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第二十七話 聖騎士到着

うーん、なんか体調がよろしくないです。24時更新できなかったらすみませんm(__)m

あと、毎日日刊ランキングの10位あたりを定位置にしていて気分いいです笑

毎日ブックマックが増えていて嬉しいです。応援よろしくお願いします。





「意外に早かったな」

「栗林大臣が頑張ってくれたのでしょう」


 栗林と聞き、俺は土下座をしていたあの男を思い出す。

 まったくすごいとは思わなかったが、やはりあれでも大臣につくだけあるってことか。


「それで? 何人来る?」

「四人ですわ」

「四人?」


 意外に多くて俺は聞き返す。

 せいぜい二人くらいだと踏んでいた。たぶんアーヴィンドも入っているだろうし。


「お父様が増員したのですわ。トウマ様が失敗する可能性もあると言って」

「あのおっさん、相変わらずだな」


 用意周到。今の手が駄目でも次の次の手まで用意している曲者。

 それがアルクス聖王国の現国王だ。

 最悪も想定していたということだろう。さらに俺が倒せたとしても、国家の最高戦力の内、三分の一を派遣することで日本の国民に親聖王国の感情を植え付けようとしているのかもしれない。

 まぁ考え始めればキリがないか。


「しかし、アーヴィンドが来ても仕事ないぞ?」

「まだまだ多くの鬼がいますわ」

「そんな細々しい仕事、あいつには向いてないと思うがね」


 そう俺が言ったとき、後方のゲートから飛空艦が現れた。

 巨大なゲートの中を生身で移動すると目的地にたどり着かなかったり、ひどい酔いに悩まされたりする。そのため移動には飛空艦が使われる。

 しかし、後ろから来たのはただ移動用の飛空艦ではない。堅牢な装甲と軽快な運動性、そして十分な火力を合わせもつ〝戦艦〟だ。

 だが、その戦闘用飛空艦の主砲は火砲ではない。

 乗り込んだ聖騎士たち。それが聖王国の戦艦が備える最強の主砲だ。


「また仰々しいのに乗ってきたな?」

「聖騎士四名が出撃となれば、それはほぼ戦争ですから。移動用の飛空艦というわけにはいきませんわ」

「そんなもんかね、俺には威嚇に見えるけどな」


 そんな感想を口にしたとき、ブリッジのドアが開く。

 そこから入ってきたのは金髪碧眼の騎士だった。白いマントを翻し、銀の鎧を身に纏う。

 甘いマスクを持ち、高身長。だれもが理想とする騎士がそこにいた。


「それは穿った見方だよ。トウマ」

「そうだといいな。しかし、アーヴィンド。そんなことよりも言うことがあるんじゃないか?」

「ああ、そうだね。姫殿下。聖騎士団長アーヴィンド、および三名の聖騎士。殿下の身許に参上いたしました」

「ご苦労様です。アーヴィンド」


 膝をつくアーヴィンドにエリスは慣れた様子でそう返した。

 まさしく騎士と姫のワンショットに明乃や光助は見惚れている。たしかに二人のワンショットは様になっているが、そうじゃない。


「誰が報告しろっていったよ!? 俺に謝罪が先だろ!?」

「謝罪? 何をかな?」

「色々あんだろ!? エリスの護衛を押し付けたり、この一件に無理やり引き込んだり!」

「トウマ、そういう言い方はよくない。私は頼んだ覚えはない。すべて君の善意からくる行動では?」


 この野郎。

 笑顔でそう言い切りやがった。

 ふざけやがって。


「つまりお前は俺の善意に付け入ったわけだな?」

「言い方に語弊があるなぁ。君の善意を信用したんだよ」

「ほー?」


 今にも刀を抜きそうになりながら、俺はアーヴィンドを睨む。

 しかし、アーヴィンドはどこ吹く風だ。


「アーヴィンド。まだ東京には多くの鬼が残っていますわ。その排除をお願いします」

「かしこまりました。姫殿下。すぐに四人で散って対処しましょう」

「お願いします。人命を優先し、かつ圧倒的な戦果を見せねば日本政府は納得はしませんわ。自らのプライドを曲げ、わたくしたちに頼ったのです。それに答える義務がわたくしたちにはありますわ。よいですね?」

