表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/43

魔法。試しました

魔法の設定が出てきます。 ちょこちょこ変える予定あり。

あの衝撃的な光景から3年余りが経過した。 


 身体はスクスクと成長を遂げている。今では普通に立って歩く事が出来る。


 快適だ、子供の体というのはなんて快適なんだろうか。羽のように軽い、何をしても自身が成長していける実感を覚える。あぁ、最高だ。


 歩幅は小さく。世界が広く見える。家の中が巨大な要塞のように大きく見える。これが後数十年もすれば、少し窮屈に感じる事になるのだろうか。いや、この家は普通に考えてもかなり広い。外には広大な自然が広がっている。現世とはまるで違うこの世界には、たくさんの不思議が待っているんだろう。


 そんな期待を胸に膨らませながら。俺は、自分でも魔法が使えないか、模索していた。

 

 魔法を覚えるのにはどうするべきか? 


 実際に魔法を使える者に従事して、血のにじむような努力をしながら覚える。これは良くある方法だ。フィクションの物語では良く使われている王道の方法。


 あるいは、魔法の事が書かれている書物を読み漁り、知識をつけて覚える方法だ。これも王道だ。魔法を覚えるのに適した方法だ。上記のような手段よりは、比較的安全に習得する事が出来るだろう。


 さて、魔法を覚えると言っても、まず現状を把握する必要がある。俺が知っているのは母親であるアイリーンが魔法を使えるのは確認している、あの時傷を治したのはれっきとした魔法だ。体を包むような暖かい風が傷口を一瞬で元のツヤツヤお肌に戻してしまった事実がある。


 オルバとサリーはどうだろうか?

  

 二人が魔法を使えるのかどうかは俺は見た事がない、オルバは…… 彼は魔法が使えそうには見えない。あの屈強な体に肌身離さず身に着けている茶色い革袋に収まっている剣を見る限り。生粋の剣士だろう。あれで実は魔法の方が得意だと言われたら。俺は驚愕してしまうかもしれない。


 じゃあ、メイドであるサリーはどうなのだろうか? 良く考えると。同じ家に住んでいながら俺は彼女の事を余りにも知らない。


 前に聞いた彼女の情報は、彼女が狐族である事を聞いた記憶がある。だが、そもそも狐族とはなんだろうか? 種族名である事は確かだが、オルバやアイリーンとは別の人種なのだろうか?


 俺は、何故彼女があの家に居て、メイドみたいな事をしてるのか。彼女の素性は何一つ知らない。


 彼女の特徴的な部分はやはり頭からぴょこんと可愛らしく生えている。ふさふさの耳だ。それ以外は、特にアイリーンと変わりはないように見える。アイリーンはおっとりとして、包み込むような風格がある。それと、彼女は表情豊かで、見ているこっちも楽しくなってくる。


 対してサリーは、表情が分かりにくい。無表情という訳ではないが、普段は凛としたたたずまいで従事している。彼女が本気で泣いたり怒ったりした所を見た事がない。ただ、アイリーンと一緒に、俺を抱き上げて覗き込んでくる顔には、ほんのりと優しい笑みを浮かべている。その顔は、見惚れる程に、綺麗だと感じていた。


 それと、これはオルバには絶対に秘密にしなければいけない事があるのだが。彼女に抱き上げられた時に感じる。圧倒的な柔らかさと温もり、その身にしまいこんでいる確かな双丘の事実は俺だけが知っている秘密だった。


 あぁ、しかし今となっては、俺が一人で歩く事が出来るようになったからか。その温もりを感じる事も

少なくなってしまった。非常に残念な事だ。


 話を戻して、まず、魔法を覚える手段についてだ。


 誰かに教えを乞う、それが一番いい方法だと思っていたが。良く考えたら、俺のこの年齢で魔法を教わろうと言うのはいささか可笑しくはないか? 例え言った所で子供の与太話だと誰も話を聞いてくれないだろう、もしかしたら危険だからと断られるかもしれない。


 魔道書がないかウロウロ家の中を物色していた、我が家にある本は少ししかなかった。


この世界では本は高価なのかも知れない。かなり古びた装飾をしていて。分厚い専門の辞典なんかよりも分厚い本だ、これが薄い本や絵本程の厚さなら読みやすかったろうに…


 当時の俺はまだこの世界の文字が分からなかった。言葉は分かるようになっていったが 読むとなると別物であった。日本語は喋れても感じが読めないのと同じだった。 


 幸いにも アイリーンが良く本を読み聞かせしてくれたおかげで。


 この世界の文字は読めるようになっていった。俺が分からないと思ったところを指差すと、丁寧に復唱してくれる、彼女の声は聴いているだけで安心する声色をしている、俺の癒しの時間でもあった。


 生前は勉強など嫌だったのに。今は凄く楽しいと感じる。何かを覚える事がこんなに楽しいと思うなんて、この体の物覚えが良いのか、又は教え方が上手かったか。俺はすらすらと文字を覚える事が出来た。


