10月17日 23時37分 神谷 稔
10月17日 現在時刻 23時37分
それはとても見るに耐えない映像だった。
辺り一面血の海・・・・・・といえば適切だろうか。
いや違う、そんな生易しい事ではない。
例えるなら食肉工場に当たり前のように存在している牛や豚。
当然その工場で解体されるだけの運命・・・・・・
その解体されるのが動物ではなく人間だったら・・・・・・
そんな施設にでも迷い込んだかと錯覚を起こすほど衝撃的な映像だった。
宙吊りに右足のみ縛られていて胴体の部分から先が無い死体。
不規則に切断されまるでジグソーパズルのようになっている死体。
皮膚が焼け爛れ臓器が一つも無い死体。
視界を左右に動かしただけでこの結果だ。
「くそっ、こんなシチュエーションまた見ることになるとは」
意を決して一歩前に進む。
床も血だらけだったが年月が経っているのか蝋のように硬い。
フロアをとりあえず広軌と一週する。
何十何百とある死体、自然死という死体は一つも無く顔がある死体は険しい形相でこちらを睨んでくる。
死人にくち無しというようにこの人達から情報を得られることは無いが一つだけ確かな事に気づいていた。
それは広軌もすぐに気づいた。
死体のすぐ側に落ちているネームプレートだ。
何かの情報の手掛かりになる可能性があったので俺と広軌で協力して落ちている全てのネームプレートを拾い先程来た通路に戻った。
そしてネームプレートを調べてものの5分で俺達はあることに気づいた。
俺達の昔の知り合い、すなわち今は合併して無くなった神無村での出身者が極めて多いという事実だった。
「そんな、なんでだよ・・・・・・」
俺は深い絶望に襲われた。
そんな時あの死体フロアから物怖じしない声で
「まさか、ここの施設がばれるなんてね・・・・・・ゴミは早く処分しないとね」
と、擦れ気味の声が聞こえた。
「まずい、稔俺達の場所ばれてるって早く逃げる準備しないと」
「・・・・・・」
「ショックなのはわかるけど殺されるぜ」
広軌は梯子に手を掛け俺を呼んでいる。
「・・・・・・なぁ広軌、悪いんだけど囮になってくれないか」
「・・・・・・えっ?」
「相手の注意を逸らせたら合図するだけでいい、広軌の能力なら可能だろう」
広軌は少しだけ考え、そして一つため息をつき
「・・・・・・わかったよ、こういう状況も別に嫌いじゃない」
そして一瞬で作戦を立て決意を固める。
集中しろよ、広軌。
「わかってる・・・・・・先入ってるぜ」
そう言い残し広軌は単身舞台へと向かって行った。
10月17日 現在時刻 23時55分