「はっ。姫殿下の御前です。我ら聖騎士、その名に恥じぬ戦いをお見せすると誓いましょう」


 そういうとアーヴィンドは立ち上がり、マントを翻してこちらに背を向ける。

 そのままドアの近くまでいき、立ち止まる。


「そういえば言い忘れていたよ。トウマ」

「あん? 謝罪か?」

「いや……おめでとうと言っておくよ。ようやく前に進めたね」

「……余計なお世話だ」

「それはすまなかったね。けど、私は嬉しいよ。また君が守りたいと思える人に出会えたのだから」


 そう言ってアーヴィンドは明乃の方に視線を移す。

 アーヴィンドに見られた明乃は緊張したように背筋を伸ばした。


「あなたがアケノさんですね?」

「は、はい」

「トウマは立派に騎士をしていましたか?」

「えっと……たぶん」

「そうですか。それはよかった」

「俺は騎士じゃないぞ」

「わかっていないな。トウマ。人を守るとき、誰もが騎士になるんだよ」


 そう言ってアーヴィンドはブリッジを出ていく。

 後ろから銃で撃ってやろうかと思ったが、さすがにそれをすると艦のどこかが壊れるかもしれないからやめた。

 それにどうぜその程度じゃアーヴィンドは動じない。

 昔、ムカついていきなり斬りかかってみたが、普通に避けられたし。


「相変わらずいけ好かない奴だ」

「おい、斗真。イケメンへの嫉妬は醜いぞ?」

「ふざけんな。だれがあいつの顔がいけ好かないって言った? 俺がいけ好かないのはあいつの性格だ」

「同じ五英雄なのに仲が悪いんですか?」


 明乃の問いを聞き、エリスがクスクスと笑い始めた。

 あまりにも的外れな質問だったからだろう。


「明乃、五英雄ってのは魔王を倒した際に生き残っていた五人のことを言う。仲良しこよしのチームじゃない。俺以外は全員、我が強くて性格破綻者しかいない」

「十分、斗真さんも我が強いと思うんですが……」

「類友ってことだな。全員、斗真みたいにどこかおかしいってことなら確かに仲良くはできないだろうな」

「おい、親友。お前の理論だとお前もどこかおかしいって話になるぞ?」

「俺は性格破綻者でも友達になれる器の広い男だからな」


 ここにもいけ好かない奴が一人。

 どうして俺の周りの男はまともなヤツがいないんだ。

 別に強くなくていいから、性格的に安心できる奴が一人くらい欲しいもんだぜ。


「聖騎士四名。出撃いたしました。状況報告は必要ですか?」

「いえ、必要ありません」

「え? いいんですか? お見せするって意気込んでましたけど?」


 明乃の言葉に俺は軽く笑う。

 アーヴィンドの言葉はそのままの意味じゃない。まだまだ鬼が多くいるとはいえ、手強いのは俺たちが片付けた。もう聖騎士からしたら弱敵しか残っていない。

 そんな相手と戦う姿をエリスに見せる気はアーヴィンドにもない。


「いいんだよ。あれは戦闘を見せるって意味じゃない。結果で見せつけるって意味だ」

「そうなんですか?」

「ああ。さて、俺はひと眠りしようかね」


 そう言って俺はブリッジのドアへ向かう。


「トウマ様が使っていた部屋はそのままにしてありますわ」

「お? マジか。じゃあ使わせてもらうわ」

「いいんですか!? 斗真さんが姫殿下の護衛をするんじゃ……」

「ん? もう必要ない。聖騎士というか、アーヴィンドが来たならもう俺の仕事はない。お前らも休んだほうがいいぞ。どうせそのうち終わる」


 そう言って俺はブリッジを出る。案内のために女従者がついてきて、俺が使っていた懐かし部屋に案内してくれた。

 そこで懐かしさを楽しんだあと、俺はすぐにベッドで目を閉じた。

 その後、俺は数時間後に起こされた。そのときには何もかもが片付いたあとだった。

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