嵐 さらばラカ
敷地内を駆け巡りながら思うのは、既に時間が立っていた事。既にあいつらは居ないだろうと。だが何か手がかりでもあればと、手当たり次第に詮索していった。
当然、見ず知らずの奴がウロウロすれば、何事かと人は集まってくる。今は構っている暇はないので見つかっても構わずに駆けていく。
「何だこいつら!? お前ら一体何処から入ってきた!?」
おっと、増援を呼ばれると厄介だ。ちょっと大人しくしてもらうとするか。
「ディバインフォース!」
蔦が絡みつき、魔族の男を拘束する。もがき逃れようとするが、その度に絡みつき、あっけなく拘束される。
「離せ、糞、ビクともしねえ。なんだこの魔法は……」
俺の自慢の魔法だ、おいそれと抜け出されでもしたらかなり傷つくよ。
「聞きたいことがある。俺は盗まれた物を取り返しに来ただけだ。そしてそれは、スイッツとシャンという二人に持ち出された。そいつらは今何処に居る?」
「はぁ!? 知るわけないだろ」
縛りをきつくする。
「グェェェェェ」
「吐かないと折れるぞ」
「知るかそんな事、さっきまでは居たけどもう見てねえよ!俺だってあいつらにはうんざりしているんだ。最近入ってきてやりたい放題だ、最近じゃ良くない事も色々としているみたいだしよ。知るかバカ野郎。
なんだ?あの二人は意外に信用されてはいないのか?これ以上聞いても答えてくれなさそうだ。見てないという事はもう中には居ないだろうしな。
「ねぇ、もうここには居ないんじゃない?」
「そうかも知れない。一旦フェルと合流するか」
「おい、これを外していけ。」
もがき苦しみそうにする魔族の男。だがここで解放して増援を呼ばれても困るしな……
「俺が居なくなったら外すように仕掛けておく。だが俺がまだ中にいる間は解けないからな……」
さて、外に出てフェルの元へ向かうか。
「おい、置いてくな。離せバカヤロー!」
外に出る。そこには、何時も俺達を心配し、何かあると自分よりも他者を優先する心優しい青年の姿が見当たらなかった。
「フェルは何処にいるの!?」
「追いかけたのかも知れないな、何処に行ったかまでは分からないけど。」
「とりあえず探しに行くわよ!」
「探すと言っても何処にだ。情報はないのに…… クソっ!」
町全体を回るか?そうしたらますます時間が…… フェルが追いかけているのなら心配はいらないとは思うが万が一もある。どうするか、その時だった。偶然にしては出来すぎな。今そこに、一番欲しい形で男が現れる。アラビアンな恰好の不思議な男の、この町に来て最初に出会った人物。
「おや旅人さん、これは奇遇ですな」
「フン!?どうしてここに?」
何で此処に?そう思ったが。今はそれどころではない。この人なら何か知っているかも知れない。
「フン、今仲間を探しててね、何処に行ったか見てないかね。紅い髪をしたモデルにしたらたちまち有名になれそうな、誇れる長身の男だ。
「モデル??何の事かは分かりませんが、あなた達と一緒に居た魔族なら、先程見ましたよ。あれはかなり急いでる様子でしたなぁ…」
「それはどっち!?」
「こ、この道をずっと進んだ先に見える山を目指してください。ですが、お気をつけて、今は豪雨が降り注いでいます。足場は崩れ、川の流れが激しく。もし流されでもしたら無事ではすまないでしょう」
「分かった、よし、急ぐか行くぞ」
