63.おノボリさん
最近眠過ぎて自分でも何書いてるか分からないので、少し休もうかなぁ。そんで自分で書いた文を見直そう。てことで来週は投稿しません。
アスト王国の北に位置する国。商業都市レストン。ここはどこの国にも属さない完全な独立都市である。
また、多くの主要国を結ぶ街道はここに集束するため、多様な文化の交流が盛んに行われている。
そんな都の噂を耳にしたルクスは、面白そうだという理由で、このレストンに遊びに来ていた。
「賑わってるなぁ〜」
これまで以上に目をキラキラと輝かせながら辺りを見回すその様は、正に田舎から出てきた村娘のそれであった。
「そこの嬢ちゃん、もしかしてここに来るのは初めてかい?」
そんなおノボリさんに、親切な男の人が声をかけてくれる。
「ん?あぁ、旅の途中でここの噂を耳にしてね。少し寄ってみようと思って」
「お前さん旅してんのか。見たところ若いようだが」
「若いからこそだよ。今の内に見識を広めておかないと、歳をとってから大変でしょ?」
「そりゃあ確かにな!ハッハッハ!」
男はルクスの言葉に豪快に笑う。本当に楽しそうだ。
だがルクスは男に対して余りいい印象を向けていなかった。
(何だこのオッサン。急に話しかけてきて、新手のナンパか?面倒なのに絡まれたなぁ)
相手は親切で話しかけてきているのに、失礼な事だ。とはいえ、男にも非はあるのだが。年頃(に見える)の女性に対して急に話しかけたら、ナンパと間違われても仕方ないだろう。
「そうだ嬢ちゃん、なんなら俺が案内しようか?」
「いや、必要な場所だけ見てすぐにここを発つ予定だから、案内は要らないよ」
「お、そうか」
「悪いね。親切にどうも」
「おう!気をつけてな!」
最後は互いに手を振りあってサヨナラだ。
また一人で暫く歩いていると、見覚えのあるものに遭遇する。
「焼き鳥?」
そう、焼き鳥である。いつもならこんな時衝動買いをしないルクスではあるが、今は久々の一人行動のために色々と緩んでいた。
「らっしゃい。何にします?」
「砂肝となんこつを二つ……あとぼんじりとかわを一つずつください」
「塩とタレ、どっちにしますか?」
「んー……取り敢えず塩で」
「あいよ」
勿論買いである。焼き鳥って美味しいよね。
っと、言い忘れてたけど、現在ティアネスたち三人はアスト王国の街で色々と買い物をしている頃だろう。ルクスはティアに小遣いを渡して一人ここへ来たのだ。
(焼き鳥とか久しぶりだなぁ。そういやティアたちは大丈夫だろうか。まぁパルがいるから問題ないか)
ルクスはパルヴァニモの実力にはある程度の信頼を置いているのであった。
ところで、何故こんな事をしているかと言うと、ズバリ暇だからである。
カゲツがレジスタンスを起こすのに適した場所を見つけるまで、ルクスたちは待つことしかできないからだ。
ルクスが自分の一瞬の不安を自己解決しながら歩いていると、ルクスはふとあるものに目を留める。
「本屋……なるほど、色々新しい発見があるかもしれない」
そのまま彼女は本屋に入り、英雄ユーキに関する本や歴史書、哲学書などと、娯楽小説を少々買い込んだ。
彼女が本を物色している間に、日は沈みかけてしまっていた。
───────
あの女。確か……ルクスとかいったか?彼奴は一体何者なんじゃ。儂をあの龍殺しの牢から出すなぞ、まるで意味が分からぬ。それに、かつて世界を震撼させた龍魔王様を知らぬなど、まさかそんな者がこの世にいたとは。奴は自らを赤の魔王と言っていたが、このグラミアでさえも知り得ぬ名だ。
「龍魔王様が封じられて二百年。よもや斯様な地に村があるなどと」
グレーミア帝国から東。その地に、儂は足を踏み入れる。
「なんだ貴様は!」
村の者か。丁度いい。
「ここらで龍魔王様が封印されている場所をご存知か?」、
「この村に何用だ!」
なるほど、ここであったか。
「用という程ではない。ただ、龍魔王様の封印とはどんなモノか確かめておきたかっただけのこと」
「封印だと?」
「あぁ。そうだとも」
「あの邪龍の封印なら、我々が万が一にも解けないよう管理している。分かったら即刻この場を立ち去れ!」
む?ここで封印を管理しておるのか?
「ふむ、丁度いい。ならば、貴様らがいなくなれば管理する者はいなくなるわけだな?」
儂は静かに魔力を練り、村へと更に踏み込んだ。
この話とは別に新しい物語を書いてみようと思います。短めのお話にする予定なのである程度纏まったら投稿しようかな。




