真珠の瞳をした女の子。5
『おっはよーー! ジュン!!』
『う、ううぅ……。 お、おはよう御座います。』
『早く起きないと遅刻するよ?』
『あ、はい……。』
起きたてのボーーっとした脳内。
だが、純は一瞬にして目が覚めた。
『お、お前っ!!』
目の前前にパールの顔があった。
『なーーに驚いてるのよ? さ、早く起きなさいっ!』
『あ、ああ……。
って、お前、俺のベッドで寝てたのかーー!?』
『そーーよ?
それが何か??』
『お前の布団はあっちに引いただろ!!』
『だって、一人は嫌だ……。』
『(あっ……。)』
純はパールの過去の話しを思い出した。
『(こいつは、俺以上に孤独だったんだよな……。)』
そして、ガバっと布団から起きた。
『さ、パール、朝メシ食おうぜ?』
キッチンから、ぎこちない包丁の音や、フライパンの音が聞こえる。
『ったく、いつも親任せだったからなぁ。
あいつ、そもそも日本食食えるのか??』
『ねーー? ジュン、まだーー??』
『ちょっと待ってなさいっ!』
そして、食卓に何とか朝ご飯が並んだ。
『あ!! 納豆っ!!』
『ん? お前、納豆食えるのか??
日本人以外は、こんなの食わねーぞ?』
『私、納豆大好きーー!
それに、おみおつけも!』
『変わった外国人だなぁ。
なら、納豆やっから、俺は卵焼き食うよ。』
『私、小ちゃい頃に日本に来たから、日本食が大好き!
特に、納豆!! ネギは多めで真っ白なヤツを入れると、納豆が白くなって甘くなるの。』
『はは、日本人より日本人っぽいな。』
パールは、幸せな笑顔で朝食を食べていた。
純はそのパールの顔を見て、今までどれだけ孤独だったのかをしみじみと感じた。
©︎2023 山咲