ラカを出て数分、穏やかだった空は、暗い雲に包まれた。道を進む度に天候が怪しくなり、とうとう雨がザァザァと降り注いできた。山道を進んでいく。足場は悪く所々土砂の崩れが見える。崖下に見える川の流れは穏やかな日には多種多様な魚の群れが集い、プカプカと優雅に日光浴でもしてるであろう光景が見えると予想をたてる事が出来るであろうが。今の状況は、まさに水の反逆だ。木々が倒され流木が下流へと流れていく。もし落ちたら助かる見込みはないだろう。
「ひどい嵐ね…… そろそろ見えても良い頃だと思うんだけど」
視界が悪い中進んでいき、やがて上流へとたどり着く。そこで目にしたのは複数の魔族に囲まれたフェルの姿だった。紅い髪をなびかせ迫りくる敵をなぎ倒していく。奥の方にはスイッツとシャンの姿も見えている。
「はぁ!!」
フェルが軽快な槍さばきで次々と襲い掛かる連中を裁いていく。何人でかかろうとフェルにかかれば赤子も同然だ。飛ばされた魔族達はそれぞれ倒れこむ。
そして周囲の警戒は怠らず、俺達のが来た事を察知したらしい。小さく目配せをする。
「シトラス、ヒロ、ようやく来たか…… 随分手間取ったみたいだな」
「えぇ、すいません、罠に引っかかってしまってました。」
「気にするな、無事ならそれで構わない。俺も追跡しただけでまだ取り返してはないしな」
「ちっ、あの時のガキどもか」
「ここにいるのはただの子供じゃない、俺が居なくてもお前ら如きなら余裕で殲滅出来る優秀な奴らだ。さぁ、逃げ場はないぞ。大人しく盗んだ物を返すんだな……」
「そう簡単にいくかよ!出てこいお前ら」
何処に隠れていたのか、武装に包まれた魔族がうようよと出て来て、俺達は囲まれてしまった。
「うわっ…… これは」
「落ち着け、集団の魔物と戦った時と大差ない、一人ずつ確実に倒していくぞ」
チャキっと構え直すフェル、俺も両手を突き出し魔法の準備にかかる、しかし一人だけは
「こういうのは頭を叩けば勝ちなのよ とっとと終わらせるわ」
「待て! 早まるな!」
ダッと翔るシトラス、それが合図となったか魔族達も一斉に襲い掛かってくる。
「チッ… こうも数が多いとな…… フッ!」
ザシュッ ザシュッ…… 的確に急所を突き刺すフェル、次々と彼に立ち向かっていく魔族の集団。中には手練れであろう殺気を出すものも居たが。それをものともせずに斬りつけて行く。多勢に無勢、フェルの動きを遮るぐらいにしかならない。俺はフェルは大丈夫だと信じて、シトラスの援護に向かう事にした。
「俺はシトラスの援護に行きます、ここは任せても良いですか?」
「あぁ、大丈夫だ、俺の事は良いから早く行け」
「はい!アクセルウィンド」
風を纏いシトラスの援護に向かう、凄いスピードで駆けるシトラスに、武装した魔族が立ちはだかるが。それをものともせずに薙ぎ倒す。
そして、スイッツとシャンの前に躍り出る。
「あの罠を抜け出すとはな。ただのガキと侮っていたよ。だが捕まるわけにはいかねえ。お前ら如きなんかにな!」
「スイッツ、油断はなりませんよ。気を付けて…… 魔道士の方は私が抑えます……」
「はああああああああ!!」
シトラスの先制攻撃、紅蓮の一太刀が、空を斬る。すんでの所で躱されたらしい。奴は転がりながら再度距離を取る。追撃をかけようとするシトラス。だが彼女はその場で怪訝そうな顔をする。
「チッ……」
舌打ちをし、腕を抑える。良く見ると腕から血が流れている。躱された時に刺されたのか?しかし、考えている暇はなかった。スイッツの隣ではシャンが杖を掲げ詠唱を始めていた。焦げるような臭いがする。この感じは、炎の魔法か!?
