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リンカネ☆最強魔道士ヒロの異世界冒険  作者: レヴァナント
少年期 ブランド大陸編
21/43

魔人ゴーレムの洞窟


広大な平原を真っ直ぐ進んでいく。


フェル曰く、このままずっと真っ直ぐ行くらしい。整備された道も無く、本当に向かっているのかは怪しい所ではあったが。


フェルが居なければ辿りつくことすら出来なかったろう。


道行く中、獲物を待ちわびてたとばかりに魔物が襲いかかって来た。


そいつらをバッタバッタと薙ぎ倒していく。


シトラスが最前線に立つ。


彼女は支援より、後ろを顧みずどんどん前に突っ込んで行く方が性にあってる。


そのすぐ後ろにフェルが立ち、シトラスが仕留めきれなかった魔物や死角からのカバーをしている。


歴戦の戦士だけはある。フェルの行動には無駄が一切無い。的確に確実に一撃で仕留めていく。


彼らが対処できない空中への魔物は俺が遠距離から魔法で倒すといいった流れだ。


正直、二人だけで大体片付いてる為、俺の出番がほとんどない…


今も赤いレッドウルフの群れと交戦中であるが。もうじき片もつきそうだ。


その時後ろの茂みからガサガサと音が聞こえた


振り向くと、1匹のウルフがこちらに突進してきた。


俺はすかさず腰よりエイフリードを抜き、ウルフに切りかかる。


「発動!エアスト! 炎よ纏え!フレア」


炎の魔力を注いだエイフリードでウルフに切りかかる。 


ウルフはエイフリードを避けずに逆に噛み砕こうとした。


しかしウルフは噛みついた瞬間に自信の行動を後悔した。燃え盛る火炎が体を包み、その身を焦がしていく。やがてウルフは黒コゲになり息絶えて行った。


「こういう隙を狙ってくる魔物もいるよなぁ、気を付けないと。」


エアストを解除し剣を収める。その光景を、シトラスがじっとのぞいてる気がした。


俺達は道を進みながら、小さな川辺に辿りついた。


「ふぅ、ここら一帯はとりあえず片づけたようね」


「あぁそうだな、今日はここで一晩明かそう、この調子だと予定通り辿りつけるはずだ。」


その日の食事はザイーラより調達した干し肉の物、川で取った魚を丸焼きにしたもの、フェルが何処かからか持ってきた凄く甘い木の実を頂いた。


食事も終えた、フェルは辺りの見回りをしてくると言った。一晩寝ないつもりだったので途中変わろうかと言い出したら。


「心配するな、俺は丈夫でな、前に戦争の時は80日は寝ずに戦ったこともある。


と言った、底なしの体力である。俺は言葉に甘えることにした。


「さて、ヒロには稽古をつけてあげるわ、感謝しなさい。」


「よろしくお願いします。」


シトラスとの稽古を始める、やるべき事はシトラスの動きに着いていくことだ。


シトラスより早いゴーレムに出くわした際、何も見えずに倒されてしまうのを避ける為があるためだ、


例え攻撃を与えられなくても逃げれるようにはしないといけない。その為に慣れておく必要があった。


「最初に言っておくけど、手加減はしないわよ、というかできないわ!」


シトラスが構える、構えはするが互いに剣は持っていない、腰には訓練用の木刀が添えられているがまずは使わないでと言った所か。


「行くわよ!てりゃああああ」


ドンっと深く沈み込み、虎のような跳躍でかけてくるシトラス。あっというまに懐に入り込まれる。


「フンッ!」


「クッ!」


叩き付けられた拳をなんとかガードする。


肘がジンジンと痛む、ガードじゃもたない!


