真珠の瞳をした女の子。6
『パールーー?? 準備は出来たかぁーー?』
『あ、うん出来たよ!!』
そうして、玄関の鍵を閉めて車に乗り込んだ。
『ねぇ、ジュン。
ご両親はどうしたの??』
『ああ、昨日はたまたま親戚の家に行ってたんだ。』
『そーーだったんだ。
ねっ、ジュンのご両親ってどんな人??』
『別にふつーー。
ごく一般の家だしな。』
『ふーーん。』
『それよりも、お前ん家はどこだ?』
『えっ!!
私、帰りたくないっ!!』
『ダメだ! 取り敢えず、家に行くぞ!
俺も会社遅刻しちまう。』
パールは渋々と自宅へ案内した。
『ここか。』
パールを引き取った家は、とても立派で大きな家だった。
大きく聳え立つ、立派な金属の格子状の門。
それを支える、赤煉瓦の壁。
周囲を木で覆われて、敷地も広いがどれだけ広いのか、検討も付かない。
不自由無く暮らせると、誰が見ても分かる位だった。
『パール??』
『……。』
顔を俯いているだけで、何も喋らなかった。
『ったく。』
ジュンは、頭を無造作にかいた。
そして、少し深呼吸をする様に、深い息を吐いた。
『パール、取り敢えず学校の制服を取って来い。』
『えっ??』
『ここで待ってやっから、いいから取って来い!
それと、一週間分の服もな!!』
『ジュン……。』
『あーー! もう!! 早く取って来いっ!』
『うんっ!!』
パールは車を降りると、扉も閉めずに家へと走って行った。
©︎2023 山咲