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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第1部 輝く月】1章 青い月の瞳。

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12話 告白。

 【妖樹の森】の中の泉のある広場。



「え……? あなた、だれ……?」



 大木からの飛び下りざまに、少女に向かっていた【大妖樹(ギガントトレント)】の枝を斬り落とし、着地した僕を真ん丸に見開かれた青い月のような瞳が見つめる。



「僕はノエル・レイス。呪紋使い(カースメーカー)の君と同じ【闇】属性で、暗殺者。遅くなって、ごめん。……君を助けに来たんだ」


「ノエ……ル……? 助け……に……?」


 いまのいままで孤立無援でいた少女には、きっと想像もしなかった言葉なのだろう。


 僕の言葉を時間をかけて理解しようとするかのように、少女は何度も目を瞬かせた。


 そんな少女に向けて、僕は精いっぱいの笑顔をつくる。


「そう。助けに来たんだ。生きることを、前に進むことをけっしてあきらめずに戦う君を見て、助けたいと思ったんだ。ねえ。よかったら、君の名前も聞かせてくれる?」


 やはり何度か目を瞬き、銀色の長い髪をさらりと揺らし一度うつむいてから、呪紋使い(カースメーカー)の少女はやがてこっくりとうなずいた。


「ロコ……コ……」


「ロココか。うん、いい名前だね。じゃあ、ロココ。さっそくだけど、僕から君に提案とお願いがあるんだ」


「提……案……? お願……い……?」


「うん。提案はね。この窮地を打開するために、僕と協力してくれないかな? あの【大妖樹(ギガントトレント)】を倒すために。僕と君の力をあわせれば、きっとできると思うんだ」


「え……? それが、できる……なら……」


 呪紋使い(カースメーカー)の少女――ロココはまた目を瞬いてから、やがてこっくりとうなずいた。

 

「よかった。それから、お願いはね」


 ロココに向けてにっこりと微笑んでから、すう――と大きく深呼吸。



 なにせこれから僕げするのは、僕にとって生まれてはじめての、とてもとても大切な告白なのだから。


「ロココ。この窮地を無事に乗り切れたらさ、僕とパーティーを組んでほしい。いま君がいる【猟友会ハンターズ】みたいのじゃなく、対等の仲間として。僕がいまよりも君を幸せにするって約束するよ。同じテーブルでいっしょに美味しいものを食べてさ。お風呂で疲れを癒して、温かいベッドで眠って、そして――困ってるひとを助けて、僕といっしょに表舞台で脚光を浴びよう」


 きっと、声は上ずっていたかもしれない。もしかしたら、顔は真っ赤になっていたかもしれない。


 でも、伝えられたはずだ。僕にとって精いっぱいの心からのロココへの告白。



 それはたぶん、ほんの数秒。


 でも、僕にとっては永遠にも等しい時間が流れたあと、ロココがやがて、そっと口を開いた。


「……うん。ロココ、ノエルといきたい」


 褐色の肌にほんのりと朱が差し、つぼみが花開くような、そんなとびっきりの笑顔を添えて。


「ありがとう。じゃあ、まずこれを飲んで体力と魔力を回復しておいて。それから、もう少しだけ【大妖樹(ギガントトレント)】たちの動きをおさえててくれる?」


「うん、わかった。お薬、ありがとう。ノエル」


 渡した上級ポーションをこくこくと飲むロココを横目でちらりと確認。



 それから、すでに抜き放ったあとの愛用の黒刀を右手にかまえ、すっと瞳を閉じて頭の中に軌跡を描く。



 これで使える()は7から13まで増えた。少し手順は複雑だけど、これだけあれば届くはずだ……!



 さあ、いくよ……! 【大妖樹(ギガントトレント)】……! そして、それ以上に【猟友会(ハンターズ)】……!



 お前たちが犬コロのように虐げ続けたロココの受けた仕打ち……! いま、その身に存分に味あわせてやる……!



 僕の中のなにかが軋みを、咆哮を、産声を上げる。


 いま、その怒りを、猛りを、すべてをぶつけるときが来た。

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] まだ活動中の強敵の目の前でお話&勧誘活動……敵がお約束で空気を読んで待っててくれてるのかな?
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