10月17日 22時11分 伊坂 葉月
10月17日 現在時刻 22時11分
男はゆっくりとこちらに近づいてくる。
私はどうすることもできずしゃがみこみ手で顔を隠した。
「もう私・・・・・・殺されちゃうんだ」
覚悟していたが何か起こる気配が感じられない。
拳銃を発砲すれば一瞬なのに。
ゆっくり恐る恐る目を開けてみると、その男は2mほど離れたとこで私の顔を瞬き一つせず見てた。
「何?この人・・・・・・でもどこかで」
私が考えようとした直後、その男が大きい声で発した。
「ひどいな葉月、元クラスメートを忘れるなんてよー」
その声で思い出した。
「もしかして・・・・・・沖田君・・・・・・」
「やっと思い出したか」
沖田 大我 中学3年の時に一緒だったクラスメートだが同じクラスで入れたのはたった3ヶ月間だけで親の仕事の都合上で転校した子。
彼と同じクラスで過ごしたのは3ヶ月間しかなかったが、彼は人を差別することも無くクラスの中でも特に人望が厚かったのを覚えている。
「その頭変わってないわね」
「あー時が経つにつれてどんどん酷くなっていくわ・・・・・・なんとかなんねぇかな」
彼がここにいることで私は一気に極限の緊張状態から開放された。
ただ一つ気になる点を除いて・・・・・・
「ね、ねぇ沖田君どうして拳銃なんて持ってるの?」
私が一番気になっていた事だ。
「なんか目が覚めたら自分の名前が入ったネームプレートと拳銃が近くに落ちててよ、どうせ偽者だろうと思って試しに撃ってみたら・・・・・・まさか本物だとはな・・・・・・悪いな怖がらせてしまって」
私はその言葉ですごく安心した。
「とにかくこの薄気味わりぃとこから脱出しないとな・・・葉月もこんなとこで座ってないで付いて来いよ、出来る限り守ってやるよ」
「うん、って出来る限りって何よ」
私はここに来て始めて笑顔を見せた。
10月17日 現在時刻 22時24分