「もういっちょ!」


今度はガードが間に合わず、俺はもろに喰らってしまう。


「グフゥ…」


骨がミシミシと音がする、下手すれば折れててもおかしくはない、


「一旦下がって…」


アクセルウィンドで距離を取る。


「キュア…」


痛みが引いてく。


「まだまだ行くよ! オリャリャリャリャ」


接近し連打の嵐。ガードに精一杯で返すことが出来ない。


「フンッ!!」


腰を深く入れて大振りになる、それを見逃さない。


「いまだ!」


カウンターを合わせるように、体を捻り拳を突き出す。。


「甘いわ!セイッ!!」


突き出した拳を掴まれ投げられる。


宙に浮いた俺は風魔法で落下のダメージを防ぐ


「じゃあ、そろそろ本気で動くわよ、ついてきなさい。」


シトラスが剣を抜く。ここからが本番らしい。


俺も木剣を抜き構える。


「さぁ…かかってきなさい!」


上段に構える、オルバに教わった型通りに振るう。


「ハァッ!!」


ひらりとサイドステップで躱される。それを追うように横なぎで払う。


「ヤァ!」


ヒュンっと空を切る、


「ウリャ!テリャ!」


「甘いよヒロ、そんなへなちょこじゃ当たらないわ!」


「これならどうだ!ウィンディア!」


魔法剣エアスト。


風を纏い一振りで風圧を起こす。


荒れる風でシトラスの動きが止まる。


「クッ!」


「いまだ!」


勢いよく振りぬく。、 


カンッ!!


