一話
「練、夏休みに一緒にゲームやろうぜ」
七月の始め。
外のうだるような暑さとは対照的なエアコンの効いた涼しい教室で友達というより幼馴染の健太が言った。
健太は勉強以外は何でもこなせる才能に溢れた人物なのだが基本的に興味のあることしかしない性格で小さな時は運動ばっかりしていたのだ高校に入ってからはゲームに目覚めて部活に入らずゲームばかりしている。
あまり詳しくないからわからいいけど確かこう言うのをゲーム廃人って言うんだっけ。
「いたっ、健太なんで殴るんだよ」
何故かいきなり殴られた。
「俺はゲーム廃人じゃなくてネトゲ廃人だ」
いや、そこは胸を張るところじゃないような気がするけど本人が気にしてないからいいのかな。
健太曰く、夏休み初日にTHE Highest Adventure Online 略してHAOと言うVRMMORPGつまりヴァーチャルリアリティとかいう技術を使った最新のゲームらしい。
「夏休みは今の所特に予定もないしいいよ」
「さすが練。お前ならやると言うと思ったぜ。すでにゲーム本体とソフトの問題はかたずいてるからな」
「え、なんで」
「俺の親父がそのゲームの開発に関わって俺の分とお前の分を貰えるように頼んでたんだ」
いつもながらその行動力はすごいぞ健太。
「じゃあ、夏休み楽しもうぜ」
この夏の予定はゲームになった。
取りあえず読んで頂きありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。