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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第1部 輝く月】1章 青い月の瞳。

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19話 出発。

「ブフォフォフォォォッ! 笑わせるっ! 忌むべき魔物と同じ、他の属性よりも圧倒的に劣等の【闇】属性のお前たちが【英雄】になるだとっ!? そんなことがありえてたまるかぁっ!」


  すっかり高くなった日の光が差しこむ【妖樹の森】の中の開けた広場。


 土と草と鼻水とよだれまみれになりながら、這いつくばったままずりずりと僕たちのほうを目指す【猟友会ハンターズ】のリーダー、ブッフォン。その血走った目が憎々しげに僕たちを見上げていた。


 傍らのロココの小さな体を抱きよせながら、僕ははっきりとした敵意をもって正面からその瞳をにらみ返す。


「ねえ、ブッフォン。さっきから劣等劣等ってうるさいけどさ。【大妖樹ギガントトレント】を倒したのは、僕とロココなんだけど、それはどう思ってるの?」


「ブフォッ……!? そ、それは……!」


 痛いところを突かれたのか、ブッフォンが言葉を詰まらせる。それにかまわず僕は続けた。


「僕たち【闇】属性は生まれながらの劣等なんかじゃない。それを必ず僕たちを見下すあなたたちにも、そしてこの世界にも思い知らせてあげるよ。誰も文句のつけようがない目に見える結果をもって」


「ブブフォォ……」


 決然と言い放つ僕の迫力に押されたのか、ブッフォンがさっきまでの勢いを失くして完全に押し黙った。


 ……もうそろそろいいだろう。


 最後にいいたいことをいって、僕はこの場を去ることに決める。


「最後にもう一度いっておくよ。【猟友会ハンターズ】。お前たちは僕とロココの、つまり【輝く月(ルミナス)】の敵だ。今後、正面から向かってくるなら徹底的にたたき潰す。だがもし汚い手を使ってくるつもりなら、いま以上の目に遭わせてやる。僕の一族の名前、【生霊レイス】の意味を身をもって教えてやるよ」


「ブ、ブ、ブフォォ……!」


「「「「ひぃぃぃぃっ!?」」」」


 威圧感をもって睨みつけながらの僕の警告に、ブッフォン以外の【猟友会ハンターズ】の面々が這いつくばったままで縮み上がった。


「ノエル……?」


「お待たせ、ロココ。それじゃあ街に帰ろう。急ぐから、しっかり僕につかまっててね?」


「う、うん……」


 これだけ脅しておけば十分だろう。僕は【猟友会ハンターズ】から視線を逸らし、寄り添うロココを腕に抱きかかえる。


 一瞬戸惑った様子を見せたロココだったが、おずおずと僕の首にその華奢な腕をまわしてくれた。



 ……その虐げられたもののみが放つにおいを肺腑に吸いこむ。


 僕はこのにおいを決して忘れない。それとともに感じたこの怒りを、悔しさを。


 そして、僕が大切にするんだ。ロココを。僕に一歩を踏みだす勇気をくれた、この青い月のような瞳を持つ少女を。


「じゃあ、行くよ! しっかりつかまってて! 舌、噛まないようにね!」


「う――うゅ!?」


 そして僕は爆発的な魔力を足にこめ、一気に森の外へと向かって駆けだした。



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