辺りがゴウッと舞い上がる。木々がグラグラと揺れ出す程の暴風が駆ける。


しかし、剣は虚しくも、シトラスの木剣にしっかりとガードされていた。


「ちっちっち…まだまだだねヒロ。」


キィンと弾かれ、お返しとばかりに鋭い突きが襲い掛かる。


見切ることが出来ず、何発も貰う。


「ゴフゥ」


バタンっと倒れる。


「大丈夫?やりすぎちゃったかな?」


俺は重体な体を起こしアイズキュアを詠唱する。


傷ついた体が元通りになっていく。


「ウンッ。大丈夫、やっぱ強いねシトラスは。」


「私は世界一の剣士を目指してるからね、まぁ最後の奇襲だけは褒めてあげるわ。」


「やったと思ったんだけどね。まさかガードされるとは…」


「コツがあるのよ、後で教えてあげるわ。それより!」


ずいっと身を乗り出すシトラス。


「私にも魔法を教えてちょうだい!」


「魔法?良いけど、覚えなくても十分強いと思うけど。」


「覚えておいて損はないでしょ?それに最後の一撃も、ウルフを燃やした奴も、あれは普通の剣技じゃできない物よ。覚えれたらかなり便利そうじゃない?」


どうやらシトラスは魔法剣を覚えたいらしい。教えるのは良いが、俺もまだ使いこなせてないからな。


まずは魔法を使えるようにさせよう。


とりあえず師匠のやってたように教えてみる事にした。


「さっきの奴ってどうやってんの?」


「じゃあ、ちょっと見ててね。」


そういって俺はエイフリードを取り出す。細身の刀身がキラリと輝いている。


「見ててね。発動!エアスト!炎よ纏え!フレア!」


ボゥっと剣の周りを熱い炎がまとわりつく。周囲の温度が上がり焚き火よりも明るくその炎は照らしていた。


ブォンっと一振りする、剣先から火の槍が飛んでいき辺りを照らしていく。


もう一振りする、今度は込めた魔力を一転に集中させるイメージで振りぬく。


切っ先から閃光と共に爆発が起こる。


「ケホッケホッ 煙吸ってしまった。どうシトラス?」


「面白いわね!っでどうすれば使えるの?」


「魔力を剣に移して留めるようにするんだけど。まずは魔法を覚えてからだね。」


俺は懐からマジックレンズを取り出す。


「適正は…確か火だったよね」


レンズをかけてシトラスを見る。シトラスの体を囲むように赤いオーラがゆらゆらと動いている。


「まず魔力の流れから掴んでいこうか。今から俺が詠唱してみるからそれに続いて詠唱してみて。それで体中をめぐる魔力の流れが分かると思うから。」


「なんだか良く分からないけど、分かった」


「じゃあ行くよ、炎の聖霊よ… 火球を以て敵を焼き払え


「炎の精霊よ…」


「火球を以て」


「火球を以て…」


「敵を焼き払え」


「敵を焼き払え!」


「ファイアボール」


「ファイアボール!」


ボッと俺の手からは拳くらいの火球が空へと打ちあがる。


シトラスの手からは魔力の流れは感じたが、火球は飛びださなかった。


「出ないんだけど。どうなってんのよ!」


「魔力を集中させてないからだよ。何か感じなかった?」


「体の中をゾワゾワって感覚と、掌がポカポカって感じはしたけど、それ以外はないわ。」


「それが魔力の流れだよ、今詠唱のおかげで魔力が体を通り、一点に集中しようとしてた、後はその溜まった魔力をとどめて形にするんだそうすれば、魔法が発動する。」


「良く分かんないわよ。」


「魔法はイメージが大事だよ、後は何回もやる事、繰り返しやることでイメージを掴んでいくしかない。俺の師匠の言葉だよ。」


「師匠って、貴方よりも凄い魔道士がいるの?」


「あぁ、俺なんかまだまだあの人には敵わないよ、そのくらい凄い魔道士だ。それに一緒に教わってたハイエルフがいるんだけど、その子は一番の資質を秘めていた。あのまま修行していれば、大魔道士になっていたかもしれない。」


師匠とユイ、元気にしてるかなぁ…


「そんな凄い人逹がいるのね… ねぇ、その人逹は今何処にいるの?」


「分からないんだ、シルクの話によれば、一緒に転移されて、ラインハルト大陸に居るとだけは聞いているんだけど。何をしてるのか、無事なのかも分からない。一刻も早く合流して無事を確認したいかな…」


「あっごめんなさいね。 なんだか暗くなっちゃって、」


「良いよ。無事だっていう事は分かってるし、あの二人なら魔道士としての力は俺よりも上だから多分大丈夫だとは思うよ。さ、それより魔法の続きだ、魔力の感覚が理解出来たらどんな形にしたいかイメージをする。イメージが固まったら何度も詠唱を繰り返して、魔力切れ寸前になったらやめよう、もし魔力切れでヘロヘロになった所に魔物でも来たら大変だからね。」


