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2.魔法の練習。そして……

 さて、気を取り直して魔法の練習だな。

 今回、魔法を撃つためには魔力の制御が必要不可欠だということが分かった。魔力の制御ができないと、またどこかの部位を消し飛ばすことになりそうだし。

 それに俺の右腕もどうにかしないとだし。


「……あれ?」


 そう思い右腕に目線を移すと、そこには綺麗な右腕がくっついていた。おかしい。確かに消し飛ばしたはずなんだが。

 もしかして吸血鬼になったからか?まぁそんなことは今はどうでもいい。

 魔力に関する情報を集めよう。


 ──数日後──


 色々分かったので分かったことまとめ。


 分かったことその一、


 魔力を出鱈目に動かして一気に魔力を鎮める練習をしてみた。わりとすぐできるようになったが、鎮めるまでにまだ数秒を要するので要練習。


 分かったことその二、


 体内の魔力の流れを速くし過ぎると四肢が吹き飛ぶ。死ぬかと思った。ただ、この時、身体能力が強化されるっぽい?


 分かったことその三、


 体外に出た魔力でも操作出来る。この時初めて魔力の色を見たのだが、俺の色は黒い靄の中に赤い雷が迸っている様なカッチョえぇ感じだった。後は人差し指を立ててその先に数字の5を魔力で作って遊んだりした。


 分かったことその四


 空気中の魔力もある程度操作できるということ。魔力の感知までが遠かったが、その後は意外と簡単に操作ができた。

 それと空気中の魔力は色が無く、何かできる訳では無いので、魔力ではなく魔素と名付けることにした。


 なんやかんやで体感で数日程度そんな練習を続けていたら、魔素を体内に取り込むなんてこともできるようになった。

 普段俺は無意識に魔素を吸い取り魔力へと変換していたのだが、それを無意識ではなく、意識して行うことができるようになったのだ。だが限界を超えて魔素を取り込みすぎると、とても気持ち悪くなるということも発見できた。


 という訳で、魔法の練習といくか!


 まずは俺の右腕を消し飛ばした忌々しい魔法、聖掌天砲(ホーリーキャノン)から。

 聖掌天砲(ホーリーキャノン)をイメージすると目の前に金色の魔法陣が出てくる。どうやらあの時の魔法陣は見間違いではなかったようだ。

 魔法陣は真ん中の円に変な形のシンボルがあり、それを囲うようにして幾何学的な文字が並んでいて、それを円で囲ってその周りにまた文字、更にそれを囲うように円が描かれた様な、ザ・魔法陣といったものだ。

 取り敢えず魔法陣を地面に模写してみる。

 今度は違う魔法を想像する。今回イメージするのは火の玉だ。今度は赤色の魔法陣が出てきた。取り敢えず模写。


 その後も色々な魔法をイメージしては出てきた魔法陣を模写するという作業をひたすら繰り返す。

 

 魔法陣について分かったこと。


 魔法陣の色は属性を表している。

 魔法陣の内側の円の中には、その魔法で起こす現象を具体的に表すシンボルが描かれている。そしてその円を囲むように魔法を起こす座標が詳細に描かれていた。

 魔法陣の外側の円の周りには、その魔法が引き起こす現象が書かれている。そしてその文字を更に円で囲んだ形をしている。


 これらのことを踏まえた上で、魔法を使う。色々理解したことで、魔法陣を見るだけでどのような魔法かが分かるようになった。

 例えば聖掌天砲(ホーリーキャノン)なら、金色の魔法陣なので聖属性。魔法陣のシンボルは光線や熱線、所謂ビームのシンボルで、その周りに座標。更にその周りには『光』『収束』『圧縮』『射出』『維持』『標的破壊』とあるので、聖属性の光を収束、圧縮させてビームを射出し、相手に攻撃する魔法だとわかる。

 後は聖属性に耐性がつかないかと聖属性の光を出して全身を軽く炙ってみる。

 そのまま魔法開発に勤しんでいると、いつしか、光に肌を焼かれることがなくなっていた。


「これは、耐性がついたと思っていいのか?」


 ステータスを確認してみると、【聖属性弱点】の欄が消えて【魔法耐性】の欄が増えていた。

 よし!これで一歩前進だな!

 まさか本当に耐性がつくとは。ゲームみたいだな……。

 まぁ、いい。そろそろここから出るか。実は初めて聖掌天砲(ホーリーキャノン)を撃ったときに壁を突き破ったんだけど、なんか先に空間が広がってたんだよね。

 しかもこの場所を色々調べてみたけどそこ以外出口がなかったんだよね。

 だからその空間の方に行くしか無いんだよね。だから仕方なくその空間に入っていくんだよね。だよねだよねうるさいって?久々の徹夜だから仕方ないんだよね。

 おふざけはここらにして空間の説明をしよう。まぁ、空間と言っても特に何も無く、ただ一本道が続いているだけだ。他に行く場所もないので一本道を進んでいく。


「ん?あれは……」


 暫く進んでいくと扉が見えた。この代わり映えの無い一本道にようやく現れた変化に、俺は走って扉に近づいて行った。

 そして近くで扉を見てみる。扉は観音開きの重厚なもので、蹲って泣いている少女に六人の人間が剣を、槍を、杖を、盾を、短剣を、斧を向けている絵が描かれている。

 なにかの伝説が元になっているのだろうか?なんか気分悪いな。


 考えていてもどうにもならないので取り敢えず扉を開く。扉は見た目の割に意外と軽く、簡単に開くことができた。

 そして扉の先にあるモノを見て、俺は困惑した。


「なんだ、これ」


 扉の先には光があった。それはいい。

 だが、その光を放っているものは……


「この方は、かつて六人の勇者に封印された伝説の魔王だ。今はもうその力は失われ、普通の少女同然の力しか持ち合わせてはいないだろうがな」

「っ!?」


 光を放っているもの、それは扉の絵で泣いていた少女にそっくりの、黒髪の少女が入った水晶だった。これが、魔王?


「これが魔王ってどういうことだ?それに、お前は誰だ?姿を見せろ!」


 よく分からないので急に聞こえてきた声に聞いてみる。


「そのままの意味だ小娘」

「なっ!?」


 突然後ろから声が聞こえた。いつからそこにいた?全く気づかなかった。


「何をそんなに驚いている?姿を表わせと言ったのはそちらだろうに」

 

 後ろには黒髪で額から二本の角が生えたイケメンが、その紫紺の瞳で俺を見下ろしていた。


「そんなに見つめてどうした?……あぁ名前か?我はクロノス・ヒスマディクだ。かつてこの方に仕えていた者であり、あの忌まわしき大戦の生き残りだ」

「忌まわしき大戦?それにさっき勇者がどうとかって言ってたよな」

「然り。もう忘れ去られた存在だがな……」


 クロノスさんはどこか憂いを帯びた表情でそう呟く。

 過去の事を思い出しているのだろう。その表情はどこか硬く、苛立たしげに眉を顰めている。

 ただ、強い後悔と怒りが見てとれた。過去にいったい何があったのだろうか。俺はそれに、興味が湧いた。


「なぁ、教えてくれないか?過去に一体、何があったのか」


 初対面の、それも出会って数分の相手に何言ってんだとは自分でも思うが、それでも興味が湧いてしまったものは仕方がない。

 クロノスさんは少し迷う様な素振りを見せた後、了承した。


「……よかろう。貴様に教えてやる。古き神々との忌まわしき大戦と、その行く末を」

いやぁ、書いてるときは別にいいですけど、読み返した時に誤字脱字が酷すぎて死にたくなりました。

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