愛してくれないと許さないんだからねっ!!
私は中学2年紅葉中学校、14歳。
ちなみに、読者モデル。まぁ、ちょっとした有名人。
近所でも、学校でも、事務所でも、皆からチヤホヤされて私に逆らう人とかいないと思ってた。皆私の機嫌を取ってるだけで誰も友達じゃない。友達なんかいない。誰も私を愛してくれる人なんていない。ずっとそう思ってた。
あの人に会うまでは。
「ねぇ、あなたは何でロミオなの?」
私は、演劇部所属 鈴木 鈴。今は今度ある文化祭の練習中!私は主役のジュリエットで・・・
「鈴木せんぱぁい~!もっと、せつない顔して下さいよぉ~!!」
ロミオは、後輩の中学一年生 河野 ゆうと。いつも先輩の私にはむかってくる。
「なによ。何処がいけないのよ。」
「可愛いけど色っぽさがね~笑」
「色っぽさなんてどうするのよ。」
「抱きついてくるとか・・・?笑」
「冗談じゃない。ゆーとにそんなに抱きつきたくないっ!」
「え~。釣れないなぁ~。」
私は顔がいいって言われて演劇部に入ってと顧問の先生から頼まれて入った。演技はよくヒロインをさせてもらったから、うまい方。雑誌で取り上げられてから私は中学1年生読者モデルになった。そして2年生になり後輩が入ってきた。顔は良いけど生意気な後輩が。でも、私は初めて見た瞬間に恋をした。一目惚れってやつ。それで、話しかけてみたらこのざま。生意気で口が悪い。私は趣味が悪いみたい。でも、なんか嫌いになれなくて・・・。
「ゆーと、演技の練習手伝って。」
「え~、アイスおごってくれるならいいっすよー!」
「・・・分かったわよ。じゃあ23ページのシーンからお願い。」
「ほーーいっ」
*
*
*
「ありがとう。助かったわ。このシーンどうしたらいいか分からなかったのよね。」
「アーイスっ!アーイスっ!」
「分かった分かった。じゃあ、駅前のアイス屋行こうか。あそこおいしいし。」
「早くいこー!!!」
ゆーとってやっぱり子供・・・。
「俺、チョコがいいっす!」
「私はバニラかな~すいませーんっ!バニラとチョコを1つずつくださーい。」
「合計425円でーす。ありがとうございましたー。」
「はい、チョコ。」
「ありがとうございまーすっ!わ~いっ!!!おいし~」
ホント、単純・・・。可愛い・・・。
「うん。バニラもおいしいっ」
「いいなー、バニラも食べたーい。」
「自分で買ってきたら?」
「お金なーい!笑」
「買ってあげないからね笑」
「じゃあ、それもーらい!!!」
「えっ?」
今私の食べかけの食べた・・・。
か、間接キス!!!!!!
「ちょっと、食べないでよっ!!!」
「えー!!いいじゃないっすかぁ一口くらいっ!!」
「そ、そういう問題じゃないわよ・・・。もう、帰るっ!!」
「送りますよ♪鈴木先輩は読モなんだしっ一人じゃ危ないよぉ??」
「・・・ありがとう。」
なんだ、優しいとこあるじゃない。
「先輩~!!文化祭の時誰と回るんすかー?」
あっ、まだ決めてなかった・・・。
「まだ、決めてないわ。」
「じゃあ、俺がボディガードしてあげますよっ♪」
「ボディガード?いらないっ。」
「去年はいろんな人に追いかけ回されてたのにー??やっぱ、モテる子は違うね~♪」
うっ・・・。そうだった。去年は不思議の国のアリスの格好してて皆に写真撮ってだの付き合ってくれだのろくなもんじゃなかった・・・。
「俺様と回れば、取り巻きはこないっすよ~!だから、回りましょっせーんぱいっ♪」
「分かった。ボディガードよろしく。」
「ラジャーっ!!!!」
ん?なんでゆーとが去年のこと知ってるの?去年は小学生だったのに・・・。誰かに聞いたのかな?
そして文化祭当日。
「鈴木せんぱーい!!クレープ食べよー!!」
「はいはい。3ー2のクレープ屋ね。」
ゆーとの保護者係してる感じ・・・。まぁいっか。
「せんぱーいっイチゴとバナナどっちにしますか~?」
「いちごがいい。」
「じゃあ俺バナナ~!!!」
「・・・ね、いつもどうして私と逆を選ぶの?ゆーと、いちご好きでしょ?」
「え?だってー鈴木先輩の食べかけをもらいたいからっ!!」
「えっ!!!あげないわよっ!!!」
どうせ、私の反応見て遊んでるだけよね。
「なんでー??ちょうだいよーっあーんっ」
かっ可愛いっっっ!!!!!!!
「・・・ちょっとだけだからネっ。ほらっ」
私、後輩にあーんさせてあげちゃったぁ・・・。
「ってもう、昼じゃない!?早く行かないと監督に起こられちゃうっほらっ行くよ!!」 「えー!!」
「ただいまから演劇部による、ロミオとジュリエットです。」
あぁ、いよいよ始まった。緊張する・・・。
「ねぇ、あなたはなんでロミオなの・・・?」
ラストシーン。これが上手くいけば大成功。間違わないようにしなくちゃ。それにしても、ゆーとはやっぱり演技が上手いなぁ。惚れ惚れしちゃう・・・。
よし、後はキスをするふりをするだけー・・・。
ボソッ「鈴、ずっと好きだった。」
えっ・・・今なんて・・・?
「ーっ!!」
私はそのままキスをされ、幕が降りた。
「ちょっと!!ゆーと、なんで本当にキスしたの?!」
「へいへーい。ね、さっきの告白の続きしていい?」
「・・・なによ。」
「俺は去年鈴木先輩を見つけた。今からちょうど一年前の文化祭。来年いく中学校はどんなとこかなって思って遊び半分で友達と紅葉中に来たらさ、アリスの格好してる奴がいたんだよ。取り巻きにめっちゃ囲まれて遠くから見るとすごく楽しそうに見えた。でも違うんっすよね?」
「うん。男子にはちやほやされて、それで女子には睨まれ続けて本当の友達なんか一人もいなかったの。周りにたくさんの人がいても私はずっと孤独だった。誰からも心のそこから愛してくれなくてずっと寂しかったの。」
「鈴木先輩はいつも強がってばっかりでろくに人に甘えたことないでしょ。どーせ、俺のこと好きっすよね?俺に甘えてください。今まで甘えられなかった分。後、いっぱい愛してやるから。」
バカ。ゆーとは生意気でいつもからかってきて意地悪で子供で上から目線。でも今だけ、大人に見えた。私の方が子供。優しい言葉かけられたらすぐ信じちゃう。でもゆーとにだったらだまされたって構わない。本当に好きだから。
「しょうがないわね・・・。付き合ってあげる・・・。」
「素直じゃないなぁ~ったまには素直になってくださいよぉっ!!」
「・・・もうっ初めて会ったときから好きだったの!!付き合え!!たくさん愛してくれないと許さないんだからねっ!!」
「いいんすかー?じゃあ遠慮なくーっ♪」
「ちょっどこ触ってんのばかっ!!」
私の彼氏は手が早いみたい・・・。