「分かったわ、こんなのすぐ覚えてやるんだから、炎の精霊よ!火球を以て敵を焼き払え ファイアボール!」


ポスンっと変な音を出して不発に終わる。


「ファイアボール!ファイアボール!ファイアボール!ファイアボール!」


何度も唱え続けるシトラス。結局本日は火球を作り出すことは出来ず、先にシトラスの魔力が尽きていった。


「これが…魔力切れ、結構つらいわね。」


「今日はここまでだね、寝る前にこの飲み物を飲んどくと良いよ」


そういって渡すのは魔法の練習をしてる間にその辺に生えてた魔力草をすりつぶし、火で炙った後水とかきまぜて作った、師匠に良く飲まされていた。魔力薬である。


「頂くわ… ゴクッ ウェェ 何よこれ凄く苦いわ!! 変な物飲ませないでよ!」


「この苦味が癖になるんだけどなぁ、これは魔力を回復させる効果のある飲み物だよ、俺の師匠に良く飲まされていたんだ。」


「でもこれは… 飲めたもんじゃないわ。もう少しマシな味にならないの?」


「うーんどうだろう、俺はこのまま飲んでたからなぁ。やっぱ苦くて飲めないかぁ。」


何かないかと持ち物を見渡す、すると今日の夕飯に使った激あまい木の実があった。


どれくらい甘いかと言うと丁度ふわっふわのショートケーキよりも甘いと感じる程の物であった。


「これを混ぜてみたらちょっとは良くなるかな??」


木の実をすり潰し、それを魔力薬に入れてみる。ためしに呑んでみると、苦味が完全に消えていた。


「シトラス。ちょっとこれ飲んでみて。」


俺は新たにコップを作り、先程のと同じ物を渡す、怪訝そうな顔をしていたシトラスだったが、一口飲むとその顔は驚愕に変わり、すかさず飲み干していく。お


「何これ!?さっきまでの苦味が嘘みたいに消えて、凄く甘くて美味しいわ。」


「良かった。今日食べた木の実を入れてみたんだけど、美味く行ったみたいだね。」


「これなら何杯でも行けるわね。何度でも打てそうだわ!」


「そうしたいけど今日はやめとこう、明日も早いしね。」


「そうね、それに今回は依頼があるしね。特訓は時間が空いたらやりましょ。じゃあお休み!」


その日は疲れからか。横になるとすぐさま眠りに落ちた。


2日目も同じように魔物を排除しつつ、特訓しながら順調に進んでいった。


そして3日目の日が落ちる頃に、目的の洞窟が見えてきた。


「あれが、魔人ゴーレムの洞窟。」


洞窟は洞穴に近い形となっている。 


木の棒に火魔法で灯りをつける。狭い道なりが奥まで続いている。


「ここから先は気を付けろ。魔物の気配が多い。」


「分かりました。シトラスも注意してね。」


「当たり前よ。もう戦闘準備は出来ているわ。」


既に双剣を構えている。俺達は辺りを見渡しつつゆっくりと進んでいった。


ある程度進んだところ。突然地の奥底からオォォォオォォン!!と唸り声が聞こえた。 


「うるっさい声ね!耳が痛いじゃない」


「これが例の音のようですね… 慎重に行きましょう。」


キャキャキャキャキャ


「邪魔ね!」


ザシュッとコウモリのような魔物がパタリと地面に落ちる。


洞窟等を住処とし。生き血を啜るスモールバットと言うらしい。


そんなスモールバットもシトラスに次々と斬り伏せられていく。


そうしてどんどん進み、狭い道なりを抜けると、ただっ広い空間に辿りついた。


「あれは?なんですかね?」


その中の中心部。そこには不思議な文字で書かれた壁画があった。


「俺も分からない。こんなのは前に来たときにはなかったはずだが…」


俺はその中の一つの絵に注目する。


神殿見たいな所に居る羽の生えた人族のような絵。周りには7つの宝石だろうか?


囲むように存在していた、俺はその絵に奇妙な違和感を感じた。


魅かれるようにその絵に触れる。


すると俺の体がキラキラと輝きだした。


「えっ?」


「うわっ、ヒロなんか光ってるよ?どうしたの?」


俺が光ってる訳ではない、正確には俺の小指にはめ込まれている。邂逅の指輪だ。これが輝きだしている。


やがてその光は辺りを埋め尽くした。気付いたら、先程の空間とは別の所へ居た。


「ここは?」


先程までとは空気が違う。なんだろう、何処かで感じたことがある気はするのだが。何処で感じたのかを思い出せない。


「こんな所、俺も初めてだな。」


フェルも知らないようだ、もしかして…この指輪が何かの条件だったのか?


「ヒローフェルー、ちょっとこっち来て。すっごい綺麗な宝石があるよ。」


シトラスが何か見つけたようだ。 その先に向かう。


「これは…」


そこには巨大な石像が倒れている。体には苔がびっしりとおおわれており。


この空間の中で圧倒的な存在感を出している。


その胸には拳ほどの紅い宝石が埋め込まれているのを発見した。


眼を奪われるくらいの輝きでその宝石は輝いている。すると邂逅の指輪がまたしても発光をしだした。


「どうしたシトラス…      シトラス!ヒロ!そいつから離れろ!!」


「なんでよ?」


「そいつが魔人ゴーレムだ!」


気付くと。胸の魔石がその巨大な石像に吸い込まれていく。


石像の眼に紅い光がともる。


するとその石像はゆっくりと巨体な体を起こし。俺達の前に立ち塞がった!


10/20 初感想を頂きました。嬉しい限りです!

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