異世界転移したがどうすれば良い?
さぁて、気づいたら6000文字超えてて
ノリで書くもんじゃねぇな、と気付き始めた
今日この頃、定期的に更新される短編
人気になったら、続きを投稿すると思う
俺の名は飛野直樹
俺は普通の高校生だった、その日も普通に登校して
友達と駄弁って、普通に時間が過ぎて、普通に終わってく
今日もそんな日だと思っていた
あぁ思っていたんだ
異変は1時間目に起こった
俺は眠い頭を活動させて黒板の内容をノートに
写していたが消しゴムを落としてしまい
消しゴムを取ろうと下を向くと青白く輝く
何かがあった、文字のような物が描かれており
それが円に囲まれていた
寝ぼけているのかと瞬きしても無くならない
どうやら他のみんなも気付いたようでざわざわ騒ぎ出している
しかも下の模様を見ていると、だんだんと光が強くなっている気がした
俺は呆然とその光を見ていると光もかなり強くなり
キィィーーーン
と言う耳障りな音がして蹲ってしまった
先生が何かを言っている気がしたが
この耳障りな音に耐えるのに今は精一杯で
俺は強くなった光にのみ込まれて意識を失った
◇
–––––––何かの声がして俺は気が付いた
「–––––––––成功だ」
と何かを喜ぶ声
「–––––––––ハァハァ」
と何かに苦しむ声
そんな声を聞きつつ俺は目を開けると
–––––––そこは別世界だった
神聖さを感じる何かが描かれたステンドグラス
その下に美しさと畏怖を感じる像
そして周りは神官のような服を着た人々が
こちらを見て手を取り合い喜んでいた
俺とクラスメイト達は模様が描かれた円の中に居た
どうやらほぼみんな気絶しているらしく
気が付いてる生徒は数名だった
(……ここは一体)
訳が分からなかった、授業中に耳障りな音と
変な光模様を見て、意識を失った
そこまでは覚えていた、だがこんな所に来た覚えは無い
そこで俺はこう決定付けた
(––––なるほど、夢か)
当然だろう、何せこんな普通の高校生達を誘拐なんて
考えられないし、する理由も無い
身代金も考えられたがこんな真似をする必要性が
感じられない
テレビのドッキリだとしてもおかしい
この学校は最近出来た高校であり
芸能人が卒業したという話も聞かない
ならばドッキリは無いだろう
となると考えられるのは二つ、
何処かの宗教に拉致られた、これだとあの耳障りな音と
いつの間にか現れていた模様の説明が付かない
となるとあとはこれは夢である、ということだ
これだといろいろ説明が付く、所謂これは
明晰夢という物なのだろう
何処からが夢なのかと聞かれれば登校して学校に
着くところから夢なのだろう
ということは今俺は家でグッスリと眠っているのだ
うむ、これならば納得が行くな
そんなことを考えていると、気絶していたクラスメイトも
気が付いたようだ
(うん?)
何やらオタクの山田くんがブツブツと呟いているようだ
この生徒は、見事なまでの陰キャであり
しかも影で虐められているという噂があるのだ
俺は少しだけ近づき、その呟きを耳で拾うが小さ過ぎて
これだけしか聞き取れなかった
「–––––転移だ、やったこれでアイツらに復讐を」
転移?一体何を言ってるんだ?それに………
復讐とは物騒だな、多分虐めた奴だと思うが
おや?どうやら普通の神官服より豪華な服を着た
初老の男が話をするようだ
「初めまして、異世界の勇者様方」
異世界?勇者?コイツ何を言ってるんだ?