「ハァァァ 炎よ、灼熱の業火を以て立ち塞がる障害を燃やし尽くせ!そして己の未熟さを呪うがいい。ギガフレイムショット!」
シャンの頭上に巨大な火球が出現する。メラメラと高温の熱を帯びながらその炎はこちらに直線に向かってくる。嵐の中をものともしないこの熱気!! すさまじい威力だ。
「ヒロ、任せた!」
シトラスが構わず突っ込んで行く。防いでくれると信じているのだろう。なればここは防ぐしかない
「うん、任された」
シトラスが火球と対峙する、俺はその後ろから特大の魔法を叩き込む。
「穿て!アクアブラスター!」
俺の水龍を火球へと飛ばす。魔法のぶつかり合い。わずかに俺の方が勝ったか…… 巨大な火球を、水龍が飲み込んで行く。その中をシトラスが駆けて行き。魔法を使った後の無防備となったシャンを捉える。
「終りね、さようなら」
「グッ!!!」
一閃、シャンの体が半分になり、上半身が宙に舞う。シトラスの猛攻は止まらずそのまま突進していく。
残るはスイッツだけだ……
スイッツは大事そうに小袋を抱えていた。おそらくあの中にあるかもしれない。
そこを逃すシトラスではない。強靭な脚力で一気に間合いを詰め、その脳天に思いっきり蹴りをくらわす。
「ぐぇぇぇ」
地面をすさまじい勢いで転がるスイッツ、崖の端にまで転がされ後ろには足場がない、下には激流。ついに追い詰めた。シトラスが止めとばかりに近づき紅蓮を上段から振り下ろす……
だが……
「グッ……」
グシャっと地面に倒れるシトラス。
「シトラス!?」
どういう事だ? さっきまであれほどの動きをしていたのに…… いきなり倒れ込むなんて。
「やっと効いてきたか。良くもスイッツをやってくれたな。えぇ?」
「体が、痺れて…… クッ」
「必死に体を動かそうとしても無駄さ。今お前は全身が軽いマヒ状態にかかっているからな、さぁ人質となってもらうぜ」
ガッと乱暴に彼女の首元を掴み抑える。そして嫌らしい笑みを浮かべながら距離を取っていく。
「シトラスから離れろ!! どうなっても知らないぞ……」
構えるのはアクアブラスター、
しかし、余裕そうな笑みを見せ、シトラスを面前へと突き出す。クソッこれでは彼女に当たってしまう。
「俺を逃がせ。そうすればこいつは助けてやる。」
「なんだと!?」
こいつを逃がす?冗談じゃない。しかし、掴まれたシトラスがうめき声をあげる。このままでは彼女の命が…… 糞っ、指輪と彼女の命、どちらが大事か。
指輪も大事だ、大切な繋がりだから。しかし、しかしだ。シトラスに比べれば、ここで諦めて、彼女が助かるのなら、ここまでついてきてくれて。支えとなってくれた彼女、その彼女を失うのは。俺は絶対にしたくない、例えそれで彼女がどれほど怒り、俺を失望したとしてもだ。それはフェルだって同じだ。
「分かった。指輪は渡す。彼女は助けてくれ…」
「ヒロ!?」
「良い返事だ。俺が逃げるまでそこを動くんじゃないぞ」
スイッツがその場を動こうとする。シトラスの表情は暗い顔をしている、失望か、はたまたこうなってしまった無念か。だがそれで彼女が助かるならば……
その時、気候がさらに荒れる。今までもかなりの風と雨だったが、ここにきてさらに激しい。身動きするのすらためらわれる暴風が襲ってきた。
「おっと……」
スイッツが若干体制を崩す。その時だった。
「はああああああ」
シトラスが叫び、奴の支配を逃れる。
「馬鹿な、まともに動けない筈じゃ!」
「うぉおおおおおおおおお」
ガッ
「あっ……」
シトラスが渾身の力でスイッツの抱える小袋を弾いた。袋の中から緑に輝く小さな物体が宙を浮き、そのまま崖の底へと落ちていく。
「指輪が……間に合って!!」
