄腕の。


「わたくしは店長のサーシィ。以後お見知りおきを」


 深々と頭を下げられ、丁寧にあいさつをされる。つられてこっちも頭を下げた。


「あっ。僕はノエル。ノエル・レイスです。冒険者ギルドの受付のフェアさんの紹介で、今日はこっちのロココの――」


「はい。では、少々お待ちください」


「――え?」


 僕にみなまでいわせずにもう一度深々と頭を下げると、サーシィさんはきびすを返し、すたすたと店の奥へと戻っていく。


 え? ど、どういうこと? ……放置? なんで?


「ノエル?」


 あっけにとられていた僕は、となりのロココに青い月のような瞳で見上げられ、我に返った。


「ちょ、ちょっと待ってて!? ロココ! いま僕がもう一回サーシィさんに話に――」


「お待たせしました」


「――うわっ!?」


 脈絡なく背中からかけられた声に本気でビクッとして、僕はあわてて振り向いた。


 き、気が抜けてたとはいえ、こんなにあっさり僕の不意をつくなんて……!?


 当然そこにいたのは店長のサーシィさんだ。振り向いたときにはすでに抱えていた何着かのハンガーにかけられた服を手際よく壁に引っかけ広げていくところだった。


 そして最後まで抱えていた一着をロココに向かって差しだしながら、艶やかに塗られた赤い唇を開く。


「呪文使い(カースメーカー)のロココさま。勝手ながら何着か実用的な上着を見繕わせていただきました。黒、赤、青、黄、ピンクなど何色か用意させていただきましたが、やはりロココさまの褐色の肌にもっとも映えるのは――こちらでしょうか?」


「わぁっ……!」


 差し出された上着を自分の手で広げたロココの口から感嘆の息が漏れる。


 それは、純白のケープマント。それも七色に光る刺繍と裾の部分には同じく七色の魔石が何粒かつり下げられた、目の醒めるような逸品だった。


 一目でわかった。ただものじゃない。あとたぶん高い……!?

 

「暗殺者のノエルさま? どうでしょう? ロココさまはたいそうお気に召したようにお見受けしますが?」


「そ、そうですね……って、え!?」


 ちょっと待って……!? そもそも僕、まだなにも――僕とロココのクラスも、なにを買いに来たのかだってひと言もいってないのに、なんで……!?


「そんなに驚かれるようなことでしょうか? わたくし、冒険者時代から察しはいいほうでしたので」 


 驚がくに目を見開く僕の前で、サーシィさんは心底不思議そうな顔で、きょとんと首を傾げた。

お読みいただきありがとうございます。


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