登場人物紹介
章の途中ですが、随分と更新の間隔が空いてしまったので、一度、登場人物のおさらいをしておこうと思います。
続けて読んでいる方や、覚えている方は読み飛ばして頂いて構いません。
◇◇◇◇◇◇◇◇
クロ子(榊原六花)
言わずと知れた今作の主人公。日本での享年十六歳(高校一年生)。
黒い子豚として異世界に転生。ショタ坊村ことグジ村で家畜として授乳期を過ごす。
四本の角を持ち、数々の凶悪な魔法を使いこなす。
通称、魔獣。
クロコパトラ女王
クロ子第一の分身。
亜人の守護者であり女王。という設定のうら若き美女。
その正体は、水母が製作した義体。
ルベリオは、「女王は三大国家の一国、カルトロウランナ王朝の貴族ではないだろうか?」と疑っているようだが、もちろんそんな事実はない。
月影
王都で誕生したクロ子第二の分身。
クロコパトラ女王に仕える”影”。という設定。
全身をすっぽりと覆う黒マントの怪人。
こちらは水母が声を担当している。
水母
力を求めたクロ子が、謎の地下施設で出会ったピンククラゲ。
その正体は一万年前、前文明によって作られた巨大コンピューター。
ピンククラゲの体はその端末であり、リアルタイムで遠隔操作されている。
何故かクロ子に並々ならぬ興味を抱き、外まで付いて来てしまった。
マサさん、コマ
クロ子配下の野犬の群れの一員。
マサさんは実質上のサブリーダー。
コマはマサさんの息子で、クロ子を慕っている。
◇◇◇◇亜人の村関係者◇◇◇◇
亜人は長年に渡って人間達から迫害を受け、大陸の各地に隠れ住んでいる。
メラサニ山でクロ子が出会った亜人は、三百人程の小規模な村を作っていた。
ククト(故人)
通称パイセン。
クロ子と同じく異世界転生者。前世はフランス人で日本のアニメオタク。
前世の知識を生かし、亜人村の農業改革に取り組んでいた。
恋人のモーナを助けるため、教導騎士団に挑み、殺されてしまう。
モーナ
亜人村の村長の娘。パイセンことククトの恋人。
しっかりとした少女で、父親が死んだ後は村長代理としてみんなのまとめ役になっている。
ウンタ
クロカンことクロコパトラ歩兵中隊の副官。
小柄な亜人青年。口数が少なく、やや不愛想。
カルネ
脳筋系大男。クロコパトラ歩兵中隊の第一分隊隊長。
大きな戦いをくぐり抜けた事で精神的な成長を果たしている。
トトノ、コンラ、クルダ、シンモ、リゾード(故人)、ハリィ、ハッシ
それぞれクロコパトラ歩兵中隊の第二~第八分隊隊長。
シンモは大モルト軍仇討ち隊との戦いのケガが元で今は引退。リゾードは同戦いで戦死している。
マニスお婆ちゃん
亜人村の職人。第八分隊隊長ハッシの祖母。
クロ子に頼まれて魔法銃の原型を作成する。
◇◇◇◇サンキーニ王国◇◇◇◇
クロ子が転生した小国。王都はアルタムーラ。
大陸の三大国家に挟まれている。
東に同規模のヒッテル王国が存在し、常に争っている。
ルベリオ
グジ村出身の少年。通称ショタ坊。中性的で大人しそうな見た目の割に、こうと決めたら譲らない頑固で意志の強い面も持っている。
現在は軍師としてイサロ王子に仕えている。
グジ村の関係者――村長のホセ、村長の息子ロック、幼馴染のベラナ
村長のホセは、昔は王家直属の親衛隊の隊長だったようだ。
息子のロックはわがままなドラ息子。
ベラナは元はルベリオの恋人だったが、彼がいない間に裏切ってロックと付き合い始めた。
ミルティーナ王女、サルエル先生
ミルティーナはイサロ王子の妹。お転婆な性格で、母親譲りの金髪と美貌の少女。
なぜかひと目でルベリオを気に入り、彼に何かとちょっかいをかけて来る。
サルエルはルベリオの教育係。最初は庶民であるルベリオを侮蔑していたが、今では彼の才能を認め、良き師となっている。
イサロ王子
サンキーニ王国の第三王子。
まるで少女漫画に出てくるような金髪イケメン王子だが、皮肉屋で不平不満も多い。
兄達の政争から一歩離れた立場にいたせいか、本質的には素直な性格で、口で言うほどは捻くれていない。
