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使用人を担当名で呼ぶ屋敷  作者: 山本 タケシ
7/17

サービス担当を疑います

午後になった。


仕事が全て片付いたのでサービス担当に質問を伺いに向かった。先程、ミズさんらが言っていたことが本当か真意を知りたかったからだ。私はお嬢様様部屋の前に立った。


もしウァドニア家がマフィアと手を組んでいたことが本当ならどうしよう。自身もグルになってしまうのか、、、。


息を飲みながら部屋のドアをノックした。


「どうしましたか?」


サービス担当が疲れ顔でドアから出てきた。


「今日の商会との対談でこの屋敷がマフィアと繋がっているという疑惑が出たのですが、まさかそんなことはないですよね」


「当たり前です。こっちは薬の在庫が少なくなって大変なのですから」


良かった。彼女の言い方からして嘘を着いているとは思えない。


「ですよね。それでは失礼します」


私は安心して寮に戻り、眠りについた。次に商会の方々に会う時にはなんとかして誤解を解かなければ。




次の日


私は、朝食を済ませて仕事へ向かう途中でサービス担当が遊戯担当呼んでいるのを見つけた。彼女がここへ来るのは珍しいな。


「遊戯さん!そろそろあなたには使用人として覚悟を決めて貰わなければなりませんよ!」


彼女は部屋には入らずユトピアの扉を強くノックした。直接中に入らないのはプライベートを考えた上なのだろう。


しかし、私がこんなに頑張って働いているのにいつになっても部屋に引きこもっているユトピアさんはずるいと思う。サービス担当さんのようにガツンと指摘してくれる人がいるとスッキリするな。


午前の初めは浴場の掃除をした。早速昨日あった出来事をエグリカさんに話すことにした。理由は分からないが、いつの間にか彼は私の相談役となっていた。


「昨日の対談は大変でした」


「何があったんですか?」


彼は床を磨きながら耳を傾けてくれた。


「商会がウァドニア家とマフィアとの繋がりがあるのではないかと仰てきたんですよ。」


「それはホントのことですね」


「いや、サービス担当さんは否定してましたが」


いや、冷静考えればこれは彼特有のジョークなのだろう。騙されてはならない。


「実はこの屋敷の主人はな人殺しが趣味でな、マフィアとよくつるんで夜な夜な人を殺めていたんだ」


「よくそんな嘘つけますね」


馬鹿げた子供騙しだ。私は彼を指摘した。


「ちっ。素直に騙されて下さいよ」


「何言っているんですか。マフィアが人殺しをするなんでイメージはもう古いんですよ。そんなこと子供だって知ってます」


「その通りですが、そうとも言いきれませんね」


「どういうことですか」


彼は悔しそうにした後、不気味な表情をした。ほぼサングラスで隠れて分かりづらいが。


「奴らは裏切った仲間には容赦はしない」


エグリカさんは私を怖がらせて楽しいのだろうか。しかし、彼から発される雰囲気からはとても否定できないようなオーラが見える気がする。


「裏切られた仲間は拷問を受け、片目を奪われ、、、」


「そこまでにして下さい。あわよく信じてしまうことでした」


私は浴槽を磨きながら彼の勢いを止めた。このまま放っておけば調子に乗って長くなりそうだからだ。


「最後に言っておくがマフィアには逆らうなよ。さあ、今日も1日頑張りましょう」


「懲りないですね、、、。頑張りますよ」




私たちは午前の仕事を順調に片付けて休憩に入った。いつも通り厨房へ入るとエグリカさんが特性ブレンドを作ってくれる。いつもの流れだ。キッチンの隅で体育座りをして休んでいるとサービス担当が勢いよくドアを開けて入ってきた。何事だろう。


「どうしましたか?」


私が聞くより早くエグリカさんが彼女へ尋ねた。


「お嬢様が、、、」


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