大人になったぞ!
生まれてこの方・・・と言っても今となっては感じることなどありえない年齢になっていますが、年を重ねるにつれて大人になったなぁと思うことが度々ありました
最初に思ったのは・・・
初めて珈琲を飲んだときです
それもコーヒー牛乳でもインスタントコーヒーでもない豆からの珈琲を飲んだ時でした
これ今もそうらしいのですが子供は飲むべからず!なんですね
なので、それに対して余計に興味をそそられるわけです
当時の我が家には豆から珈琲を淹れる器具なんてあるわけはない
家ではもっぱらインスタントコーヒーでした
でも、このインスタントコーヒーを飲むのですら最初は憧れだったのですよね
ということは・・・ほんまもんの珈琲を飲むためには喫茶店に行かないといけない
当時はファストフード店もコンビニもない時代です
珈琲を飲むなら喫茶店!
ところが大人が同伴でないと行ってはいけない
違反行為!・・・まあ校則違反ですけどね
なので、珈琲を飲むだけではなく、この喫茶店へ行くことも憧れだったのです
初めて入った喫茶店・・・純喫茶との違いもよく知らないで入った喫茶店
店内に漂う香ばしい珈琲の香り
それだけで未知の大人の世界の入り口に立った気がしました
カウンターにはサイフォンが数個並んでいて、下のフラスコには水が溜まっており、さらにその下にはアルコールランプが待ち構えている
注文が入ると、豆の容器が取り出され、珈琲豆用のスプーンで豆がすくわれる、そしてミルの中へ・・・さすがに電動ミルでないと時間がかかりすぎて商売になりませんわね・・・電動ミルが豆を砕く音を響かせる・・・最初は硬い動きが滑らかになる・・・するとそれに合わせてどんどん珈琲の香ばしい香りが広がる・・・堪らんなぁ!
ミルから粉にされた豆がサイフォンの上のロート部分に投入される
アルコールランプに火がつけられ、水で満たされたフラスコの下を熱し始める
暫くすると水が沸騰してサイフォン現象で上のロート内に昇る
ここでさらに芳しい香りが漂うのです
ロート内をスプーンで軽くかき混ぜる
ほぼフラスコ内に湯が無くなったらアルコールランプを外す
ロート内の湯の温度が下がるとこんどは褐色の液体がフラスコ内に戻ってきて出来上がり
温めていたコーヒーカップに注いでお客様へ提供されるのです
この喫茶店に入店したときからこの珈琲が出てくるまでが「大人になったぞ!第一弾」です
さて、初めての本格的な珈琲・・・ブラックで!なんて考えません
インスタントコーヒーと同じように添加物があるのですが・・・
ここでまた貴重な初体験をします
ブラウンシュガー!&コーヒーフレッシュ!
これは家には無いのですよ
家にあるのはせいぜいグラニュー糖か来客用の角砂糖、そしてクリーミングパウダーですからね
ブラウンシュガーを一欠片つまんで口に入れてみる
ふーん・・・よく解らん(笑)
よく解らないままコーヒーカップの中に添加
よく混ぜて溶かす
コーヒーフレッシュは一人分の量が入ったステンレスの小さな容器がコーヒーカップの上に載っている
これまたコーヒーカップの中に添加して、広がる模様を見たらスプーンで混ぜる
さあできたぞ!
味見する!
おお!これが珈琲か?
「大人になったぞ!第二弾」
美味いような・・・よく解らん(笑)
まあ、だいたい大人になったぞって・・・ふーん・・・よく解らんが多いような気がしますね
初めてビールを飲んだ時
こんな苦いもののどこが美味しいんだ?
煙草を吸ってみて・・・うわぁ!げほげほ!なんじゃこりゃ!
とかねぇ
こうして大人になるには試練を経なければならないのだ!と階段を登って来たのです
煙草はやめました
今や大人になってしまった私は、凝り性が災い?して珈琲豆なんてどこの産地のどの銘柄がどうとか・・・さらにブラックで飲んでいます
さらにビールなんて大ジョッキ片手にこの苦味が喉を潤す!なんて言っているのですからね
しかし、残念なことにもう大人になったぞ!なんて感じることが無くなってしまいました
ただ、大人になるのを拒否しているものが確かにあることも思い出しました・・・
秋刀魚の塩焼きを内蔵ごと食べる
この苦味が大人だとか・・・
いえ子供のままでいいです