二話
夏休み初日の午前八時。
今、僕は健太の家にいる。
理由はHAOをやるためにだ。HAO自体はオンラインゲームなので集まる必要はないのだが初心者の僕の為に健太が色々教えてくれるので最初だけこうやって集まっている。
そういえばうちの学校でも他に雄太君がするって聞いたけど他校ゲーム仲間とパーティーを組むらしく一緒にはしてくれないらしいがゲーム内で会うことがあれば一緒やろうと健太が誘っていた。
「よし、練そろそろ行くぞ」
「わかったよ」
健太に言われてHAOの起動準備をする。準備と言ってもヘッドギアのような装置を頭に着けてボタンを押すだけだ。
簡単に起動後の操作説明を受けたので後はキャラメイキング等設定をしてからゲームの中で細かな説明を受けるだけだ。
「じゃあ、後でゲーム内でな」
「あっ、待て僕も行くよ」
そう言って健太は横たわってゲームを起動させたようだ。
僕も健太に倣って横になりゲーム起動させる。
◇
何もない真っ暗な空間。
Loading
この文字が出た後に一気に明るくなる。
『キャラクターメイキングを行います』
突然機械的な女性の声が聞こえる。いや正確には頭に直接響いて来る感じがした。
『あなたの性別をお教えください』
あくまでも事務的な声の後にman、womanと表示される。
僕はmanの方を意識するとmanの文字が光『これでよろしいですか』と表示されたのをハイを選ぶ。
『次にあなたのお名前は何ですか』
この質問には少し迷った。
名前を決めるだけなのでそんなに時間はかけていないが最終的にレントンに決定した。
最初はレンにしようかと思ったがさすがに本名と一緒にするのはまずいと思い少し文字ってレントンにした。
『あなたの種族は何ですか』
ヒューマンやエルフなどたくさんの種類があり獣人種でもワードッグやワーキャットなどのから僕はヒューマンという一番人間に近いものを選んだ。
最後には容姿を決めるのだ面倒臭そうなのでランダムにした。
決定を選ぶとまたもやLoadingと文字が出て周りが暗くなる。
◇
周囲が急に騒がしくなったようなので目を開けるとそこには日本ではほとんどお目にかかれないような中世ヨーロッパ風の街並みがそこには広がっていた。
初めてやってみた感想は言葉にできないという形容しっくりくる現実であって非現実の世界。
「おい、お前練か」
あまりに圧倒的な世界に呆然としていると後ろから声をかけられたので振り向くと健太にそっくり人が立っていた。
「えーと、健太?」
「練で間違いなさそうだな。俺は紅蓮だ」
紅蓮は健太の髪と目を赤色に変えたキャラだった。
「僕はレントンだよ」
「わかったよレン」
名前を教えたはずなのに別の名前で呼ばれた。
まぁ、いいか。気にするほどでもないし。
「所でお前それ見た目は自分で決めたのか?」
「いや、ランダムで決めたよ」
「まじか」
健太じゃなくて紅蓮の反応を見るとなんか不安になってきた。
容姿はランダムで決めたからまだ見ていないがもしかして物凄い顔になっているのではないだろうか。
「とりあえずこっち来い」
健太に連れられらて鏡の前に来た。
鏡を見るとそこに映ってたのは銀の髪に金色の目をした自分が映っていた。
「なんだ、別に何ともないね」
「確かにそうなんだが普通そんなに本人似ることはないんだがな」
そう言われてみればランダムで選んだ割にはかなり似ている。
「まぁいっか、神殿に行くか」
神殿とはこのゲームでは一つの街に一個はある施設らしくそこで冒険者すなわちプレイヤーはジョブを決めるらしい。
最初にいくつかの質問があった後にランダムでジョブが決まるらしい。
「わかったよ」
僕たちは神殿に向かった。
読んで頂きありがとうございます。