10月17日 23時12分 神谷 稔
10月17日 現在時刻 23時12分
「んっ!」
「気づいたか稔、目を覚ませ」
聞き覚えのある声を確認し目を薄く開いてみた。
・・・・・・おかしい真っ暗のままだ。
今度は目をしっかり開き見てみるがやはり結果は変わらない。
すると途端におびただしい光が襲ってきたので手で顔を少し隠し半目で覗き込むと光の正体がわかった。
それは携帯のディスプレイでそして見覚えのある顔が一人。
「お前、もしかして広軌か?」
「ああ、久しぶりだな稔」
広軌とは大学以来だがまぁ小学校からの幼馴染で学生時代はいつもつるんで行動していた一人だ、あの事件が無ければ社会人になっても一緒につるんでいただろうが・・・・・・
「大変だったぜ、目覚めたばかりであのシチュエーションは」
広軌はため息まじりに言った。
「教えてくれ俺が意識を無くした後のことを俺を撃ったチビや桐嶋っていう茶髪はどうなった・・・・・・痛ぅぅ」
左肩に激痛が走った。
左肩を見てみるとカーテンの生地を巻いて応急処置がしてあった。
「わかった、詳細は話すから起きたばかりで悪いけど歩きながらだな・・・・・・あいつら追ってきたら洒落にならないからな」
俺は左肩を抑えつつ立ち上がり歩き始めた。
「まずここの場所だが隠し通路みたいなとこかな、俺が目を覚ました部屋でたまたま発見した」
目が暗い場所に慣れてきたのか景色が少しずつ見えてきた。
確かに部屋というよりかは通路で真直ぐな通路もあれば階段を下りたりすることも少なくない。
「あのお嬢ちゃんは俺をみた途端銃を乱射だよ・・・・・・いつから日本は銃社会になったんだ?」
見たところ広軌に目立った外傷は無い、まぁ広軌の能力なら全てかわすことも出来るか。
「茶髪・・・・・・えーと桐嶋だっけ、そいつはコード引きちぎって稔の名前叫んでたぞ」
相当怨まれてるな俺。
「それで何とかこの部屋まで稔を担いで逃げ込みその後は知らないけど通路発見した時銃声音がしたから銃撃戦でもやったんじゃないかな」
あの二人なら考えられるな・・・・・・変態と豆チビ、そんなことより。
「悪かったな広軌助かったよ、借りはいつか返すわ」
そう言うと広軌は少し驚きそして小声で呟いた。
「いいよ別に借りはもう返して貰っているから」
「んっ、何か言ったか」
広軌は一度振り向き・・・・・・
「別に何でも無いよ」
と、一言。
疑問に思ったが特に気にせず俺のこれまでの経緯を歩きながら広軌に話した。
全て広軌に話し終えポケットに何気に手を入れると俺の携帯が無いことに気づく。
この建物の中で携帯を鳴らしてもコール音が響くばかりでいらないと言えばそれまでだか、大事な貴重品には変わりない。
「なぁ広軌俺の携帯知らない」
「あぁ、悪い必死になって担いでいるとき部屋のとこに落としたかも」
「じゃあしょうがないな・・・・・・そういえば広軌の携帯もコール音だけか」
広軌は頷く。
「まったく、一体全体どうなってんだここは」
しばらく歩いていると正面に20~25段ぐらいの梯子がありその頭上を見上げると光が薄っすら漏れている。
ようやく明るい場所に出られると少し歓喜したが出たら出たで変態共がまたいると思うと素直に喜べなかった。
俺の後に広軌が上り光の漏れている扉まで辿り着いた。
俺と広軌でアイコンタクトをとりそのフロアに侵入した。
おびただしい光が襲ってきたがそれよりも不可解なことが頭をよぎった。
・・・・・・なんだこの異臭は。
飛び込んだ視界に愕然とし目を瞑った。
「こんな場所あってたまるか」
10月17日 現在時刻 23時37分