俺はソイツに話しかけることにした。
「ふむ、何を言ってるのだ?異世界やら勇者やら
頭がおかしいのか?」
まぁ俺の夢だから、俺はそう言うのに憧れてたのかもな
初老の神官は、考える動作をして口を開く
「どうやら、理解していないご様子私が一からご説明いたしましょう」
そうして初老の神官は俺達を喚んだ説明をし始めた
曰くこの世界には魔王がいる、
曰くソイツは魔物を創り出し人々に襲い掛かっている、
曰くその魔王は力が強過ぎてこの世界の人では倒せない
それ故に異世界から勇者を召喚した、
と言うことだった。
もちろん、クラスメイトからは反感の声を買った
だが只々沈黙し、そこに立っているだけ
……だがハッキリ言おう、迷惑である
こちとら、普通に学生生活満喫してるのに
異世界に喚ばれて戦争の真似事なんてしたくないわ
俺はグロいのが無理なんだよ
血を見ただけで卒倒しそうだってのに
しかもこの世界、剣と魔法の世界なのだとか
ふざけんな!剣?剣だと!?それだと確実に接近して
斬らないといけないじゃ無いか
と言うかもうそろそろ夢が醒めてもいいんじゃないか?
……そう言えば夢では痛みを感じないとか聞いたことあるな、一応試してみるか
そう思い、腕を抓ると………痛かった
どう言うことだ!?これは夢では無いと言うのか?
……確かにここまで再現出来ている夢もないだろう
夢というのは俺の記憶の再現であり、俺の願望や願いなどもあるが基本的に何かの記憶の再現なのである
ここが夢では無いとするならばここはあの初老の神官が言った通りに異世界なのだろうか……
その事に気付いたせいなのか、一瞬目眩がして
少し倒れそうになったが気合で何とか持ち堪えたが
どうやら、初老の神官に気付かれたらしく
「どうやら勇者様達は疲れているご様子
どうぞ、城に部屋をご用意致しましたのでそちらに
ご案内します。」
そう言ってステンドグラスの反対側にある
扉の前に立っていた
俺は異世界に来て帰れるのかという疑問が湧いたが
今は保留とし、初老の神官についていく事にした
◇
初老の神官が城と言っただけあり、この場所は
かなりの広さがあり、一人でいたならば確実に
迷っていただろう、部屋の前に立つと
「それぞれ二人組となり、同じ部屋に入ってください」
と言い何処かへ消えてしまった
クラスメイト達は渋々仲の良い生徒と組んで
部屋に入って行く
俺も仲の良い広瀬光輝と言う
友達と一緒に部屋の中に入った
光輝は、良くも悪くも明るい性格でクラスの
ムードメーカーだったのだが異世界に来て
気持ちが落ち込んでいるようだ
「なぁ直樹、僕達これからどうなるんだろうな」
俺にそう問い掛け、その問いに俺は答える
「さぁな俺にも分からん、ただそこまで邪険には
されないだろうな」
「なんでだ?」
「あの初老の神官も言ってたろ?勇者と、しかも
魔王、この世界の人々が勝てない相手と戦争する為の人材としてだ、悪い待遇は受けないだろうな」
「へぇ〜直樹はいろいろ考えてるんだね
僕、これからの事で精一杯だったよ」
「そうなのか、だが楽観視は出来ないぞ
何せ、俺達は魔王と戦う為の兵器だ
つまり性能の悪い奴は待遇が悪くなるだろうし
性能の良い奴も生き物を殺さなくてはならなくなる
普通の高校生をやってた俺達に出来るか?」
「……無理だと思う」
「そもそも俺達には力が無い、魔法と言う力が
あるらしいがそれを俺達が使えるかすら怪しい
一体どうすればいいのやら」
本当にどうすればいいのか分からん
あの神官は明日、王に顔を見せに行くと
話をしていたがアイツらを信用できるのどうか
そんなことを俺が考えていると光輝が
「……ねぇ直樹、ライトノベルって知ってる?」
「ライトノベル?あぁ異世界転生したり異世界転移……した…りする小・中高生を対象とした小説のことだろ?」
「うん、僕達異世界転移してるよね」
「……あぁ」
「だったら、そのライトノベルに載ってることも
出来るんじゃないかな」
「そんな非科学的な!」
「……いや直樹、僕達今思いっきり非科学的な状態なんだけど」
「あぁ……そうだったな、でそのライトノベルに載ってることってなんだ?俺は見たことないんだが」
「えっとね、『ステータス』……!?」
「どうした?」
「ヤバイよ、直樹!」
「だからどうした!?」
「え?これ見えてないの?」
光輝が空中を指差すがそこには何も無い
「何も無いぞ」と言うと光輝は腕を組み考える
「あっ!」と言う声を漏らすと
「多分、これで見えるようになる!『ステータス・オープン』!」
そう光輝が呟くとブウォンと言う音と共に
青い透明な板に文字が書かれた物が空中に浮かんでいた
「な、なんだこれ!?」
「えっとね、多分ライトノベルで言うステータスって奴だと思う」