現在は大モルト軍の捕虜になっている。
アルマンド王子(故人)、カルメロ王子(故人)
それぞれこの国の第一王子、第二王子。
次期国王の座を巡って派閥を作り、互いに足を引っ張り合っていたが、アルマンド王子はクロ子の怒りをかって殺され、カルメロ王子は隣国ヒッテル王国軍を深追いし、打ち取られている。
国王バルバトス
イサロ王子の父。サンキーニ王国の現国王。
元は”四賢侯”と呼ばれる程の人物だったが、近年では体調を崩しがちで、次第に現役を退きつつある。
この国の命運をかけた大モルト軍との戦いに挑み、捕虜の身となる。
四賢侯
国王バルバトス、宰相サバティーニ、外相アンブロス、将軍ルジェロの四人の傑物の事を言う。
ただし、宰相サバティーニは数年前に病死、今の宰相は外相であったアンブロスが務めている。
将軍ルジェロも、戦場で負った負傷が元で引退。国王も体調を崩して国政から遠ざかっているため、現役の四賢侯は宰相アンブロスただ一人と言ってもいい。
ボルファーレ・カサリーニ伯爵、ベルナルド・クワッタハッホ男爵、アントニオ・アモーゾ男爵
それぞれイサロ王子の配下の貴族。”三本柱”とも呼ばれる。
カサリーニ伯爵は別名”目利きの”カサリーニ。元々はカルメロ王子派閥の筆頭だったが、嫉妬深い王子にその力を疎まれ、イサロ王子を頼る事となった。
ベルナルドとアントニオの二人は、優秀な若手の貴族達。
ベルナルドはクロコパトラ女王の美しさに心酔していて、逆にアントニオはクロコパトラ女王の魔法の力を警戒している。
クロ子の言う所の「若手貴族コンビ」。それぞれ「優男君」と「ガッチリ君」。
◇◇◇◇隣国ヒッテル王国◇◇◇◇
サンキーニ王国の東に位置する小国。
サンキーニ王国とはライバル関係にあり、常に争いが絶えない。
ドルド・ロヴァッティ
サンキーニ王国と国境を接するロヴァッティ伯爵領の次期当主。
若くして『ロヴァッティの守り刀』として国の内外に知られる、知勇を兼ね備えた将来の大器。
しかし、国境の隘路、アマーティでの戦いでクロ子の魔法を受け、顔面を負傷。
現在は顔の左半分を硬い樹脂で覆い、クロ子とイサロ王子に復讐を誓っている。
直前の戦いでイサロ王子の兄、第二王子カルメロを討ち取る。
◇◇◇◇大モルト◇◇◇◇
大モルトは大陸の三大国家の一つ。
国土は内陸に位置し、三大国家最大の面積を誇る。
ただし、農業に適した土地は少なく、その狭い土地を三役のアレサンドロ家が奪い合う修羅の国である。
ジェルマン・アレサンドロ
三役の役職を持たない新興のアレサンドロ家。通称”新家”アレサンドロ家の当主。
二十五歳とまだ若いものの、実戦経験は豊富で知略にも富み部下からの信頼も厚い。
大モルトでは武人然としたガッチリとした大柄な見た目が好まれるため、本人は自分の細身な体型を気にしている。
サンキーニ王国を自分の領地とし、その力で”執権”アレサンドロから商業都市トルサルディを奪い返そうと画策している。
アンナベラ・アレサンドロ、百勝ステラーノ
アンナベラはジェルマンの妻。執権アレサンドロ家当主、アンブロードの孫娘。
才気あふれる女性で、その洞察力は夫であるジェルマンも舌を巻いている。
百勝ステラーノは大モルトにその名を知られる”七将”の一人。
勇猛な老将で、アンナベラが輿入れの際、実家から引き抜いてジェルマンの幕僚に加えた。
アンブロード・”執権”アレサンドロ
いわゆる、執権アレサンドロ公爵家の当主。
三役の筆頭であり、一番古いアレサンドロ家でもある。
陰謀に長けた老獪な男で、ジェルマンから新家の経済基盤である商業都市トルサルディを奪い、王家の名を利用して彼をいいように使っている。
カルミノ・”ハマス”・オルエンドロ
オルエンドロ家は、執権アレサンドロの分家であり、宿老である。
カルミノは大都市ハマスを治めるオルエンドロ家の当主で、執権アンブロードに命じられ、お目付け役としてジェルマンの軍に加わった。
