横井かずさ(仮名)の証言 その1
「視える」という横井かずさ(仮名)さんのインタビューに成功したので掲載します。
内容は検閲を通していないので、ノーカットです。そのために読みづらかったり、僕自身がまだ理解できていない部分もあるので、彼女の証言の信憑性をどれだけ伝えられるか分からないですが、貴重な話だと思います。
「(ノイズ)マイクチェック、ワン、ツー」
「それで録音?」
「ええ。最近はスマホの録音アプリがすごい優秀なんで、これだけで事足りるんですよ」
「へー」
「先に説明しておきますけど、今日録音した内容はWEBに載せます」
「どこ? ブログ?」
「えっと、このサイトです」
「小説家になろう」
「通称なろう」
「小説じゃないじゃん。こういうのなんていうんだっけ? えっと、ノンフィクションじゃん(笑)」
「そうなんですけど、こういうのってリアル過ぎない体の方が良いかなと思って」
「よくわかんないよ(笑)」
「えっと、あなたのお名前、仮に横井さんってことにしますね。ガチでやると横井さんも後々困るかもしれないじゃないですか。だから、まあ、一応フィクションてことにしときたいんです」
「別に良いけどさ。そもそも話す内容だってフィクションみたいなものだし」
「それで、早速ですけどそのことについて聞きたいんですけど」
「そのことって、『視える』こと?」
「どんな感じなんですか」
「うーん。普通の人より目がキャッチする電波が多い?って言うの?」
「えっともう少し具体的に聞きたいです」
「なんていうかさ、『それ』ってあちこちにいるのよ。普通に。でも、普通の人は『視え』ないわけじゃん。それって、たぶんレイヤー?とか次元?とかが一個上にいるので認識できないわけよ。普通の人は。でもうちらみたいなのはそのレイヤーもキャッチできるから『視える』わけ」
「レイヤーが上って意味が良く分かんないです」
「多分ね、『それ』…言い方がよくないかも。『彼ら』ないし『彼女ら』…性別あるか知らないけどさ、はうちら人間よりずっとずっと上も存在なわけよ。視えないようにコーティングしてるとか、そういう狡く隠れてるのとは違うの。もっと堂々とのさばってんのよ。この世界に。でも格上過ぎて見えないの。うちらって三次元の認識じゃん。でもそいつらは四次元とかもっと上の次元にいるわけさ。人間は蟻や蚊を認識してるけど、蟻や蚊は人間を認識してるわけはないじゃない。そう言うことよ」
「言ってることは何となくわかるんですけど、理解できるかというと難しいです。『それ』がものすごく格上の存在だとして、どうしてあなた方には『視える』んでしょうか」
「それは知らないし、好きで『視え』てるわけじゃない。同じような人がどっかの医者に言われたらしいけど脳がそんな風に出来てるとか。まあ、そんなこと言われてもピンとこないじゃん。理由なんて何でもいいし、それを知ったところでうちらの人生変わるわけじゃないしね。簡単に噛み砕くと、そこにいるものが大半の人には認識できない。うちらは認識できる。それだけのこと」
「彼らは何をしてるんですかね」
「それは分かんないよ。蟻や蚊が人間の目的なんて分かると思う?」
「けど、人間社会に干渉はしてるんですよね?」
「人間が蟻の巣に水を流し込む程度にはね。うちらにしたら大災害だけど、『彼』ないし『彼女』には大したことではない」
「どんな姿をしてるんですか?」
「うーん。様々なんだけど、上手く説明できない。グロい、キモい。普通の人は『視え』ない方が絶対いいと思う。うちらは子供の頃からの耐性あるけど、それでも時々ぎょっとするようなのを視ることあるし」
「幽霊、宇宙人、UMA、それらの正体は『彼』ないし『彼女』ということはありますか」
「そうである時もあるし、そうでない時もある。人は、見たいものを見るし、信じたいものを信じるから」
「彼らとコンタクトを取ることは?」
「(笑)それは止めた方がいい。蟻や蚊に言葉を教えたらどうなると思う? 人間の脳みそじゃとても無理だよ。オーバーヒートして発狂しちゃう。目が合うだけでもヤバいのに。あんたまだ理解してないけど、相手はずっと格上なんだよ。実際発狂した人間も沢山いる」
「あなたはどうして、彼らのことを知ったんですか」
「長い間の観察で、そうじゃないかって推測しただけ。『視える』仲間の中には、『彼』ないし『彼女」のことを勝手に神だと崇めて新興宗教立ち上げたやつもいる」
「それって、あの…」
「そう。まあ上位にいる相手なんだから、神と捉えるのも自由だけどさ、私はそんな生易しいものではないと思ってるから。あんまり気軽にコンタクトを取ってほしくないね。そのせいか、最近随分と不穏だし」