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使用人を担当名で呼ぶ屋敷  作者: 山本 タケシ
9/17

屋敷の留守番を担当します。

今日からサービス担当とお嬢様がいない屋敷での生活が始まる。正直、彼らがいなくても執事としての仕事に変化があるわけではないので少し気楽だ。


私は朝食を済ませ、屋敷へ向かった。もちろん屋敷の掃除をするためだ。力担当さんは毎日に変化をつけたいが為に作業の順番を変えている。今日は午前は屋敷の掃除で午後は庭の手入れだ。


午前は順調に掃除をこなしていった。


1回の掃除が終わったので屋敷の2階に登った時、違和感に気づいた。お嬢様のドアが空いていたのだ。サービス担当さんが言うには留守中この部屋には入らないでとの事。鍵は私の自室にあるはずだし誰がどう開けたのだろう。緊張で頬に汗がつたった。


ガチャリ、、、。


私がゆっくりとドアを開けると散らかった部屋に1人の男が佇んでいた。


「見つかっちゃった」


いたのはユトピアであった。なぜ彼がここにいるのだろう。とにかく侵入者でなくて良かった。


「どうしてここに?」


私は1番聞きたいことを彼に尋ねた。


「宝探しだよ」


「宝探し?」


意外な返答に声が裏返ってしまった。


「そうだよ、ベラがいない今しかこのチャンスはないからね」


彼は指で屋敷の鍵を回して見せた。あれは私の部屋にあったものだ。いつの間に。


「何勝手に人の部屋に侵入してるんですか!」


「まあまあ。怒らないで。セリウスも一緒に探さない?お宝」


「結構です」


名前、やっと覚えてくれたのか。


「とにかく散らかした物を元に戻して部屋に戻ってください。鍵もですよ」


私は彼の手から鍵を奪え返した。次はもっと厳重に管理しなければ。そしてユトピアと一緒に部屋の片付けをすることになった。

サービス担当さんがしているのか分からないが、普段掃除をする機会がなかったからちょうど良かったのかもしれない。


ん?


私は床に落ちていた物を拾い上げた。これは薬だ。しかも大量の。おかしいな、サービス担当さんが言うには薬はもう切れているという話だったはずだが。


「どうした?」


私は驚いてビクッとなってしまった。ユトピアが私の方を見つめている。


「なんでもありませんよ」


「あっそう」


私は瓶に入っていた大量の薬の中から1粒を手に取って。服に忍ばせた。




全て片付けた後、ユトピアは寮に戻って行った。私は引き続き2階の掃除に向き合った。2階は1階より狭いので早く終わる。12時頃になり休憩時間となると厨房へ向かった。そこでエグリカさんが作ってくれる特性ブレンドを飲んだ。毎日味を工夫しているのか味が違うので面白い。




休憩時間が終わり午後の作業に向かった。午後は庭の手入れなのでかなりの体力がいる。更に広いと言うのもあり、とても大変だ。




1時間経過


雑草を抜いていると門の方に人が見えた。黒い服装をした男性が3人。なんの用だろう。


「力担当さん。誰かが門の方に見えますが迎えに行った方が良いですか?」


「ん?そうだな俺がいこ、、、」


エグリカさんに聞くと門の方を見た彼の顔が引きつったのが分かった。


「力担当さん?」


「おーい」


様子を伺おうとした途端、男達がこちらへ向かって声をかけてきた。


「君達!ちょっといいかい!?」


「お待ちください!」


私は彼らの方へ向かって走り出した。


「どういったご要件ですか?」


門に着くと彼らに要件を尋ねた。


「ベラタイル・ライビス・オーシェンというものはいるかい?」


爽やかな声に優しそうな顔の男が尋ねてきた。どうやら彼らはサービス担当さんに用事があるようだ。


「申し訳ありません。今日は留守でして。後日またお伺いください」


「わかった。またにするよ」


彼らは歩いて街の方へかえっていった。私はこのことを伝えるべくエグリカさんの元へ戻った。


「なんの、、、要件だ?」


エグリカの青は青ざめていた。そして体は酷く震えていた。


「サービス担当さんに用事があったみたいです。大丈夫ですか?体調が優れていないように見えますが、、、」


彼の調子にいち早く注目した私は心配になって尋ねた。


「問題ない、、、。うっ、、、!」


「エグリカさん!?」

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