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覆面の男
「ぐああああぁああああっ!!!!!」
血反吐を吐いて、俺は倒れ込んだ。
会長は即死。
「よう、悲劇のプロレスラー"薩摩"さん」
「!?」
遠のく意識の中、確かに俺の名前が呼ばれた。
男は黒装束に身を包み、顔には覆面を着けていた。
「だ・・・誰なんだお前・・・」
力を振り絞り、声を出す。
「あぁ!?」
男の声が急に野太くなった。
「てめぇ、忘れたのかゴラァア!!?薩摩ぁあああ!!!」
「誰・・・だ・・・」
視界はボヤけており、黒い人影が見えるだけ。
ドドドドドッ!!!!!
「あぁ!?なんだぁ!?」
怪物たちが、走ってこっちに向かってきているようだ。
「ちっ、邪魔が入りやがった。命拾いしたなぁ薩摩さんよぉ」
俺は意識を失った。