「ガキが!!」
シトラスは指輪の動きを追っていた。
スイッツは激情し、逆手に持ったナイフを彼女の首元へと振り下ろそうとしていた。
「ギャアアアアア」
血が飛び散る。だがその血はシトラスから噴き出た物ではない。その血は右腕を失ったスイッツから出たものだった。ナイフは振り下ろされず、跡形もなく消失する、奴の腕を水龍が食いちぎった。
「はぁ…はぁ…」
俺は渾身の一撃を、アクアブラスターを放った。撃たなければ、彼女が殺されていた。血を吹き出し。悶絶するスイッツ。その場に倒れこみ痛みを必死に耐えている。
指輪は落ちていく。光が視界から消えかかり、底暗い水の中へと、その時彼女はとんでもない行動に出た。彼女は落ちた指輪に向かい何の迷いも無く飛び込んだ。下は荒れ狂う激流の中に。
「シトラス!?」
彼女は空中で手を伸ばすと、指輪を空中でキャッチした。彼女はそれでやり遂げたかのように柔らかな笑みで眼をつむり、そのまま激流の中に消えて行った。
「ッ……!!」
急いで追いかける。シトラスの姿が見えない。当然だ。木々をも薙ぎ倒すほどの激流。彼女が耐えられるわけがない。しかも体はマヒしていて自由に動かせない筈だ。泳ぐ事も脱出する事も不可能……
「ウォオオオオオオオオオオ」
激流の流れを止める為に水を凍らせていく。そこを足場としシトラスの無事を祈りながら下降へと進んでいく。彼女は無事なのか?
「あっ!」
やがて水の中からシトラスの姿を確認出来た。
「まずい!」
頭でも打ったのか、漂流物に当たったのかは分からないけど、気絶しているじゃないか!このままではシトラスが危ない。なんとか激流から外さないと。
「トルネード!!」
シトラスを中心に小さい竜巻が発生する。見事に宙に浮かせることに成功した俺は、アースフォートレスで宙にいるシトラスを抱える。
「レビテーション!」
風を操りゆっくりと崖下に着地する。近くに洞穴があった為、そこに彼女を連れていき、安静にする。体はボロボロで外傷が目立ち、所々皮膚が切れ、血が出血している。アイズキュアを何度かかける、傷は治った後は意識が戻るのを待った。呼吸はしていたが。俺は気が気ではなかった。彼女は、自分の危険を顧みず、無くすかと思われた指輪を守ってくれた。それは彼女が意識を失ってもしっかりつかんで離さないで居てくれる。
「無茶してくれるよ……本当に」
恩返しと言っていた彼女、それが自身の命を懸けてくれる程の物と改めて理解した。思わず泣きそうだった。
しばらくすると、彼女の眼がゆっくりと開いた。俺は肩の荷が下りたように緊張の糸が途切れ。抑えられない気持ちに襲われた。
「シトラス!!」
抑えきれない感情が溢れだし、たちまち抱き着く。意識を取り戻してくれた安心に、思わず涙が零れ落ちる。
「ちょっとヒロ!何やって、って何で泣いてるのよ」
「良かった……良かった……」
しばらく彼女に抱き着き涙を流す、彼女は何がなんだか分からず放心していた。しばらくした後、彼女に事の顛末を話す。シトラスは少し
「そう、私、おぼれていたのね。確かに流された後の記憶があいまいだわ。また、助けて貰ったのね……私は。ありがとうね、ヒロ」
申し訳なさそうな笑顔を見せながらお礼を言うシトラス。俺はそんな顔をしてほしくはない……
「ほら……これ、貴方の大切な物でしょ」
大事に手に握りしめてくれたであろう、シトラスの手から指輪が出てくる。
「シトラス……」
それを受け取り、小指に着ける。大切な繋がりが戻ってきた実感を感じた。
俺の為に、君はその命を懸けてまで…… 俺はもう一度抱きしめる。
「ちょ…ちょっと……戻ってきたんだからもう泣かなくても良いでしょ」
