古見と私の日常
「ふふふ...あーっはっはっは!!!」
午後一時半。賑やかな教室に響いたその声はその場にいたすべての人間の口を閉ざさせた。
「あ、いや、すいません。何でもないっす。」
情けない声が聞こえる。私は聞く。
「で?古見くん。次はどうやって世界を滅ぼすつもり?」
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「いやぁ。新川さん。そんな物騒なこというなよぉ。ちょっぴり政府のお偉方を洗脳するだけだってぇ」
何がいいものか。こいつは古見。魔王であり、私の幼馴染み。政府からは古見の監視を言い渡されてる。
ちなみに私は勇者で、こいつにこ...こ...恋心をいだいて?いますです。なぁに自分の中でも言い訳してるんだか。政府からは最初暗殺を命じられたんだけど、それを総理大臣の命と引き換えに断ったとは古見には何があっても言えない...
「とにかく!そんなことはさせないからね?」
「え、新川さん。ホントにいいの?だってそうすれば法律なんていくらでも変えられるんだよ?公共の場で魔法ぶっぱなせるんだよ?学校をサボったっていいことにできるんだよ?ねぇねぇ。こんなにいいことはないよねぇ?ねぇ?新川さん?」
え、ホントに?だったら私も...いやいやなに考えてんだ私。こんな口車に...でも公共の場で魔法ぶっぱなせるのかぁ~宿題を出しちゃいけない法律とか作れたりするのかなぁ~?
「どう?ヤラナイカ?」
「もちろん!」
「もちろんじゃない。」
ガスッ!
痛い。頭殴られたくそぉ。
「何すんの北沢くん!私の夢のハッピーライフの邪魔をするなら今すぐ消滅魔法で消し飛ばすよ!?」
「あー。あー。あのですね新川さん。俺たちの目的ってなんでしたっけぇ?」
は、私としたことが...こんなやつの口車にのせられてたなんて...
「ま、まぁ?今回は自分の意思で口車から逃れられたみたいだし?」
「「どこが?」」
うぐぅ。二人の視線が痛い。見栄なんてはらなきゃ良かった。