「ステータス?」
そうして光輝はステータスの説明をする
「なるほど、能力の文字化と思えばいいのか」
「うん、そうだよ」
「ふむ、ならば『ステータス』」
そう呟くと目の前に青く透明な板が現れた
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
【ステータス】
名前:ナオキ・ヒノ
種族:異世界人
称号:世界を渡った者
天職:幻影使い
《能力値》
筋力:50
魔力:250
防御:75
知性:300
器用:100
俊敏:80
幸運:100
《スキル》
〈幻影:LV1〉
├幻覚 【任意発動】
├再現 【任意発動】
└精神耐性【自動発動】
〈加護:LV1〉
├地球神の加護 【自動発動】
└鑑定 【任意発動】
└悪戯神の祝福 【自動発動】
├運命の悪戯 【自動発動】
└賢者の悪知恵【自動発動】
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
え?なんだよこれ!?能力値はよく分からないとして
まず幻影お前は良い、ただし加護テメェはダメだ
ガイアとロキってギリシャ神話と北欧神話の神だよね
ガイアは……地球とも評されるからまだ分かるけど
なんでロキ?確かに賢い神だけどさ、知性300って
高いか分からないけど良い方だろ?でもなんでロキなの?
他にも居たよね賢い神様、しかもさぁ運命の悪戯が
ちょっと怖いんだよ、だって神々を滅亡の原因作った奴だぜ?
それに下の賢者の悪知恵ってなんだ?
そう思うとその能力の説明が頭に入ってくる
(これは……鑑定のせいか)
どうやらこの賢者の悪知恵というのは
状況が悪い時に発動する能力であり
その状況に対象する為の方法を思いつくらしい
これは北欧神話でロキが悪知恵を働かせて
さまざまなことをしたことからだと思う
他のスキルも鑑定するとこんな説明だった
名称:幻影
説明:相手に幻を見せることのできるスキルである
名称:幻影・幻覚
説明:幻影スキルの能力の一つ、相手に幻覚を見せることができる
名称:幻影・再現
説明:過去に見た、または触った物を再現する
名称:幻影・精神耐性
説明:幻覚を見せるのならばそれ故に幻影に耐性を持ってるはずである、という矛盾から生まれたスキルであり、精神に耐性を持たせる
名称:加護
説明:神々、またはそれに通ずる者から与えられた能力
名称:加護・地球神の加護
説明:地球の意思である、ガイアから転移したときに
与えられた加護
名称:鑑定
説明:ガイアの加護により与えられた能力であり
物を識ることが出来るようになる
名称:加護・悪戯神の祝福
説明:悪戯の神である、ロキから貰った祝福
元々目を付けていた者が異世界に行くということで
ロキが与えたもの
名称:運命の悪戯
説明:ロキの祝福により与えられた能力であり
たまに良い事が起こりやすくなる
名称:賢者の悪知恵
説明:危機的状況になると発動し、その状況を打開する知恵を思いつく
……なるほど、なんでロキに目を付けられてたのか
知らないが貰える物は貰っておこう
何故だか、運命の悪戯が怖いがな
俺は今だにステータスをガン見している光輝に話しかける
「光輝お前のステータスはどうだった?」
「多分、強いと思うよ!」
「そうか、俺にも見せてくれるか?」
「うん!いいよ!『ステータス・オープン』」
その光輝はステータスがこれである
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
【ステータス】
名前:コウキ・ヒロセ
種族:異世界人
称号:世界を渡った者、勇敢なる者
天職:勇者
《能力値》
筋力:250
魔力:250
防御:250
知性:50
器用:200
俊敏:300
幸運:87
《スキル》
〈勇者〉
├聖剣術 【自動発動】
├聖剣召喚【任意発動】
└勇敢な心【自動発動】
〈加護〉
├地球神の加護 【自動発動】
└鑑定 【任意発動】
└英雄神の祝福【自動発動】
├挫けぬ精神【自動発動】
└超速再生 【自動発動】
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
えぇなにこれ(困惑)
勇者ってコイツが?しかも全体的に能力値高いし
それに加護にヘラクレスの祝福とかあるし
そこの欄に超速再生とか言うヤバそうなスキルがあるしツッコミどころ満載だけど取り敢えず
満面の笑みで一言
「頑張れ」
「ふぁ!?」
いやー、俺が勇者じゃなくて良かったー
だってヘラクレスって十二の試練とか言う面倒……
じゃなかった大変な偉業を成したからな
それがコイツに降りかかるんじゃ無いかとか
考えてないぞ?
