レスラー 異世界に転生する
人生最後のムーンサルトを決めたはずの俺。
だがしかし、俺は芝生の上に立っていた。
目の前に広がる光景は地獄だ。
黒装束を着た男たちと、異形の怪物たちが殺し合っている。
黒装束を着た男たちは杖を持っており、魔法のようなものを駆使している。
対して異形の怪物たちは強靭な肉体を活かした肉弾戦で応戦している。
ここは一体、どこなんだ。
「何やってんだ大将!!!、早くエルダの野郎を見つけねーと!!」
後ろから声が聞こえた。
振り返ると、異形の怪物が声を荒げていた。
「大将!! 聞こえてるか大将!!」
どうやら俺に声をかけているらしい。
気づけば俺は、数人の黒装束に包囲されていた。
男たちは皆、俺に杖を向けている。
やばい!!!! 大ピンチ!!!!
その時、俺の身体は勝手に動いた。
ローリングソバットで後ろの一人を撃破!
そのまま横の一人をホールド、投げっぱなしジャーマンで二人撃破!!
最後の一人はビンタで撃破!!!
何だっ!? この怪力はっ?!
どうやら俺は怪物になったらしい。
若干息を切らしながら辺りを見回す。
「さすが大将!!!」
周囲から怪物たちの声が上がる。
遠くの方に王冠を着けた男を発見!
「大将、あいつだ!! エルダだ!!! ここは俺たちに任せて!! 大将は奴を!!」
「うおぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!」
俺は高らかに声を上げ、両腕を使用したラリアットで敵をなぎ倒しながら前進した!
そしてとうとう俺は敵の大将 エルダと対峙した。
その瞬間、俺の全身に衝撃が走った。