「違う、君が、俺の為にそこまでしてくれるなんて、本当に……本当に…ありがとう……」
不思議な気持ちだった。自分の為に命を懸けてくれる人の存在のありがたさが…… こんなにも心地いいものだなんて。
「言ったでしょ。恩返しって…… でも、また助けて貰っちゃったけどえ。ねぇ、今度はちゃんと私に返させて頂戴。良いわね」
「うん。分かった」
「うっ… まだ体のしびれが残ってたわ、少し横になる……」
そうして横になり、寝息を立てるシトラス。彼女の表情は、安らかな可愛らしい顔をしていた。
俺も一緒にその場で休息をとる。しばらくすると、雨が止み空には輝かしい晴天が顔を覗かせていた。
「ヒロ!シトラス!」
遠くから俺達を呼ぶ声がする。俺は体を起こし、その声のする方へと向かう。
「フェル!」
「そっちか?」
フェルが崖から飛び降り、こちらへ向かってくる。小脇に一人の死体を抱えて、俺はそれがスイッツである事を悟った。
「無事か、お前ら」
「えぇ、なんとか無事です。指輪もこの通りに」
そういうとフェルはニコリと微笑んだ。
俺はピクリとも動かなくなっていたスイッツの死体を見つめる。さっきまで喚き、動き、憎たらしく思っていた男は、血を流しながら死んでいた。もはや動くこともない。
体の節々に傷があるが。一番被害があったのは肩の根本から無くなっている右腕だった。俺の水龍が食いちぎった所だ。
「奴は。既に虫の息だったが最後まで抵抗してきた。止めを刺したが何もしなくても時間の問題だっただろう」
「そうですか。俺は、こいつを、殺したんですね」
初めて人を殺めた。例えそれがやむをえなかった状況であっても。俺の魔法で……
「そうだ、お前はこれから、こういう事が良くある、もしかしたら、また自身の手で殺めるかも知れない。それは必要だからかも知れないし、不可抗力だったかも知れない。もしかしたら助けようとした結果かも知れない。こんな世界だ。明日には俺達が殺されているかもしれない……だがな」
そういうとフェルは俺の頭に手を置いた。それは優しく、暖かさのある感触だった。
「お前の行動で、救える命もあるという事は覚えておけ」
肩に重みがのしかかる。シトラスが慰めるかのように顔を肩に乗せ、同じように頭を撫でられる。
「そうよ、少なくとも私はもう二回もヒロに助けられたんだから。」
救われた命がある、奪った命もある。これから俺は、どちらの道を取るか、選ぶ時が迫られるんだ。それは、前世では考える事すらしなかった事。この異世界の、本当の厳しさを実感した気がした。
ラカの町まで戻ってくる、しかし長居はしなかった。まだ町の人には知られてはいないだろう。俺達は足早にこの町を去ることにした。
出口に出ようとすると、そこにはフンが居た。彼は俺達を待っていたかのように
「おや、旅人さん、もう出発するんですの?」
「えぇ、色々と有りましたからね、もう居る意味も無いですし」
「災難でしたね。あぁ、美しいこの町が……およよ まぁ諸悪の根源も居なくなりました。あの人達はゲスでした。使えなくはなかったのですが少々ウンザリしてましてね、何はともあれこれでラカは多少はマシになるでしょう。次に来てくれる時は、本当のラカをお見せしますよ。協力ありがとうございました。」
「フンさん、まさか、貴方が……」
「ふふふ、それ以上は詮索してはいけませんよ。 貴方達の旅がより良い物となるよう、祈りを捧げます。
「っつ…… 食えない人ですね」
全部最初から掌の上だったという事か、恐ろしい人だった。
だが、俺達の目的は別にある、故郷へ戻るため、家族を探すため、俺達は次の町、モールガへと足を進める。




