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お墓参り その1

先に活動報告でお知らせしていたように、今日の投稿分は「第7話」ではなく、「第6.5話」になります。

通常話と違い、「.5」なので。その2で終わりになります。

 それは、時期的に自然な切り口だった。

「明日からお盆休みね。司くんは、お墓参り行くの?」

 天原と行った依頼からの帰り道。人の通りがまばらになったところでだった。

 屈託(くったく)のない声が、司の耳に届く。

「お墓参り……ですか?」

 答えながら、司は隣の天原を見る。

「そう。おばあさまのお墓参り。人は、お盆になると行くんでしょう?」

 その無邪気な問いかけで、司は思い出す。

(あぁ、そうだ。天原先輩も、人間じゃないんだった……なんの動物かは、知らないけど)

 それなら、お墓参りという行事と縁遠いのに(うなず)ける。

「最近は、行かないところが多いですね。その風習を知らない人も、少なからずいると思います。それに、僕は……」

 言葉を立ち消えさせ、司は天原から目をそらす。

「僕は、祖母が眠るお墓を知らないんです」

 目をそらしたまま、呟くように言う。

 けれど「それはいけない」と、再び天原を見た。

「祖母が住んでいた地域はわかります。なので、大学生の間に一度行ってみたことはあるんですけど……何もわからずに帰ってきました」

 あのときも、同じお盆の時期だったことを覚えている。

「そう……おばあさまが住んでた地域って、ここから遠いの?」

「電車で一時間と少しあれば、着くところです」

 どうして、そんなことを尋ねるのか。

 その答え合わせは、天原がしてくれた。

「じゃあ、明日行ってみる?」

「えっ?」



「着いた! ここね、司くんがおばあさまと暮らしてたところは」

 司より一足早く駅舎を出た天原が、太陽の下ぐっと伸びをする。

(ほんとに来てしまった……)

 あの帰り道で、あれよあれよという間に話はまとまり。

 そして今朝、司と天原は電車を乗り継いでここにやって来た。

 最後に来た時より空き家や空き店舗が目立つが、並ぶ建物に変わりはない。

(懐かしい……)

 眩しい真昼の光を遮るように、司は手のひらで目元に屋根を作り、天原に続く。

「この辺りが、おばあさまと暮らした所なの?」

「いえ。僕が祖母と暮らしてたのは、少し離れたところなんです。そこまでは、車が一番良いんですけど……」

 タクシーを探すが、車どころか歩く人も見当たらない。

 スマホを出して近くのタクシー会社を調べるが、肝心の電話が繋がらない。

「タクシー、どうだった?」

 司が頭を左右に振って答えていると。

「おーい! おまえ、シズ子さんとこの司じゃないかー?」

 ふいに遠くからかけられた声に、司と天原はその出処を探す。

 すると、一台の白いバンが近づいてきているのが見えた。それは司たちの目の前に停車し、運転席から人が降りてくる。

 降りてきたのは、七十代くらいの男性。首にかけたタオルで顔の汗を拭きつつ、司に近づいてくる。

「やっぱり、シズ子さんのとこの司だろ? 違うか?」

何事も無く、順調に行けば

来週16日(金)16時10分に「第6.5話 その2」を更新。

その更に翌週の金曜、23日(金)16時10分から「第7話」が投稿開始できる……はずです。


このスケジュールに変更があれば、活動報告とX(旧Twitter。とりがみ めなの)でお知らせいたしますので、確認のほどよろしくお願いいたします。

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