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絶望領域で少女は恋を知る  作者: 御巫 瑞希
1/3

始まりは

 中学2年生になった紫ヶ崎 篤沙-しがさき あづさ-はイジメにあってる訳ではなかったがいつもひとりぼっちだった。

 気が付けば周りに誰もいなかった。別に寂しくはない、私が側に人を置くことを望んではいないのだから・・・。


 たまにふと思い出す・・・子供の頃、友達が居て一緒に遊んだ記憶や家族に囲まれて笑っていた自分、大切にしてくれていた親兄妹に私へ気を配って下さったご近所の方々。


 幼い私は確かにひとりぼっちではなかった。


 では何故こうなってしまったのか?



 ・・・



 勿論、私はこの現象について知っている・・・というよりかは、心当たりがあると言った方が良いのだろう。


 幼い時、自分の特異点を自覚するまで私や家族・・・両親・兄は普通の子供だと思っていた。

 誰かが笑っていれば一緒に楽しく笑えられ、誰かが悲しんでいれば自分の事の様に涙を流し、誰かが怒っていれば同じ様に怒る事が出来、誰かが喜んでいれば当たり前の様に喜べる素直な子供・・・それが幼い頃の私の特筆すべき特徴であった。


 家庭の中だけであれば微笑ましい素直で優しい幼子だったであろう私が幼稚園へ通う様になった時、事件はおきた。


 幼稚園で友達になった人達が仲違いをしケンカを始めてしまったのだ。


 ぶつかり合う二人の怒りの感情を感じとってしまった私の内面は分別がつかない程ぐちゃぐちゃになった。


 その時私はどうしたかったのだろう?自分と仲良くなった友達二人に仲直りして欲しかったのだろうか?今となっては感情的に動く事は無くなったので、きっとそう思っただろう。


 でもその当時はそこまで考えが至らなかった。幼すぎた、経験値が乏しかった。


 怒りの感情を目の当たりにした幼かった私は心から溢れ出るやるせない感情を受け止めることは出来ず、気を失って倒れてしまった。


 一見、ケンカに関係無い私が倒れて一時騒然となったのは言うまでもなく、それを聞いて駆け付けたらしい母が事の顛末を聞いて何とも言えない顔をしていた・・・と言うのは、例の件で倒れてから数日後我が家の夕食で母を見た兄が父へ語っていた事だ。


 それから私を変な目で見る様になってきたのは幼稚園の面々だった。最初に挙動がおかしいと感じたのは先生達だった。


 子供の面倒を見るのが先生達のお仕事だから、幼い私の面倒を見るのは当たり前だと思うのだが例の件からなんだか私の相手をする時は何だか余所余所しい感じがした。私を見る時の少し気味悪そうな顔を隠して。


 幼い子供というのは育った環境にもよるが、私程の大袈裟な能力は無いが大人の感情を読み取るのが上手だ。


 そんなこんなで、小学校に上がる頃には周りに人が居なくなっていた。最初はイジメかもかもしれないと、思い悩んでいた担任の先生や家族だったがそれすらも杞憂だった。雰囲気に気持ち悪がられはしたけども。

間違いなく更新は亀・・・

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