キラめく瞳は、なにを見て その1
小説のジャンルを「文芸」に変更してみました。
まだ、模索中です。
「柴山先輩、もう少しジッとしててください」
「まだ動けないのか?」
司がワイシャツに汗をにじませて外回りから帰ってくると、柴山と黒石が何かをしていた。
黒石は、向かい合って座った柴山の右手を掴み、その指先を真剣に見つめている。
「平田、ただいま帰りました」
「おかえり、司くん。お昼、まだでしょう? お弁当、デスクに置いてるから」
「ありがとうございます、天原先輩……その、柴山先輩と黒石先輩は何をしてるんですか?」
本人たちに聞こうにも、聞けない空気を感じて天原に尋ねる。
「ネイルよ。彩が塗り方の練習したいから、タロに練習台になってもらってるの」
私もね。
と言って、天原が両手の指先を見せる。
しかし、その爪はツヤツヤと光っているだけで、カラフルな色も装飾も無い。
「何かした……んですか?」
「彩が言うには、爪を保護するための物を塗ってるんだって。まず、あの小さな刷毛を使いこなしたいらしいの」
その言葉に、司は黒石の手元を見る。すると、たしかに小さな刷毛が握られていた。
「はい、これでオッケー。きれいに乾くまで、物に触れたりしないでください」
「手、洗っちゃダメか?」
「ダメです」
「げーっ……」
そう呟いた柴山は両手を下に向け、左右に振る。それから更に、椅子を軽く回転させ始めた。
そんな柴山を見ることなく、黒石はポーチに道具を片づけ始める。
「彩、またキラキラしてるもの見つけたのね」
「はい。もう少し上手になったら、キラキラしたものを手元に付けて眺められるのが、すっごく楽しみなんです」
そう返す黒石の目は、いつか司が見たようにキラキラと輝いている。
「仕事中は外したほうが作業しやすいんじゃないか?」
「報告書作るくらいは、出来ます」
まだ爪を乾かす柴山に、黒石が噛みつくように言う。
「黒石先輩は、キラキラした物が好きなんですね」
「ほら、あたしカラスだから。本能的に、キラキラしてるのが好きなのよね。ラメや宝石なんかの光る物や、アイドルとかモデルもそう」
ポーチをバッグに片づけ、代わりにキャンディの袋を出す黒石。
「ま、人については中身に興味無いんだけど」
「中身……ですか?」
「そう、性格とか考え方とか。あたしは見た目がキラキラしてたら、それでいいの」
そう言って、黒石は個包装のキャンディを開ける。そして、光を受けてキラリと光るそれを口に入れた。
なんとか……なんとか、7話の投稿が始められました。(まだ、その1ですが)
「その2」の投稿は、順調に行けば、来週30日(金)。
延びても、その翌週2月6日(金)の投稿になります。
時間は、どちらの日程にしても16時10分に変わりはありません。
よろしくお願いいたします。