 家にあった本で、印象に残ったのはこんな感じだ。

___________________________


【5大陸の変動】

グランスバニア大陸が出来る経緯、魔物が蔓延る危険な場所や観光名所等が乗っていた


【オークでも分かる魔法教育】

魔法の基礎知識と中級までの魔法が書かれている。


【英雄オルランドゥの迷宮探訪】

この世界に3つの流派を残した英雄オルランドゥが世界の迷宮を渡り歩いた伝記物である


【竜王デルガンドル物語】

1000年前からの生ける竜王デルガンドルの逸話が載っている


____________________________


 他3つは流し見程度に


 俺はオークでも分かる魔法教育を読みつくした、日が落ちるまで何度も読み明かした。


 時々サリーが様子を見に来ては、不思議そうに見つめていた事もある。


 この本では魔法の基礎と言われる内容が載っていた


1・魔法は攻撃魔法、治療魔法、特殊魔法がある 

  火 水 風 土の4大攻撃魔法 

  治療 解毒による治療魔法 

  身体強化 空間制御、召喚魔法による特殊魔法 

 純粋な魔道士が使うのは攻撃魔法と治療魔法の2種類である。特殊魔法を使える者は限られた種族や、特殊な環境で生まれた亜人者が使うと書かれている。


2・魔法には 初級 中級 上級 聖級 超級 天級 魔級 神級とランクが決まっている。

  上級を使えし者は魔法を教える事が出来る。

  聖級を使えし者戦場にて要となる者である。 

  超級を使えし者はその魔法の使い手として歴史に残る

  天級を使えし者は時代において英雄となる存在である

  魔級を使えし者は人の身においてあらず 魔族の王のみに許されし魔法である。

  神級を使えし物はおらず その魔法は神のみにより許されし魔法であり天変地異を引き起こす。


3・魔法の適正は資質、種族、環境により決まる 


4・魔力の総量は、本人の資質と魔法の熟練度により決まる。


5・魔法は詠唱と魔法陣により成り立つ。 

 


 非常に興味深い内容だった。俺は心が躍った。すぐにもこの体で、魔法という未知を掌握したいという欲が溢れ出ていた。


「まずは、魔法の適正を知らなければ行けないな」


「もしかしたら転生者だから攻撃魔法全属性神級、俺だけの特殊魔法も使えたりして、むふふ… いやいやそれはないか」


 生前の苦い記憶がよみがえる、そこには何をやっても長続きせず、才能も持ち合わせてなかった自分の姿が脳裏に映る。


「とりあえず4大攻撃魔法の中級までは載ってるから 初級から一つ一つ試していくしかないな。」


 思い立ったら即実行だ、俺は前世の自分を反面教師とし、この世界では努力を諦めないと誓う。努力を怠ると録な事にならない、前世で痛いほど知っている。青春時代、何事にも全力を出さず、流されるままにのらりくらりとしていた自分、今の積み重ねが未来になるのなら。あの時何もしていなかった自分が苦労するのは当然のことだったと今なら分かる。


 俺は本を持ち出す、そうして、あの事件以降厳重に鍵をかけられた倉庫まで来ていた。 


 厳重に絞められた扉だが、鍵が無いわけではない、俺は倉庫裏側。小さな窪みにしまわれていた鍵を取り出す。


 中に入る、相変わらずの真っ暗闇だ、だが今回は前回とは違う。俺は前もって準備しておいた灯りを照らす、こうしてみると中は広く、奥の方にはガラクタかお宝か判別できない物がゴロゴロと無造作に置かれていた。


 俺は周りの物をどかしスペースを作る。適当な大きさを確保する。魔法の練習場所としてはうってつけであった。


「ここなら好きに練習ができるな。」


 俺は本を広げ。そこに書かれてある内容を読み取る。魔道書にはこう書かれていた。「魔法には詠唱を唱えて発動する。まずは初級から実践すべし」詠唱、このいかにもな感じの単語を読み上げるのか、これで魔法が発動できるのか怪しい所だが…… 試すしかないだろう。


 俺が読み上げるのは初級の水属性初級魔法。


 シャボンウォーター。


 これが、俺の唱える最初の魔法となる。


 手をかざし、本に書かれている通りに詠唱を唱える。


「水霊の力よ!水沫よここに集え!シャボンウォーター」


 体の中の血液が沸騰しそうになり、体の芯から不思議な感覚が湧き上がる。これが魔法を行使するという事なのか?


 掌に不思議な感覚が走る。小さな水の球体が掌から抜け出るように離れ出て行く。体の内から外に出ると言う感覚に嫌悪感が湧き上がる。水の球体は、ふわふわと宙に浮かんだあとにバチンっという音と共に破裂した。


「今、水がふわふわって、掌から、…すげぇ!!」


 水の球体出しただけである、だが俺は、自分が魔法を使えたという事実に打ち震えていた。こんな感覚は何時以来か…… 前世でも小学生の頃以来か…


 体中が震えている、魔法を使った実感をしっかりとその身に味わっていた。


「詠唱してる時に血液が流れて集まる感覚、あれが魔法を使うということか」


 イメージを忘れない内にもう一度詠唱を唱える。


「水霊の力よ!水沫よここに集え!シャボンウォーター」


 また血液が流れる感覚、掌に一点に集中され、水の泡がポンッと音をたてベチャリと消えていった。


「すげぇ!すげぇ!」


 興奮してこれ以上のない感動を覚える。 もっと、もっと魔法を使いたい!!


 ここで悪い癖が出る、成功の経験が少ない者は一度成功するとすぐに調子に乗りやすい。


 俺は無謀にも、初級魔法をすっ飛ばして。火属性中級魔法ファイアーストームのページを開く、そしてすぐさま詠唱を唱え始める。


「これだな、ふぅ…… 炎よ、敵を焼き払い大地を焦がせ!ファイアーストーム!」


 先ほどと同じ感覚が広がり 地面に置いた手が熱くなる。 


 魔法陣の中が赤く染まる、書いてある通りだと、次は火柱がその中から飛び出すのだが。


 唱えた魔法は魔法陣を赤く染めただけであり、火柱は起こらなかった。


「おかしい、失敗?ちゃんと詠唱はしたはずなのに…… あれっ? 」


 視界がぼやけ、急激に眠気が全身を襲うい意識が遠のいていく。意識を保とうとするが、体は言う事を聞かない、そのまま俺は深い眠りへと落ちていった。 

詠唱考えるのが楽しいですね もっとカッコヨク 長くしたいです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