「直樹……何か失礼なこと考えてないか?」
「いやいや全然、ところで光輝はヘラクレスの逸話知ってるか?」
「うん?知らないけど…」
「なら説明しよう、ヘラクレスは十二の試練という
エウリュステウスという王に課せられた
最初はネメアーの獅子という剣も矢も通さない獣を
倒して、次は猛毒を持つレルネーのヒュドラーを(以下略)」
「怪物を倒してその試練を終えて死後に神の座へ至った英雄のことだ」
「へ、へぇーそんな凄い人がこれをくれたのか」
「あぁ、ちなみに俺は悪戯神ロキだ」
「?」
「……知らんみたいだから簡単に説明すると
北欧神話の神々の滅亡を起こした原因だ」
「え?それって神々の黄昏のこと?」
「そこら辺は調べてないが神々の滅亡と言えば
それだろうな」
「へぇ〜そんなヤバそうな神様から祝福を貰ったの?」
「いや、ロキという神は狡猾さでは誰にも引けを取らなかったがオーディンの持つグングニルやトールの槌ミョルニルなどを騙して作らせるという悪知恵を働かして神々を助けたこともある、まぁ最期は滅亡させた原因になったがな」
「そうなんだ、ふわぁ〜なんか難しい話聞いてたら
眠くなってきた」
「そうか、じゃあ先にベットに行って寝といてくれ」
「うん、じゃあおやすみ」
そう言って隣接された部屋に入っていった
「………」
さてどうするか、このスキルとやらの力でも試すか?
いや、そもそも使う相手が居ないな……
本当にどうすればいいのやら
……俺も寝るか、若干怖くはあるが
転移したせいなのか疲れが溜まっており
すぐにでもベットで眠りたいのだ
ベットに横になると睡魔が襲いかかり
意識が遠のいて…………
◇
直樹が眠っていた時、とある場所で初老の神官と
煌びやかな装飾がなされた服を着た男が喋っていた
「おいフレイ、召喚は上手くいったか?」
そう初老の神官に聞く男、どうやら初老の神官は
フレイと言う名前のようだ
「はい上手くいきました。」
「では作戦を実行してくれ……いつかあの憎き魔王を
討ち滅ぼす為に」
「はい、分かりました」
そんなやり取りがされたことにこの二人以外に
誰も知らずに時間は過ぎて行く
おまけ
飛野直樹
主人公であり、とあるトラウマを持つキャラクター
グロいのが苦手であり、なんで異世界転移なんか
したんだよー!と心の中で叫んでいる
何故か、北欧神話のロキに目を付けられている
ちなみに成績は体育以外オール5であり
体育だけ3である、そして神話などに詳しい
広瀬光輝
主人公の友達であり、ムードメーカー
何故か勇者という立場にあり、面倒くさがってる
そしてラノベオタクで、最近は異世界から地球に行くという逆転移ものが好き
成績は体育以外オール3で体育が5という完全に
直樹とは真逆な成績であるが頭は別段悪くなく
ただ単に面倒だからしない、という理由で勉強を
してないからである
初老の神官ことフレイ
直樹達を召喚した張本人であり、何かの計画しているらしいが……
???
初老の神官と話していた謎の男、何かの作戦を計画しているらしいが……




