商会との対談役を担当します
1ヶ月後
私は1ヶ月に1度行われるカトル商会との話し合いに備えて非常に緊張をしていた。
私は屋敷の門前でミズさんを待った。しかし待っているだけでは時間が勿体ない。
彼が来るまで今までの状況を振り返ろう。
まずマフィアが市場を独占しているんだっけか。
「、、、」
今考えれば状況が霞みすぎて分からない事ばかりだ。ミズさんが来たら詳しく聞かなければ。
しばらくすると大勢の人間が屋敷を目指してやってきた。
おかしいな、話し合いは1体1のはずなのだが。
彼らの先頭にはミズさんがいたので間違いなく商会の仲間たちだろう。
「すみませんがそちらの方々は?」
「私の仲間ですよ。今回はばかりは多勢で向かわないと気がすみませんので」
一応尋ねて見たがそのようだ。今回ばかりとはどういう意味なのだろう。何故か目の前からは大きな圧が感じられる。
「客室へ案内します」
私は彼らを連れて客室に招いた。人数は合計で15人程であった。客室の広さを考えても余裕で入るな。
「それでは始めましょうか」
私は会話の始めを伝えた。
「初めにですが、、、」
「どうして裏切ったんだ!?」
ミズさんの声を遮り1人の仲間が前へ出てきた。エグリカさんにはどどかないが大きな体であった。
「なんの話ですか?まず名前から名乗ってください」
彼は怒っているようだが理由が分からなかった。
「俺はザカス。どうして勝手にマフィアに乗り換えたんだと言っているんだ」
「申し訳ございません。ウチのせがれでして」
説明するザカスという男にミズが変わって謝罪する。
どういうことだ?意味が通らなすぎて勘違いをしているとしか思えない。取り敢えず誤解を解かなければ。
「私はセリウス・ユージュア・バージンとです。言っておきますがこの屋敷はマフィアとの関わりはないと思います」
「嘘着くんじゃねえ!知らねえんなら説明してやるよ」
「お願いします」
私は更に詳しく知るためにザカスに頼んだ。
「俺たちの商売がマフィアとフォーマン教に邪魔されているということまではご存知だろうな」
「フォーマン教というのは初めて聞きました」
そういえばこの屋敷に来てから知らないことばかりだな。これが世間知らずということか。
「親父、説明してなかったのかよ!」
「すまんな。うっかりしておったわ」
ミズはザカスから叱りを受けた。
「まずフォーマン教というのは人間を間違ったやり方で救おうとしている教団だ。奴らはマフィアという協力な後ろ盾を持つことによって彼らが作り出したレリーフという薬を世の中に広げようとしているんだ」
ザカスは次第に落ち着きを取り戻しながら話を続けた。
「以上のことはレンドリー領の領主の了解がないと行うことは出来ない。俺たちカトル商会のこともあるしな。だが奴らは元主人のスマウ・ウァドニア・レンドリーとの了解を取り付けていたんだ。契約書という証拠もあった」
「ならしょうがないじゃないですか。この屋敷の1執事である私にはどうしようも出来ませんよ」
「てめぇ、、、」
「落ち着きなさい!」
私に掴みかかろうとしたザハルをミズが自ら押さえつけた。
「最近来たばかりのあなたには分からないと思いますがこの商会は私の先祖とウァドニア家の先祖が1から作り上げた。いわば硬い絆ようなものなんですよ。それもいとも簡単に切ってしまうというのはいささか酷いといわざるを得ないと思うんですよ。どうか考えて直しては頂けませんか」
ザカスに代わってミズが話を続けた。
どうしたことか。
確かに彼らの言い分は分かる。信用していた仲間から裏切られたというのだ。とてもショックを受けているはずた。
どうしたことか。
元主人に伺おうにも帰らぬ人だし、サービス担当さんなら何か知っているだろうか。誰か僕を助けてくれ。
「確かにあなたがおっしゎつた通り私はこの屋敷に従事し始めたばかりの素人です。もう少し時間を頂けませんか?こちらで必ず解決してみせます」
「俺たちの商会を返してくれるんだろうな?」
再び落ち着きを取り戻したザカスが心配そうに問う。
「お、お任せ下さい。必ずしも。ですので今回はお引き取りください」
「お願いしますよ」
ミズは深く礼をし仲間たちと共に屋敷を去っていった。
この屋敷はなんだか隠し事をしているような気がする。そんなことを思いつ私はつエグリカさんとの仕事に戻った。