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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第1部 輝く月】1章 青い月の瞳。

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18話 結成。

「ブッフォォ……! ブッフォ……! ブッフォォォッ……!」


「ブ、ブッフォンさん!?」


 だいぶ高くなった日の光が差しこむ【妖樹の森】の中の開けた広場。


 這いつくばっていた【猟友会ハンターズ】のリーダー、ブッフォンが豚のように鼻息を荒くしながら、でっぷりと太った体を左右に揺らして、地虫(ワーム)のように地面をずりずりと這いずりはじめた。


 パーティーメンバーに率先して手本を示すその姿勢は、リーダーとして決して間違っていない。


「ブッフォォォッ……! いまは甘んじてこの屈辱を受けよう……! 我輩は、【猟友会ハンターズ】は、こんなところでは終わらん……! 終わらんぞぉ……! おい、お前ぇ! そこの薄汚い黒髪の【闇】の小僧っ! 名を名乗れぇっ! そして裏切りものの犬ッコロとパーティーをつくるのなら、そのパーティー名も教えろぉっ! 我輩はその名を絶対に忘れん……! この怒りと痛みと屈辱、必ずや何百倍にもして返してやるからなぁっ!」


 土と草と鼻水まみれになったブッフォンが這いつくばったまま僕を血走った目でにらみ上げてきた。


 その怒りを正面から受け止め、僕もそれ以上の敵意をもってにらみ返す。


「教えてやるよ、ブッフォン。僕はノエル・レイス。【闇】属性の暗殺者。といっても人を殺したことはないし、これからも殺すつもりはないけどね。そして、僕たちは――」


 続きを口にしようとして気づいた。


 よく考えたら、まだパーティー名なんてなにも考えていない。でも、かといってここまで大見得を切って考えてませんでした、なんてカッコ悪すぎる。


 小さな体で僕に寄り添うロココを見下ろした。青い月のような瞳が僕をまっすぐに見つめている。


 その瞳の中には、あのとき僕が焦がれた必死に生きようと、未来を切り拓こうとし続けたなによりもまぶしい輝きがある。


 そう、【光】の勇者ブレンよりもずっと強い輝き。僕たちを青く、優しく照らし続ける月の光のような――そのとき、ふっと思いつき、その言葉が口をついて出た。


「――【輝く月(ルミナス)】】。そう、【闇】属性の実力者だけで組んだパーティー。どんな闇夜でも世界を照らす【光】だ。そしてブッフォン。あなたのいうとおり、この名前をしっかりと覚えておくといいよ? 僕たちはいずれ魔王を討伐し、【英雄】としてうたわれるようになるんだから」


 次いで出た言葉もなんの根拠もない思いつきだった。けれど、その言葉を口にした瞬間、僕の中でなにかがカッチリとはまった。


 そうだ。僕やロココのように実力がありながらも【闇】属性というだけで不当に虐げられて表舞台に立てない冒険者たち。そのひとたちを集めて、パーティーを組もう。


 そして、あの平気で人を使い捨てる傲慢な【光】の勇者パーティーを超えてやる。


 魔王すらも討伐する誰もが認めざるをえない真の【英雄】として、僕たちは表舞台で脚光を浴びるんだ。


 そう。その名が示すとおりの【輝く月(ルミナス)】の名のもとに。



 これがいずれこの世界に真の【英雄】、そして真の勇者パーティーとして名を轟かせることになる僕たち【輝く月(ルミナス)】の結成、その瞬間だった。……いまはまだふたりっきりだけど。

お読みいただきありがとうございます。

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