しかし、プライドの高い彼は、アレサンドロ家とはいえ新興の新家には従えなかった。
結局、バハッティ平原で野戦を挑み、敗北してしまう。
現在はアロルド辺境伯領で部隊の再編制中である。
ボルティーノ・オルエンドロ(故人)、マレンギ、コロセオ(故人)、ディンター、モノティカ(故人)、ロビーダ(故人)、ポルカ(故人)、アッカム(故人)
ボルティーノ・オルエンドロはハマス・オルエンドロの婿養子。
才気にあふれる若き将で、古今独歩――過去から現在に至るまで、比べるものがいないほど優秀である――の異名を持つ。
クロ子の最大打撃の魔法で落下して来た巨石に押しつぶされ、そのケガが元で死亡する。
彼の親衛隊は、冥府神の鎌を意味する”五つ刃”と呼ばれる者達によって率いられている。
”フォチャードの”モノティカは、偃月刀使いの五つ刃最年少。クロ子の卑劣な罠にかかり、堀の底で窒息死する。
”双極星”ペローナ・コロセオと”不死の”ロビーダ、それと”一瞬”マレンギは、部隊を離れ、メラサニ山にクロ子を討伐に向かうが、ロビーダはクロ子に殺され、コロセオは裏切ったマレンギに切り殺される。
マレンギは新家アレサンドロ・ジェルマンに投降。もう一人の”双極星”、ペローナ・ディンターはバハッティ平原の戦いの後、消息不明となっている。
赤備えの騎士ポルカは”赤馬隊”の隊長。
クロコパトラ歩兵中隊の大男、カルネを瀕死にまで追い込むが、彼が最後に放った魔法で相打ちになる。
意識を取り戻した後は、部下をクロ子に殺された恨みを晴らすべく、クロコパトラ女王を暗殺に向かうが、すんでの所で水母の障壁に阻まれて失敗。クロ子に返り討ちにされてしまう。
”二つ矢”アッカムは凄腕のスナイパーとして、イサロ王子軍を悩ませる。しかし、改良型試作魔法銃によって負傷した所をクロ子の魔法で止めを刺される。
公方アレサンドロ、北部管領アレサンドロ、南部管領アレサンドロ
執権、公方、管領の三役は、大モルトにおける最高位役職となる。
アレサンドロ家は自分達でこの三役を独占。王家を傀儡とし、完全にこの国の権力を握っている。
◇◇◇◇アマディ・ロスディオ法王国◇◇◇◇
アマディ・ロスディオ法王国はアマナ教――アマディを国教とする宗教国家である。
元々は南方に位置するロスディオ王国という小国だったが、法王国となってからみるみるうちに勢力を拡大。
今では大陸の三大国家の一国となっている。
極端な膨張政策を取っている事からも察する事が出来ると思うが、内部は教義と利権、理想と矛盾に満ちており、貧富の格差が激しい反理想郷である。
祭政一致の神政政治で、領主どころか国王ですらも法王庁の意志には逆らえない。
法王庁は法王の下に六角と呼ばれる六人の枢機卿団――神の使徒を頂点に、評議会議員の高位聖職者、上位聖職者、下位聖職者、そして一般信徒という形で権力ピラミッドを築いている。
しかし、細かい部分はむやみやたらと部署や称号を増やした弊害で煩雑さを極め、今となれば全貌を正確に把握する者はいないとも言われている。
カルドーゾ(故人)
上位聖職者の司教。地方の下位聖職者、助祭からの叩き上げ。
現在の地位を守るため、後ろ盾になっていた第一王子アルマンドを利用し、亜人の奴隷を確保しようと画策するも、クロ子の怒りをかい、グジ村で王子共々クロ子の魔法で殺されてしまう。
◇◇◇◇カルトロウランナ王朝◇◇◇◇
大陸の北方に位置する大国。三大国家の一国。
三大国家の中では最も歴史ある国家で、大モルトもサンキーニ王国も元を辿ればカルトロウランナ王朝の一地方でしかなかった。
三大国家の中でも国土は一番小さいが、土地は肥沃で文化も発達している。
魔法に関する研究も(他の国に比べれば)進んでいて、多くの書物が記されている。
水母によると、この国の文字は前文明で使われていた文字に良く似ているそうである。
何かしらの文明の継承があるのかもしれない。
次回「最大の誤算」




